ASML Holding N.V.(ティッカー:$ASML)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | €5.20 | €5.16 | 〇 |
売上高 | €7.24B (YoY+12.5%) | €7.43B | × |
ガイダンス 2024Q1売上高 | €5.25B (€5.0~€5.5B) | €6.78B | × |
業績ハイライト
2023年第4四半期および通年業績
- 第4四半期の売上高は72億ユーロ(前年同期比30%増)
- 第4四半期のEUV売上高は23億ユーロ(13台を計上)
- 2023年通年の売上高は276億ユーロ(前年比30%増)
- 2023年通年のEUV売上高は91億ユーロ(53台を出荷)
2023年第4四半期受注
- 第4四半期の受注額は92億ユーロ(EUV56億ユーロ、non-EUV36億ユーロ)
- ロジック向けが53%、メモリ向けが47%
- 年末時点の受注残高は390億ユーロ
2024年第1四半期の見通し
- 売上高50億~55億ユーロ
- サービス売上高約13億ユーロ
- 粗利率48%~49%
2025年に向けた長期展望
- EUV装置の需要は堅調、特にメモリ向けで30%を占める見込み
- High-NA EUV装置の顧客からの評価は高く、ロジック・メモリ双方で導入予定
- 2025年の売上高は541億~561億ユーロ、粗利率54%~56%を目指す
質疑応答ハイライト
2024年の業績見通しに関する質疑
- 2024年の業績見通しについては現時点では慎重だが、在庫水準の改善やツール稼働率の上昇など回復の兆しが見られる
- 半導体市場の回復ペースが予想より速ければ、2025年向けに製造予定の一部装置の出荷が2024年後半に前倒しされる可能性がある
- その場合、高マージンのサービス売上高の増加も期待できる
2025年の業績見通しに関する質疑
- 第4四半期の大型受注により、2025年の業績見通しに対する確信度が高まった
- 2025年の力強い需要に向けて、2024年は投資と技術開発を継続する移行期間と位置づけている
- メモリ向けEUV需要は、DDR5やHBMなどのAI関連需要から拡大する見込み
中国向け需要の見通しに関する質疑
- 中国向け需要は引き続き堅調だが、輸出規制の影響で10~15%程度の減少が見込まれる
- 世界的な需要動向によって、供給能力制約下での装置割り当てが変動する可能性がある
High-NA EUVの導入見通しに関する質疑
- 顧客からのフィードバックでは、1.4nmプロセス以降でもHigh-NA EUVが最良の選択肢であるとの認識
- High-NA EUVの導入時期は、ロジック、メモリともに同時期を見込んでいる
- 一部の見方に反して、ASMLはHigh-NA EUVの導入を強く確信している
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