テンパスAI(ティッカー:$TEM)の2025年第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.24 | -$0.27 | 〇 |
売上高 | $255.74M (YoY +75.4%) | $248.13M | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $1.25B | $1.24B | 〇 |
業績ハイライト
売上実績
区分 | 金額(百万ドル) | 前年同期比成長率 |
---|---|---|
総売上 | $255.7M | +75.4% |
Genomics事業 | $193.8M | +89% |
└ Oncology Testing(臨床) | – | +31%(ボリューム+20%) |
└ Hereditary Testing(Ambry) | $63.5M | +23%(ユニットベース) |
Data and Services事業 | $61.9M | +43%(Insights事業:+58%) |
- 売上成長率が非常に高く、特にGenomics事業が全体を牽引。
- 遺伝性検査(旧Ambry Genetics)も期待を上回る成長率(23%)でスタート。
利益・収益性
区分 | 金額(百万ドル) | 前年同期比成長率 |
---|---|---|
売上総利益 | $155.2M | +99.8% |
Adjusted EBITDA | -$16.2M | 改善幅:+$27.8M(前年同期:-$43.9M) |
- 営業レバレッジが効いており、損失幅の大幅縮小を実現。
- 粗利率向上の背景には、高付加価値検査(FDA承認版xT等)の増加が寄与。
ガイダンス(業績見通し)
区分 | 2025年通期見通し | 成長率(前年比) |
---|---|---|
売上高 | $1.25B | 約+80% |
- 2025年通期売上ガイダンスは前回比+$10Mで上方修正。
- Dataライセンス契約(AstraZeneca/Pathos)による確度の高い契約売上も反映。
質疑応答ハイライト
AZ・Pathosとの大型契約(データ・AI基盤モデル構築)
Q: 他製薬会社との同様契約の可能性は?Pathosの強みとは?
A(Eric Lefkofsky):
- AZとの契約発表後、多数の製薬企業から関心あり。すでに複数社と初期対話を開始。
- Pathosは独自の技術基盤を持ち、AZとの既存関係もあり三者契約に発展。
- 契約は非独占で、他社とも同様のモデル構築契約が可能。
Q: 会計処理の仕組みと収益認識は?
A(CFO Jim Rogers):
- Pathosからの$200Mライセンス契約は3年分割で段階的に収益認識。
- 初期の$50M支払と$35M支出(Pathosへ)は収益に直接影響せず。
- 今後の支払はキャッシュ中心で、株式支払も可能だが現時点では予定なし。
Ambry(遺伝性検査)の好調要因と持続性
Q: 予想以上の成長(+23%)の理由と今後の見通しは?
A(Eric Lefkofsky):
- 「遺伝性検査は成熟」との市場見方に異論。心疾患、アルツハイマー等を含む予防医療用途で将来的な対象人口は拡大。
- 成長持続の確信はあるが、目先は慎重に推移を見守る。
Deep 6の買収目的とシナジー
Q: Deep 6の買収意図と既存機能との違いは?
A(Eric Lefkofsky):
- 臨床データとの接続強化が目的。特に高品質な病院・研究機関との連携を拡大。
- Deep 6は医療機関が自前データを解析・活用できるツールを提供しており、当社のデータ基盤強化に貢献。
xM(MRD検査)の保険償還とEBITDA投資方針
Q: MolDxでの償還が得られた場合の収益インパクトは?
A(James Rogers):
- Q1にオンコロジーASPが$60上昇(ADLTバージョンの採用が要因)。
- 年内40%の移行を目標に、ASP改善は継続。
- MolDx償還は年後半以降を想定しており、現時点ではガイダンスに未反映。
Q: EBITDA黒字後の投資方針は?
A(Eric Lefkofsky):
- 2025年内のEBITDA黒字化を堅持。ただし、AI関連・MRD事業・診断プロダクトの強化に再投資。
- AIとデータは競争優位の源泉であり、計画的な再投資を継続。
Genomicsボリューム成長率とInsights事業の需要
Q: Genomicsの20%成長は予想通りか?
A(Eric Lefkofsky):
- FedEx遅延など天候要因はあるが、あまり注視せず。158,000件超のテストを実施し、20%成長は十分に良好。
- 短期ではなく中長期の安定成長を重視。
Q: Insights事業の契約残高や需要動向は?
A(James Rogers):
- Q1時点で未消化契約残高は$940M → $1B超に上昇(AZ契約含む)。
- 成長率はInsightsで+58%、Data全体で+43%と非常に好調。
- マクロ経済の影響で小規模バイオは減速傾向だが、大手ファーマ中心の当社は安定。
MRD(微小残存病変)市場におけるポジション
Q: xM(MRD)商業化1年目の振り返りと今後の展望は?
A(Eric Lefkofsky):
- ナイーブ型(xM)とインフォームド型(Personalis)両軸を保有。
- 現在は償還未確定のためボリューム制限中だが、需要は強い。
- MRDも含めて、将来的にはAIによる疾患予測と個別化治療の差別化が鍵。
コメント