決算：DIS 2024Q1

Walt Disney(ティッカー：$DIS)の2024年度第1四半期決算についてまとめます

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

業績ハイライト

ディズニーのストリーミング事業が大幅に改善

• エンターテインメント部門の直接販売事業の営業利益は、前年同期比で約8億5000万ドル改善し、第4四半期比でも約3億ドル改善
• 2024年度第4四半期までに、ストリーミング事業全体で利益を達成する見込み
• 長期的には、二桁の営業利益率を達成することを目指す

ESPNがデジタルスポーツプラットフォームへの移行を加速

• ESPNのチャンネルが、フォックスとワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーとの新しい合弁会社を通じて、今秋からダイレクト・トゥ・コンシューマーで提供される
• 2025年秋には、ESPNをスタンドアロンのストリーミングオプションとして提供開始
• ニック・サバン氏がESPNの解説者として加入

パークス＆エクスペリエンス部門が好調

• 上海とホンコンのテーマパークが記録的な業績を達成
• ディズニー・クルーズ・ラインが引き続き好調
• 『マーベルのスパイダーマン2』がゲーム事業で成功

株主還元策を発表

• 2024年度に30億ドルの自社株買いプログラムを実施
• 追加配当を宣言

質疑応答ハイライト

スポーツ事業の方向性について

• ESPNは、スポーツファンに効果的にサービスを提供することを目指している
• マルチチャネルエコシステムの課題やスポーツ分野での競争の激化を踏まえ、ESPN+やパートナーとのアプリベースのスポーツ中心の提供など、ダイレクト・トゥ・コンシューマーの方向性を推進
• 2025年8月に予定している「ESPNフラッグシップ」は、統合された betting や fantasy、マーチャンダイジング機能などを備えた没入型のスポーツ中心のアプリになる予定
• スポーツ分野におけるESPNのポジションと、ファン、広告主、スポーツリーグとの関係性を維持・強化することが成功の鍵

ストリーミング事業の二桁営業利益率達成について

• 良好なビジネスの指標として、成長性と魅力的なマージンの実現を目指している
• 加入者数の増加、価格設定、マーケティング費用やコンテンツ・技術関連支出の効率化などを通じて、利益率改善を図る
• 有料シェアリングへの対応、バンドルによる解約率低下、国際市場での成長などが、加入者数増加に寄与すると期待
• 具体的なタイムラインは市場動向に左右されるが、持続可能な良好なビジネスの実現に向けて緊急性を持って取り組む

コンテンツ制作の方向性について

• マーベル作品などで製作本数を絞り込み、質の向上に注力
• 有望なプロジェクトを推進し、将来性の乏しいプロジェクトは中止するなど、メリハリをつけた投資判断を実施
• スタジオ部門との連携を強化し、『インサイドアウト2』、『デッドプール』、『猿の惑星』、『ムファサ』、『モアナ』続編など有望な新作を揃えている
• アバター、スターウォーズ、トイ・ストーリーなど主要フランチャイズにも注力
• 現在の環境下では、ファミリアーなフランチャイズ作品に傾注することが賢明

Epicとのパートナーシップの狙いについて

• ゲームに費やす時間が増加しているZ世代、アルファ世代、ミレニアル世代の動向を捉え、魅力的な形でゲーム分野に参入する必要性を感じた
• これまでにもディズニーIPを活用したFortniteとのコラボレーションが成果を上げていた
• Fortniteに隣接し相互連携する形で、ディズニーの世界観を体現した巨大なディズニーワールドを構築
• ゲームプレイ、ユーザー制作コンテンツ、ディズニーコンテンツの配信、ユーザー間交流、デジタル/物理グッズの販売など、多様な機能を盛り込む
• ディズニーIPをゲームの世界で表現する新たな手法として期待

ESPNのダイレクト・トゥ・コンシューマー提供が既存のマルチチャンネルビジネスに与える影響

• 新たな合弁会社を通じた提供においても、マルチチャンネルでのESPN提供と同等の収益を得られる体制を整備
• FXをHuluで、ディズニーチャンネルやナショナルジオグラフィックをディズニー+で提供するなど、マルチチャンネル以外の選択肢も拡充
• マルチチャンネル離れが進んでも、Huluやディズニー+上のコンテンツで十分に補完可能な体制を整えている
• むしろマルチチャンネルに加入していなかったスポーツファンの取り込みにつながる可能性が高く、リスクは低い