モルガンスタンレー(ティッカー:$MS)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.88 | $1.58 | 〇 |
売上高 | $15.38B (YoY +15.9%) | $14.41B | 〇 |
業績ハイライト
第3四半期の主要な財務結果
- 収益は154億ドルで、前年同期比で成長
- 純利益は30億ドル
- 有形自己資本利益率(ROTCE)は17.5%
- 株当たり利益(EPS)は1.88ドル
セグメント別業績
- ウェルスマネジメント部門:
- 過去最高の収益73億ドルを記録
- 顧客資産は6兆ドルに到達
- 純新規資産は640億ドル
- インスティテューショナル・セキュリティーズ部門:
- 収益は68億ドルで、第3四半期としては過去最高水準に近い実績
- 投資銀行業務の収益は前年同期比で増加
- インベストメント・マネジメント部門:
- 収益は前年同期比9%増の15億ドル
- 長期純資金流入は約70億ドル
その他のハイライト
- 効率性比率は前年同期比で約300ベーシスポイント改善し72%に
- 標準的なCET1比率は15.1%
- 四半期配当を0.925ドルに引き上げ
- 四半期中に7.5億ドルの自社株買いを実施
質疑応答ハイライト
オペレーティングレバレッジについて
- 長期的な視点で効率性向上に注力している
- 不動産の最適化や専門サービス費用の削減により、成長のための投資余地を創出
- サイバーセキュリティやFA向けの新製品・技術への投資を継続
- 複数年にわたるプロセスであり、今後も継続的に取り組む予定
ウェルスマネジメント部門の強い実績について
- 9月は特に強い実績を示した
- スウィープ預金の傾向が良好で、金利低下局面で安定化の兆しが見られる
- アドバイスベースの資産が増加し、顧客とFAの関与が高まっている
- 新規顧客の獲得も好調で、特にアドバイザー主導のチャネルで顕著
米国外での事業展開について
- グローバルな投資銀行としての存在感が重要
- 欧州大陸、英国、アジアでの投資を継続
- EMEAでは前年同期比約25%、アジアでは30%以上の収益成長を達成
- クロスボーダーM&Aの活発化に備え、シームレスな執行能力を強化
IPO市場の見通しについて
- スポンサー企業の動きが活発化しており、IPO市場の回復が期待される
- より大規模な企業のIPOが増加すると予想
- グローバルな規模でIPOが増加する可能性があり、モルガン・スタンレーの強みを活かせる領域
AIの活用について
- OpenAIとのパートナーシップを継続し、新しいプラットフォームやアプリケーションを開発中
- FAが研究ポータルを利用しやすくするAIツールを導入
- 会議の要約や言語翻訳などを行う「debrief」ツールを開発
- ウェルスマネジメント部門でのAI活用は初期段階であり、今後さらなる展開が期待される
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