スナップ(ティッカー:$SNAP)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.08 | -$0.13 | 〇 |
売上高 | $1.36B (YoY +14.3%) | $1.34B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・キャッシュフロー
指標 | 数値 | 前年同期比 |
---|---|---|
総売上 | $1.363B | +14% |
広告収益 | $1.211B | +9%(うちDR広告:+14%、ブランド広告:-3%) |
その他収益(Snapchat+等) | $152M | +75%(年換算収益:$600M超) |
調整後EBITDA | $108M | +135%(前年:$46M) |
フリーキャッシュフロー | $114M | +大幅改善 |
純損失 | -$140M | 改善(前年:-305M) |
- 北米売上成長率:+12%(前四半期比+4ポイント加速)
- 欧州売上成長率:+14%、その他地域:+20%
- 広告インプレッション増加率:+17%
- ECPM:-7%(インベントリ増が広告需要を上回る)
- Snapchat+加入者数:1,500万人(前年比+59%)
利益率・コスト構造
指標 | 数値 | 備考 |
調整後粗利益率 | 53% | 前年:52% |
調整後営業費用 | $618M | +7%(人件費+2%、R&D増加等) |
インフラコスト(DAUあたり) | $0.82 | ガイダンス下限 |
全体のストックベース報酬(SBC) | $1.13B – $1.16B(年間予測) | 従来より$30M削減 |
財務体質強化
- 転換社債の借換実施:新規に$1.5B発行(2033年満期)、既存債務$1.44Bを額面以下で買戻し($198M割引)
- 総負債残高:$3.5B(前四半期比-$0.2B)
- 現金および市場性証券残高:$3.2B
業績見通しとコストガイダンス
- Q2ガイダンス:マクロ不透明性のため未提供
- Q2想定DAU:4.68億人
- インフラコスト/DAU:$0.82-$0.87(Q2は中央値を見込む)
- 調整後営業費用ガイダンス:$2.65B-$2.7B(従来より$50M減)
- SBCガイダンス:$1.13B-$1.16B
質疑応答ハイライト
北米収益加速の要因(Piper Sandler)
Q:北米収益成長加速の要因は?
A(Evan): 小規模・中規模広告主(SMB)の成長、DR広告の成果、Snapchat+の貢献によるもの。長年の広告基盤投資がようやく実を結び始めた。
Q:Simple Snapchatのテスト結果と今後の方向性は?
A: 3タブ設計はパワーユーザーに不評だったため、5タブUIに進化させて改善中。タイル型広告の収益性維持にもつながる。
マクロ経済と広告需要(Barclays)
Q:Q2序盤の広告需要のマクロ影響は?
A(Derek): 依然として成長しているが、Q2序盤にはヘッドウィンドが発生。中国発広告主への関税(de minimis規制変更)が影響との声も。詳細因果関係は断定できず。
Q:コスト削減規模が小さいが、需要鈍化との整合性は?
A: 投資水準を収益成長とバランスさせる方針。Q1では37%のフロースルーを達成、引き続き費用最適化を継続。
DR広告20%成長への展望(LightShed)
Q:DR広告の成長率を20%以上に加速するには?
A(Evan): モデルの鮮度向上、信号の活用拡張、新しい広告フォーマット(Sponsored Snaps)、営業体制の再構築(Ajit主導)が成長ドライバー。
Q:中国広告主の収益割合は?
A(Derek): 開示していないが、報告単位に含まれていないことから大きな割合ではないと推察。
Q:Snapchat+を除いた広告収益も成長しているか?
A: 序盤ながらも広告収益も成長しているとの認識(詳細数値は非開示)。
My AIの戦略的位置付けとAR連携(Bernstein)
Q:My AIの差別化と将来展望は?
A(Evan): チャットだけでなく、ビジュアルコミュニケーションとARとの融合が差別化ポイント。将来的にはARがAIインターフェースの主軸になると期待。
Q:北米でのDAU微減に対する施策は?
A: コンテンツの鮮度向上、地元クリエイターの活用などを通じて維持・成長を目指す。
SMB広告主の拡大戦略(New Street Research)
Q:Snap Promote導入後のSMB広告主戦略は?
A: Snap Promoteを通じた小規模広告主獲得に成功。今後は中規模広告主への移行・拡大を重視し、Ads Managerの簡素化などで対応。
Q:Snap Promote広告主の本格広告移行状況は?
A: 着実に移行が進行中。使いやすさ向上が今後のカギ。
インベントリと広告需要のバランス(BofA)
Q:需要抑制の中でのインベントリ対策は?
A: Sponsored Snapsでチャット面の広告在庫を拡張中。GBO(Goal-Based Optimization)を段階導入し、最適化を進行中。
採用の進捗とコストガイダンスの整合性(Evercore)
Q:Q1の人員増加と費用ガイダンス修正の関係は?
A(Derek): 採用は主にSMB支援、測定、AIエンジニアリング領域。採用は投資計画と整合的に抑制していく予定。
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