スポティファイ(ティッカー:$SPOT)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | €0.97 | €0.64 | 〇 |
売上高 | €3.64B (YoY +20%) | €3.61B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | €3.80B | €3.85B | × |
業績ハイライト
売上高は前年同期比21%増の36億ユーロ、営業利益は過去最高の1億6,800万ユーロ
- 売上高は為替変動の影響を除くと前年同期比21%増の36億ユーロ
- 広告売上高は為替変動の影響を除くと前年同期比19%増
- 営業利益は1億6,800万ユーロと過去最高を記録
月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比19%増の6億1,800万人
- 月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比19%増の6億1,800万人
- 第1四半期の純増数は1,300万人で、2021年、2022年と同水準
- 有料会員数は前年同期比で300万人増の2億4,200万人
プラットフォームのエンゲージメントが向上、オーディオブック聴取で1日あたり2.5時間増加
- オーディオブック利用者のうち、1日あたりの聴取時間が2.5時間増加
- 音楽、ポッドキャスト、オーディオブックなどを拡充し、ユーザーエンゲージメントを高める
第2四半期のガイダンス:MAUは6億3,100万人、売上高は38億ユーロ
- 月間アクティブユーザー数(MAU)は第1四半期から1,600万人増の6億3,100万人を見込む
- 売上高は為替変動の影響を除くと前年同期比22%以上の伸びを予想し、38億ユーロを見込む
- 営業利益は2億5,000万ユーロ、売上総利益率は28.1%を予想
質疑応答ハイライト
Music関連の収益性改善について
- Marketplaceが好調で、音楽以外のコストが低下したことが貢献
- Podcastでも収益性が改善し、ストリーミング配信コストも削減
- リソースを効率的に活用することで、あらゆる面でコスト効率化を図っている
MAUの変動要因と対応策
- 2023年は各種の追い風があり記録的なユーザー増加を達成。その反動で2024年第1四半期はやや鈍化
- マーケティング投資を適正化し、高LTV(顧客生涯価値)のユーザー獲得を強化
- プロダクト改善によるエンゲージメント向上に注力し、マーケ頼みから脱却を目指す
音楽ストリーミングサービスの価格設定戦略
- この2年で音楽、Podcast、オーディオブックなどコンテンツを拡充し大きな価値を提供
- ユーザーに提供する価値に見合った価格設定を行い、一部の価値をキャプチャーしていく方針
- オーディオブック単体プラン、音楽単体プランなど、ユーザーのニーズに合わせた柔軟なプラン設計を進める
オーディオブックの展望
- オーディオブックを聴くユーザーは、Spotifyでの利用時間が1日あたり平均2.5時間増加
- 音楽や動画に加え、オーディオブックを拡充することで、ユーザーエンゲージメントのさらなる向上を目指す
教育コンテンツの可能性
- 英国でオンライン教育コンテンツの実験的な取り組みを開始
- クリエイターがSpotifyを使って教育コンテンツを配信する動きが見られ、将来の大きな機会と認識
- 音楽、ストーリーテリングなどの分野で、優れたクリエイターによる教育コンテンツを拡充していく考え
広告事業の展望
- 音楽ストリーミングサービス全体の中では広告収入の割合はまだ小さいが、直近では20%近い成長率
- プログラマティック広告にも注力し、大企業からスモールビジネスまで幅広く対応
- 各四半期で広告主の予算が増加しており、欧州選手権やオリンピックなどのグローバルイベントで追い風
新CFO Christian Luigaへの期待
- 過去にTeliaSoneraでSpotifyへの投資に関わるなど、同社への理解が深い
- コスト最適化と事業成長を同時に実現した実績を評価
- リソース効率化のさらなる推進と、キャピタルアロケーションの最適化などに注力してもらう
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