メルカドリブレ(ティッカー:$MELI)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $12.61 | $7.55 | 〇 |
売上高 | $6.06B (YoY +37.4%) | $5.94B | 〇 |
📊 業績ハイライト
🟢 売上と利益
指標 | 2024年Q4実績 | 前年同期比 | コメント |
---|---|---|---|
売上高 | $21.0B | +31% | ブラジル、メキシコ、アルゼンチンでの市場シェア拡大が牽引。 |
フリーキャッシュフロー | $1.3B | +35% | キャッシュ創出力の向上を反映。 |
調整後EBITDA | 非開示 | – | 主要事業への投資を継続しながら利益率を確保。 |
🟢 主要事業別ハイライト
Eコマース部門
- GMV(流通取引総額)はブラジル、メキシコ、アルゼンチンで市場平均を上回る成長を達成。
- ユニークバイヤー数は1億人を突破。
- 「Meli Delivery Day」や「Full Super」といった物流強化策が新規顧客獲得に寄与。
FinTech部門(MercadoPago)
- 月間アクティブユーザー数は6,100万人を超え、史上最高水準に。
- 新規クレジットカード発行枚数は 590万枚、ポートフォリオは前年同期比で2倍以上に拡大。
- ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリで預金に対する高利回り商品や、税制優遇投資商品(LCI、LCA)を提供開始。
- 「Meli Dollar」安定コインを導入し、ユーザーの資金管理オプションを拡大。
🟢 物流強化
- 2024年中に新たに2つの物流センターを開設。
- 出荷件数は前年同期比 +29% 増加し、配送ルートあたりの出荷数も過去最高を記録。
- 新たな棚システム導入により、物流センターの生産性向上と設備投資(CapEx)の抑制を両立。
🟢 地域別ハイライト
地域 | 主要実績 | コメント |
---|---|---|
ブラジル | クレジットカード発行数・決済量が急拡大 | マクロ経済環境に応じて与信基準を厳格化。 |
メキシコ | 低価格帯商品の販売が市場平均以上の成長を記録。 | ユーザー体験向上施策と無料配送の提供が奏功。 |
アルゼンチン | 取扱商品数が前年同期比**+18%**増加。 | 信用リスクを管理しつつ、消費者向けローンを4倍に拡大。 |
🔴 コストとリスク管理
- クレジットカード発行数の増加に伴い、ブラジルでの信用リスク管理を強化。特に**「マイクロカード」**の発行を抑制し、支払期間を短縮。
- 与信モデルの改善により、初回支払い不履行率は 過去最低水準 まで低下。
🎤 質疑応答ハイライト
1. クレジットポートフォリオと金利上昇の影響
Q: ブラジルの金利上昇に伴い、クレジットリスクに対する姿勢はどう変わったか?
A:
- リスク軽減策:
- マイクロカードの発行を大幅に削減。
- 支払期間を短縮し、リスクの高いセグメントへの発行を抑制。
- 現在の信用ポートフォリオは健全であり、2年以上経過したクレジットカードコホートはすでに黒字化。
2. アルゼンチンでの成長と利益率
Q: アルゼンチンの成長は利益率にどう影響するか?
A:
- 2024年後半に経済が回復。アイテム販売数は前年同期比**+18%**増加。
- クレジットブックは4倍に成長し、NPL(延滞率)は依然として低水準。
- アルゼンチンはブラジルやメキシコよりも利益率が高く、2025年も成長を見込む。
3. 成長と利益率のバランス
Q: 成長と利益率のバランスはどう考えるか?
A:
- 長期的な成長を最優先とし、物流、クレジットカード、FinTechへの投資を継続。
- 短期的に利益率が変動しても、固定費のスケール効果を通じて長期的な利益率の改善を見込む。
4. 広告事業の成長ポテンシャル
Q: 広告収益がGMVに占める割合は今後どのように成長するか?
A:
- 2024年第4四半期はGMV比**+0.5pp**増加。
- ブランドや代理店との関係強化、広告インベントリの拡張、外部プラットフォームとの連携によりさらなる成長を期待。
- 現状は国際競合に比べて低い水準であり、長期的には同等レベルまで成長すると見込む。
⚖️ 総括
🟢 ポジティブ要素
- 強力な成長: 売上、フリーキャッシュフロー、GMV、ユーザー数など、すべての主要KPIで二桁成長を達成。
- 健全なクレジットポートフォリオ: 与信リスクを適切に管理しながら、信用事業を拡大。
- 物流の生産性向上: 出荷件数増加とコスト最適化により、利益率改善に寄与。
- 地域別成功: アルゼンチンの経済回復とFinTech事業の急成長が利益に貢献。
🔴 ネガティブ要素
- 短期的な利益率圧迫: クレジットカード発行拡大により、ブラジルでの利益率が若干低下。
- マクロ経済リスク: ブラジルの金利上昇とアルゼンチンの経済変動により慎重な与信が必要。
- 競争激化: 低ASP商品セグメントでは競合との競争が激化。
📈 今後の見通し
- 2025年も引き続きEコマースとFinTechの両輪で成長を加速。
- マイクロカード発行抑制などリスク管理を徹底しつつ、クレジットポートフォリオを拡大。
- アルゼンチンにおける信用事業のさらなる拡大を見込む。
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