チャールズシュワブ(ティッカー:$SCHW)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.73 | $0.72 | 〇 |
売上高 | $4.69B (YoY +0.6%) | $4.70B | × |
業績ハイライト
第2四半期の財務実績
- 収益は前年同期比1%増の47億ドル
- 調整後費用は前年同期比約2%増(一時的/異例項目を除くと1%以上減少)
- 調整後税引前利益率は約41%
- 調整後EPSは0.73ドル
バランスシートの状況
- 総資産は4%減少(主に税関連の資金流出とクライアントの現金再配分活動による)
- マージン利用は15%増加(2023年末比)
- 補完的借入は若干増加(マージンローン需要増加のため)
- 自己資本比率は引き続き上昇(シュワブ銀行の調整後Tier 1レバレッジ比率は6%超)
2024年の見通し
- 通年収益は前年比横ばいから2%増の見込み
- 調整後費用は前年比約2%増の見込み
- 第4四半期の調整後EPSは0.80〜0.90ドルの範囲の中間を予想
- 2024年末までに連結調整後Tier 1レバレッジ比率は6.75%〜7%に近づく見込み
質疑応答ハイライト
預金金利と金利低下の影響
- FRBが9月に1回の利下げを行うと想定
- 預金ベータは引き締め局面より緩和局面の方が高くなる傾向
- 金利低下により、代替ソリューション(マネーマーケットファンド、CD等)の魅力が低下し、取引用現金残高が増加する可能性
サードパーティ銀行の利用拡大
- TD銀行とのIDA契約が経済性の指標となる可能性
- 預金をサードパーティ銀行に移すことで、必要資本を減らせる可能性
- クライアントローンの資金調達と適切な流動性維持のため、十分な預金を自社銀行に維持する方針
- 長期的な戦略で、数年かけて段階的に実施予定
アメリトレード統合後の顧客資産流入
- シュワブの既存顧客は5〜7%の有機成長率を維持
- アメリトレード顧客の行動が徐々に改善(顧客満足度スコアが上昇、資金流出から流入へ転換)
- シュワブのモデル(ファイナンシャルコンサルタント、リレーションシップモデル等)をアメリトレード顧客に導入することで、成長率向上を目指す
証券ポートフォリオの再構成
- 高コスト負債の返済加速のため、証券ポートフォリオ再構成の可能性を検討
- 顧客からの信頼を損なわないよう慎重に対応
- 短期的な実施は予定していないが、完全に排除するものではない
預金の長期的な成長見通し
- 安定環境下では、預金は口座数と総資産の成長に連動して増加すると予想
- 20年前に口座を開設した顧客の分析では、資産増加に伴い現金残高も増加し、一定の割合を維持
- 金利上昇時は成長が鈍化し、金利低下時は加速する傾向
レンディング事業の拡大
- 業界平均と比べてレンディング資産の割合が低く、拡大の余地あり
- 顧客にとって最も簡単で分かりやすいプロセスを構築することに注力
- 担保付与信枠(PAL)プログラムでは、平均サイクルタイムを1.7日に短縮し、85%がデジタルで発生
- モーゲージプロセスや富裕層向けレンディングの改善にも取り組む
- アドバイザー顧客へのサービス向上にも寄与
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