ガーミン(ティッカー:$GRMN)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.41 | $2.02 | 〇 |
売上高 | $1.82B (YoY +23%) | $1.70B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $7.80 | $7.74 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $6.80B | $6.72B | 〇 |
🟢 業績ハイライト
📊 全体業績
項目 | 2024年Q4実績 | 前年比 | 2024年通期実績 | 前年比 |
---|---|---|---|---|
売上高 | $1.82B | +23% | $6.3B | +20% |
粗利益率 | 59.3% | +100bps | 58.7% | +120bps |
営業利益 | $516M | +52% | $1.594B | +46% |
営業利益率 | 28.3% | +540bps | 25.3% | +240bps |
GAAP EPS | $2.25 | +39% | $7.30 | +32% |
Pro Forma EPS | $2.41 | +40% | $7.39 | +32% |
フリーキャッシュフロー | $399M | -4% | $1.2B | +5% |
キャッシュ及び有価証券 | $3.7B | +8% | – | – |
経営陣は「2024年は歴史的な成功の年だった」と強調し、35周年を迎え、累計3億台以上のナビゲーションおよび通信機器を出荷し、2024年だけで1,800万台を販売しました。
🟢 セグメント別業績
セグメント | 2024年Q4売上高 | 前年比 | 通期売上高 | 前年比 | 営業利益率 | 2025年ガイダンス |
---|---|---|---|---|---|---|
フィットネス | $470M | +31% | $1.77B | +32% | 27% | +10% |
アウトドア | $510M | +29% | $1.96B | +16% | 36% | +10% |
航空 | $228M | +4% | $877M | +4% | 24% | +5% |
マリン | $300M | +17% | $1.1B | +17% | 22% | +4% |
自動車OEM | $163M | +44% | $611M | +44% | – | +7% |
🟢 2025年業績ガイダンス
項目 | 2025年見通し | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | $6.8B | +8% |
粗利益率 | 58.7% | ±0bps |
営業利益率 | 25% | -30bps |
Pro Forma EPS | $7.80 | +6% |
フリーキャッシュフロー | $1.1B | -8% |
年間配当 | $3.60/株 | +20% |
🟢 ポジティブ要因: 新製品投入(特にフィットネスとアウトドア)、自動車OEMのBMW契約最大化、安定した粗利益率
🔴 ネガティブ要因: 自動車市場の不振、中国市場の需要低迷、R&D投資増加による営業費用上昇
💬 質疑応答ハイライト
🟢 フィットネスセグメント
Q: 新製品による顧客基盤の変化について教えてください。
A: フィットネス製品は特に新規顧客層に浸透しており、市場シェアの拡大が好調な結果を生んでいます。2025年も引き続き10%成長を見込んでいます。
🔴 営業利益率に関する懸念
Q: 2025年の営業利益率見通しは25%と若干低下していますが、その理由は?
A: R&D費用の増加(売上比+30bps)によるものです。これらは将来の成長を見据えた製品開発への投資です。
🟢 地域別業績(EMEAの強さ)
Q: EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域の好調の要因は?
A: EMEAでは特にウェアラブル市場で強力な2位ポジションを確立しており、フィットネスおよびアウトドア製品が市場を牽引しています。
🔴 自動車OEMセグメントの収益性
Q: BMWプログラムの最大収益化が2025年に達成されるとのことですが、いつ利益化しますか?
A: 2025年は売上+7%を見込むものの、営業損失が継続します。利益化は2027年以降、特に新規プラットフォーム導入による成長で実現する見込みです。
🟢 コスト構造改善
Q: セグメントごとの「製品コスト低下」の背景は?
A: 生産規模の拡大(年間1,800万台生産)、サプライチェーンの最適化、製造効率向上が主因です。
📈 総括(厳正な評価)
- ポジティブ
- 成長持続: 全セグメントで2桁成長を記録。2025年も安定した成長(8%)を見込む。
- コスト効率: スケール効果による粗利益率改善(59%)が持続。
- 新製品: 高価格帯の「Approach 50ゴルフシミュレーター」「Descent X50 Iダイブコンピューター」が好調。
- ネガティブ
- 自動車OEM: BMWの最大化にもかかわらず**営業損失(-$39M)**が継続。
- 市場リスク: 中国市場の需要低迷や自動車OEMの市場不安が成長鈍化の要因。
- 株主還元
- 増配: 年間配当を20%増の**$3.60/株**に引き上げ。
- 自社株買い: 残り$238Mのプログラムを2026年まで実施予定。
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