NXPセミコンダクターズ(ティッカー:$NXPI)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.24 | $3.18 | 〇 |
売上高 | $3.13B (YoY +0.3%) | $3.13B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $3.125B ($3.025B~$3.225B) | $3.11B | 〇 |
業績ハイライト
第1四半期の業績
- 売上高は31億3,000万ドルで、前年同期比ほぼ横ばい
- 自動車向けは前年同期比1%減の18億ドル
- 産業用IoTは前年同期比14%増の5億7,400万ドル
- モバイル向けは前年同期比34%増の3億4,900万ドル
- コミュニケーションインフラ・その他は前年同期比25%減の3億9,900万ドル
- 非GAAPベースの営業利益率は34.5%で、前年同期比0.3ポイント低下
第2四半期の見通し
- 売上高は31億2,500万ドル(前年同期比5%減、前期比ほぼ横ばい)を予想
- 自動車向けは前年同期比高シングルケタ%減、前期比中シングルケタ%減を予想
- 産業用IoTは前年同期比および前期比ともに高シングルケタ%増を予想
- モバイル向けは前年同期比20%台前半の増加、前期比ほぼ横ばいを予想
- コミュニケーションインフラ・その他は前年同期比20%台半ばの減少、前期比高シングルケタ%増を予想
2024年通期の見通し
- 年間売上高は僅かな増減を予想
- 下期は全事業で需要が改善する慎重ながらも楽観的な見方
- 第2四半期末時点のディストリビューション在庫を1.7ヵ月程度に増やす方針
- 需要のモメンタムが続けば、下期にチャネル在庫を追加で積み増しする可能性
質疑応答ハイライト
長期的な自動車事業の成長見通しについて
- 2021年から2024年の自動車事業の成長目標9~14%は、おそらく今年達成見込み
- 11月の投資家デーで今後3年間の新たな成長目標を発表予定
- ADASと電動化の流れを追い風に、ソフトウェア定義の車両へのシフトでも優位に立てる
- 価格設定は今後数年間は持続可能。今後は毎年低シングルケタ%のASP下落に戻る可能性
2024年通期の自動車事業の見通し
- 昨年は自動車生産とほぼ同じ9%の売上成長だったが、実際には在庫を積み増さずに価格を上げてコントロールしていた
- 今年は自動車生産台数の伸びがゼロになる中、ティア1顧客の在庫消化が業績に影響
- 第2四半期末までに在庫調整が完了するかは不透明だが、下期は上期を上回る成長を見込む
- 下期の成長はレーダープラットフォームの立ち上がりなどNXP固有の要因にも起因する
ディストリビューション在庫の積み増しについて自信を深めた理由
- 第1四半期の在庫1.6ヵ月は計画的なものではなく、1.5~1.6ヵ月の間を推移していた結果
- 第2四半期に在庫を1.7ヵ月まで引き上げるのは意図的。下期の成長への慎重ながら楽観的な見方が理由
- 自動車ではNXP固有のプラットフォームが下期に立ち上がること、Impinjとの和解でRFIDタギングの需要が改善すること、ティア1の在庫が正常化することなど
- 産業用IoTでは中国での需要改善もあり、2023年第1四半期に底打ちしたところから回復基調
中国での製造戦略と競争力について
- 中国の顧客から現地生産へのニーズが高まっており、対応を強化中
- 台湾TSMCの南京工場(16nmプロセス)、中国SMICとも提携。アナログ向けに第3のファウンドリも選定
- 現地生産により、顧客ニーズへの対応と現地企業との競争でのコスト面の対等性を実現できる
- 中国のローカル企業は、自動車向けのパワー半導体と、自動車以外の低価格帯マイクロコントローラーで力をつけてきている
- 高機能化とソフトウェア化が進む自動車分野への参入は容易ではなく、当面はNXPの脅威にはならないと考えるが、常に競合を意識して臨む
コメント