IBM(ティッカー:$IBM)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.30 | $2.23 | 〇 |
売上高 | $14.97B (YoY +1.5%) | $15.08B | × |
業績ハイライト
業績数値
- 売上高:150億ドル
- 調整後EBITDA:38億ドル
- 税引前営業利益:25億ドル
- 1株当たり営業利益:2.30ドル
- フリーキャッシュフロー:66億ドル(9ヶ月累計)
セグメント業績
- ソフトウェア:売上高10%増、利益率約30%
- コンサルティング:売上高横ばい
- インフラストラクチャ:売上高7%減
主要トピックス
- Red Hat収益が14%成長し、約65億ドル規模に拡大
- 生成AI関連のビジネス規模が30億ドルを突破(前四半期から10億ドル増)
- 年間のフリーキャッシュフロー見通しを120億ドル以上に据え置き
- 生産性イニシアチブによる年間コスト削減目標を35億ドルに引き上げ
- QRadar事業の売却により約3.5億ドルの税引前利益を計上
質疑応答ハイライト
2025年の成長見通しについて
- Red Hatの14%成長が継続する見込み
- 生成AI製品や自動化スイートで良好な実績
- メインフレーム関連ソフトウェアの堅調な成長継続を予想
- HashiCorpの買収効果とさらなるM&Aの実施を計画
- コンサルティングは上期は控えめな成長、下期に改善を見込む
コンサルティング事業の現状と見通し
- 生成AI関連の受注は25億ドルまで拡大(前四半期から10億ドル増)
- プロジェクトの期間が従来より長期化(平均40ヶ月超)
- 収益化の速度は従来より3-4ポイント低い
- 短期的な裁量的支出は抑制傾向が続く
- 2025年後半からの成長加速を期待
M&A戦略について
- ハイブリッドクラウド、自動化、データ/AI分野に注力
- IBMとのシナジー効果が見込める案件を重視
- オープンソースに限定せず、幅広い対象を検討
- コスト削減やAI効率化に寄与する企業を重視
- 当面は現在の戦略分野での買収を継続
ソフトウェア事業の利益率について
- 第3四半期は30%の利益率を達成
- 収益性の高いトランザクション処理事業が貢献
- 生産性向上イニシアチブの効果も表れている
- イノベーションへの投資を継続しながら、利益率の改善を目指す
- 今後も利益率向上の余地があると認識
生成AI戦略について
- Graniteモデルのコスト効率が90%改善
- エンタープライズ向けに特化したモデルを開発
- パラメータ数を8-30億に最適化し、特定タスクで高性能を実現
- ライセンス形態も企業ニーズに合わせて柔軟に対応
- コスト効率と実用性を重視したアプローチを継続
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