ウェスタンデジタル(ティッカー:$WDC)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.63 | $0.22 | 〇 |
売上高 | $3.46B (YoY +23.3%) | $3.37B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $1.05 ($0.90~$1.20) | $0.89 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $3.70B ($3.60B~$3.80B) | $3.71B | × |
業績ハイライト
業績の概要
- 売上高は35億ドルで、前年同期比23%増加し、期待値を上回った
- Non-GAAPベースの粗利率は29.3%で期待値を大幅に上回り、前四半期から13.8ポイント、前年同期から18.7ポイント改善
- Non-GAAPベースのEPSは0.63ドルで期待値を上回った
各事業の状況
- フラッシュ事業の売上高は17億ドルで前四半期比2%増加。平均販売価格は18%上昇したが、ビット出荷量は15%減少
- HDD事業の売上高は18億ドルで前四半期比28%増加。平均販売価格は19%上昇し、出荷エクサバイト数は41%増加
- クラウドの売上高は16億ドルで前四半期比45%増加、前年同期比29%増加
- クライアント向けの売上高は12億ドルで前四半期比5%増加、前年同期比20%増加
- コンシューマー向けの売上高は7億ドルで前四半期比13%減少、前年同期比7%増加
今後の見通し
- フラッシュ事業ではエンタープライズSSDの需要が回復しており、今後もAIワークロード関連の需要増加が見込まれる
- HDD事業では大容量ニアラインドライブの需要が回復しており、価格改善も見込まれる
- AIの普及拡大によりエッジとデータセンターの両方でHDDとフラッシュの需要が増加すると予想される
- 2024会計年度第4四半期の売上高は36億ドル〜38億ドルを見込む
質疑応答ハイライト
HDD事業の粗利率改善の持続性について
- HDD事業の粗利率は31.1%に達し、長期目標の範囲内に入った
- 高い粗利率を達成できたのは、コスト削減と収益性改善に注力した結果
- 今後も革新的な製品を市場に投入し、顧客にTCO改善をもたらすことで、収益性のさらなる向上を目指す
- 需要の回復と供給制約の環境の中で、適正な価格設定を行い、HDD事業の利益率拡大を目指す
BiCS6技術を用いたQLC NAND製品の投入について
- BiCS6技術を用いたQLC NANDベースのクライアントSSDの量産を開始した
- これは重要なマイルストーンであり、2024年にQLC NANDへの移行を主導する
- BiCS8技術の開発も順調に進んでおり、市場の状況に応じて製品化の準備ができている
- エンタープライズSSD市場でも需要が回復してきており、BiCS6ベースの高性能PCIe Gen5 SSDのサンプル出荷を開始した
AIによるHDDとフラッシュ需要への影響について
- AIの普及拡大により、エッジとコアの両方でHDDとフラッシュの需要が増加すると予想される
- HDD事業では、大容量データの保存に適したソリューションとして需要が高まる見込み
- フラッシュ事業では、AIトレーニング向けの大容量エンタープライズSSDの需要増加が見込まれる
- 両事業ともに、AIによる長期的な成長機会とマージン拡大の可能性がある
今後のフラッシュビット出荷量と価格の見通しについて
- 2024会計年度第4四半期のフラッシュビット出荷量はフラットを予想
- 売上高の伸びは主に平均販売価格の上昇によってけん引される見込み
- 供給制約の環境の中で、高付加価値な市場にビットを割り当てることに注力する
- 価格上昇は望ましい傾向だが、需要の持続性を見極めつつ、慎重に設備投資を行う方針
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