ダナハー(ティッカー:$DHR)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.92 | $1.71 | 〇 |
売上高 | $5.8B (YoY -2.5%) | $5.62B | 〇 |
業績ハイライト
Q1の業績は予想を上回る
- 売上高は58億ドル、コア売上高は4%減
- 粗利益率は60%
- 調整後営業利益率は30.1%で前年同期比1.7ポイント減
- 調整後希薄化後EPS $1.92
- フリーキャッシュフロー14億ドル、フリーキャッシュフロー対純利益比率130%超
セグメント別の業績
- バイオテクノロジー:コア売上高17%減
- ライフサイエンス:コア売上高3%減
- 診断:コア売上高7.5%増
バイオプロセッシング事業は予想を上回る
- Q1のコア売上高は予想を上回る
- 受注は前期比で中一桁の伸び、受注残高対売上高比率は約0.95に改善
- 北米・欧州の大口顧客は通常の発注パターンに戻りつつある
- 通期のコア売上高は前年比若干のマイナスを予想、年末にかけて高い一桁台後半かそれ以上の成長に回復する見込み
第2四半期と通期の見通し
- 第2四半期のコア売上高は前年比で中一桁台半ばのマイナスを予想
- 第2四半期の調整後営業利益率は約26%の見込み
- 通期のコア売上高は前年比若干のマイナス、調整後営業利益率は約29%で変更なし
質疑応答ハイライト
バイオプロセッシング事業の回復の兆し
- Q1の受注はシーズン的な傾向に反して前期比で中一桁の伸び。受注残高対売上高比率は約0.95に改善
- 北米・欧州の大口顧客は通常の発注パターンに戻りつつある。在庫調整は第2四半期末までにほぼ終了の見込み
- バイオテック企業の資金調達環境は改善しているが、まだ受注には反映されていない
- 中国は需要と活動レベルが低迷
- 通期の売上高は前年比若干のマイナスを予想。年末にかけて高い一桁台後半かそれ以上の成長に回復する見込み
セグメント別の業績動向
- ライフサイエンス:機器事業は前年比でマイナス。試薬・消耗品は堅調だが、中国での落ち込みが影響
- 診断:クリニカル診断は中一桁の成長。Cepheid (分子診断)は2桁の成長で市場シェアを拡大
マージンと利益率の見通し
- 第2四半期の調整後営業利益率は約26%の見込み。Cepheidの季節性の影響が大きい
- 通期の調整後営業利益率は約29%で変更なし
M&Aへの考え方
- 引き続きM&Aを重視。金利上昇でハードルは上がるが、規律を持って取り組む方針
中国の動向
- 当局の景気刺激策はまだ不透明。2024年への影響は限定的と見込む
- バイオテクノロジーは約40%減、ライフサイエンスは10%台後半減、診断は若干のマイナス
BIOSECURE法案の影響
- 成立の可否や詳細はまだ不明
- 製薬会社はサプライチェーンのリスク低減に動いている
- ダナハーのソリューションはグローバルに展開可能
- 製造拠点の移行で一時的な影響の可能性はあるが、ダナハーは顧客をサポートしていく
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