ファイバーインターナショナル(ティッカー:$FVRR)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.64 | $0.68 | × |
売上高 | $103.7M (YoY +13.3%) | $101.39M | 〇 |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $106.0M ($103.5M~$108.5M) | $102.31M | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $430M ($422M~$438M) | $418.66M | 〇 |
🟢 業績ハイライト
財務実績(2024年第4四半期)
項目 | 2024年Q4実績 | 前年同期比 |
---|---|---|
売上高 | $103.7百万 | +13% |
調整後EBITDA | $20.7百万 | +240bps(20%のEBITDAマージン) |
年間アクティブバイヤー | 3.6百万 | 変化なし |
バイヤー1人当たり年間支出 | $302 | 増加 |
マーケットプレイス手数料率 | 27.6% | 安定 |
- 売上: Q3の8%成長から加速し、13%成長を達成。
- 調整後EBITDA: 20.7百万ドルで、EBITDAマージンは20%。前年から240bpsの改善。
- アクティブバイヤー: 3.6百万人と横ばいだが、年間$10,000以上支出するバイヤーは2%増。
- 大型案件: $500超の案件GMVが8%増。
事業セグメント別売上
セグメント | 2024年売上 | 前年同期比 | 全体売上比率 |
---|---|---|---|
マーケットプレイス | $303.1百万 | +8% | 77% |
サービス | $88.4百万 | +62% | 23% |
- マーケットプレイス: GMVに連動し、経済環境の影響で成長は限定的。
- サービス: Fiverr Ads、Seller Plus、AutoDSの好調により62%成長。
2025年業績見通し
項目 | 2025年通期ガイダンス | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | $422~438百万 | +8%~12% |
調整後EBITDA | $82~90百万 | **20%**EBITDAマージン |
2025年Q1売上 | $103.5~108.5百万 | +11%~16% |
2025年Q1調整後EBITDA | $18~20百万 | **18%**EBITDAマージン |
- サービス売上: 2025年には**30%**の売上比率を目指す。
- 投資: Fiverr Go開発への投資により、前半はEBITDAマージンが低下するが、後半には改善見込み。
🔍 質疑応答ハイライト
Q1. Fiverr Goがコンバージョンに与える影響と利益率への影響(Goldman Sachs: Eric Sheridan)
- 回答(Micha Kaufman):
- Fiverr Goは顧客の即時対応を目的とし、AIパーソナルアシスタントがフリーランサーの代わりに即座に質問に答える。
- 初動3分が重要であり、この迅速な対応でコンバージョン率を向上させる。
- 現時点で何千ものアシスタントが稼働し、既にコンバージョンを生んでいる。
- 回答(Ofer Katz):
- 投資は引き続き行うが、2025年のEBITDAガイダンスにはすでに織り込んでいる。
Q2. Fiverr Goのカテゴリー拡大と新規コホートの支出増加(Citi: Ron Josey)
- 回答(Micha Kaufman):
- 現在60カテゴリーで開始し、開発者エコシステムを活用してさらなる拡大を図る。
- アプリストア形式で外部開発者がモデルを構築し、収益を得るインセンティブを付与。
- 回答(Ofer Katz):
- 新規コホートの支出増加はDynamic Matchingによる影響が大きい。
- コンバージョン率は通常の3~4倍。$10,000以上支出のバイヤーは2%増、$500以上の案件は7.9%増。
- プログラミング&テックカテゴリがGMVを牽引。
Q3. AIと人間の役割、Fiverr Goの戦略(Oppenheimer: Jason Helfstein)
- 回答(Micha Kaufman):
- AIによる成果物はランダム性があり、最終的な判断には人間の視点が必要。
- Fiverr GoはAIの力を維持しつつ、クリエイター中心の設計で「AI対人間」の構図ではなく、「人間が中心」でAIを活用。
- AIは95%の完成度でも、残り5%をフリーランサーが仕上げることで信頼性を確保。
Q4. AIエージェントと2025年市場成長の見通し(JPMorgan: Douglas Anmuth)
- 回答(Micha Kaufman):
- AIパーソナルアシスタントは、フリーランサーの作業を効率化し、ビジネスインサイトを提供。
- フリーランサーの稼働状況を把握し、リアルタイムで商談に招待する機能も搭載。
- 回答(Ofer Katz):
- 2025年の二桁成長はサービス売上の拡大が牽引。
- マーケットプレイスは横ばいか微減の見込みだが、平均支出額の増加でアクティブバイヤー数減少を補う。
Q5. サービス売上の成長要因と取引手数料(BTIG: Marvin Fong)
- 回答(Ofer Katz):
- サービス売上の成長はFiverr Ads、Seller Plus、AutoDS、および新製品のFiverr Goによるもの。
- 30%の売上比率を目標とし、広告とサブスクリプションが成長を牽引。
- マーケットプレイス手数料率(27.6%)は安定見込み。
📊 総括
- ポジティブ要素:
- Fiverr Goによるコンバージョン向上とサービス売上の急成長(+62%)。
- Fiverr ProとDynamic Matchingが高単価案件を牽引し、$500以上の案件GMVが8%増。
- 2025年の売上成長率は8%~12%、サービス売上比率は**30%**を超える見込み。
- ネガティブ要素:
- マクロ経済環境の影響により、アクティブバイヤー数は停滞。
- GMV成長は限定的で、2025年も横ばいか微減の見通し。
- Fiverr Go開発への投資で2025年前半のEBITDAマージンは一時的に低下見込み。
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