ユナイテッド航空(ティッカー:$UAL)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $-0.15 | $-0.58 | 〇 |
売上高 | $12.54B (YoY +9.7%) | $12.45B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $4.00 ($3.75~$4.25) | $3.71 | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $10.00 ($9.00~$11.00) | $9.43 | 〇 |
業績ハイライト
営業収益
- 営業収益は前年同期比9.7%増の120億ドル
- 旅客収入は9.1%増、座席マイル収入は0.6%増
- 国内線の座席マイル収入は6.1%増と業界トップクラスの伸び
営業費用
- 営業費用は前年同期比で4.7%増加
- 航空機の納入遅延により、コスト効率化が難しい状況
四半期業績
- 第1四半期の税引前損失は7,900万ドル(前年同期は2億6,600万ドルの損失)
- ボーイングMAX9型機のグラウンディングがなければ黒字化できた水準
- 1株当たり損失は0.15ドルながら、ガイダンスとコンセンサス予想を上回る
キャッシュフロー
- フリーキャッシュフローは15億ドルのプラス
- 債務と資本リース債務の純額とEBITDARの比率は2.7倍と、パンデミック前の水準に
通期見通し
- 需要の回復が続き、事業環境は明るい
- United Next戦略が奏功し、通期のEPS9~11ドルを見込む
質疑応答ハイライト
国内線の好調な業績について
- Unitedは国内線でユニットレベニューが6%伸び、Deltaの2倍の伸びを記録した
- Scott Kirby CEOは、Unitedの製品、ネットワーク、ロイヤリティプログラムの競争優位性が構造的で永続的なものになったと強調
- プレミアムエコノミーとベーシックエコノミーの両方で収入が伸びており、顧客セグメントを幅広くカバーできている
航空機デリバリーの遅れの影響:
- ボーイングとエアバスからのデリバリー遅延により、2024年のキャパシティは当初計画を40機下回る見通し
- デリバリーを2025-2027年に平準化し、年平均100機導入の計画に変更
- この計画変更により、キャッシュフローの予見可能性が高まるとともに、収益性の高い成長を目指せる
国際線の状況
- 大西洋路線は好調、アジア太平洋は弱いながらも改善の兆し
- 中南米は第2四半期まで厳しい状況が続く見通し
- プレミアムクラスの有償座席率が前年比9ポイント増加するなど、プレミアム需要は総じて堅調
FAAの安全審査
- 安全性向上の機会ととらえ、真摯に対応する姿勢
- 審査により一部の航空機導入が遅れる可能性はあるが、2024年のキャパシティ計画への影響は最小限
- 安全は何より優先されるべき事項であり、必要な時間をかけて取り組む
マイレージプラス改善
- 家族や友人とマイルをシェアできる新プログラムの導入
- 特典航空券に必要なマイル数に到達しやすくなり、会員の利便性が向上
- Unitedにとってのコスト増加要因にはならない
中長期的投資計画
- aircraft delivery skylineを平準化し、2025-27年のCAPEXを各年70-90億ドルの間に収める計画
- フリーキャッシュフロー創出を重視する一方、収益性の高い事業成長も追求
- 具体的な長期業績目標は後日改めて提示予定
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