アリスタネットワークス(ティッカー:$ANET)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.65 | $0.59 | 〇 |
売上高 | $2.03B (YoY +27.4%) | $2.00B | 〇 |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $2.1B | $2.03B | 〇 |
✅ 業績ハイライト
📊 売上・利益・成長率
指標 | Q1 2025 | 前年同期比 | 前四半期比 |
---|---|---|---|
売上高 | $2.05B | +27.6% | ガイダンス上限超え ($1.93B–$1.97B) |
営業利益 | $957.4M | – | 営業利益率 47.8% |
純利益 | $826.2M | – | 純利益率 41.2% |
一株当たり利益(EPS) | $0.65(希薄化後) | +30% | 4:1分割後ベース |
粗利益率(non-GAAP) | 64.1% | -0.1pt(前年同期比) | ガイダンス(63%)超え |
営業費用 | $327.4M | – | 売上比16.3%、前四半期比減少($332.4M) |
🌎 地域別売上構成
地域 | 売上高 | 全体に占める割合 |
---|---|---|
アメリカ | 約$1.64B | 80%(高水準維持) |
国際 | $406M | 20.3%(前四半期比+4pt) |
💰 キャッシュフロー・資本政策
- 営業キャッシュフロー:$641.7M(前年比 +24.9%)
- 現金及び投資残高:$8.15B
- 自社株買い:$887.1M(平均価格 $88.97、過去最大規模)
- 新規自社株買い枠:$1.5B(既存$1.2B枠終了後に開始)
📦 バランスシート・在庫・受注状況
指標 | 値 | コメント |
---|---|---|
在庫水準 | $2.0B | 完成品中心に増加、関税対応目的 |
在庫回転率 | 1.4倍 | 前期比横ばい |
購買契約残高 | $3.5B | 前期比増(チップ調達・関税備え) |
繰延収益 | $3.1B | サービス契約中心に増加 |
製品繰延収益 | $1.2B | 前期比 +$219M、新製品導入とAI関連受注増加影響 |
📈 ガイダンス(業績見通し)
Q2 2025
指標 | 値 |
---|---|
売上高 | 約$2.1B(前年比強めの季節性) |
粗利益率 | 約63%(既知の関税影響含む) |
営業利益率 | 約46% |
税率 | 約21.5% |
希薄化後株式数 | 約1.272B株 |
通期FY25見通し(据え置き)
- 粗利益率:60%~62%維持(関税影響最大1.5pt織り込み)
- 通期ガイダンスの再更新は、関税不確実性が解消され次第実施予定
🗣️ 質疑応答ハイライト
🧾 関税影響とガイダンス戦略
Q(UBS David Vogt): タリフの影響と顧客の反応について。
A(Jayshree & Chantelle):
- 現時点では中国由来など一部タリフを吸収中。
- 7月9日以降の新たなタリフ動向次第で、価格転嫁も検討。
- 粗利益率への最大影響は 1~1.5pt を想定。
- 影響が確定するまではガイダンスは四半期ベースで慎重に。
💡 AI関連売上と顧客進捗(0M / .5B)
Q(Evercore Amit Daryanani): バックエンドAI顧客4社の進捗は?
A(Jayshree):
- 3社がすでに本番稼働、1社は導入中。
- うち2社は年内に 50,000~100,000 GPUクラスター展開 予定。
- $750MのバックエンドAI売上目標は「十分達成可能」。
- フロントエンドと1:1比率も維持傾向(AIクラスタで一体化して扱う傾向あり)。
Q(Morgan Stanley Meta Marshall): AI関連全体の$1.5B目標は?
A(Jayshree):
- 明確に計測可能なバックエンド中心に$750Mを優先。
- $1.5Bも「需要面では自信あり」、タリフ次第で若干の影響はあるが現時点で懸念なし。
📈 繰延収益の増加要因
Q(Wells Fargo Aaron Rakers): 繰延収益の成長はEtherlinkなど新製品の影響?
A(Jayshree):
- 7800 SpineなどAI向けEtherlinkシリーズへの関心増。
- 初期の設計・試験段階の案件が増加。
- 本番導入まで12〜18ヶ月のラグを想定。
🏗️ 在庫戦略・タリフ備え
Q(BNP Karl Ackerman): Hyperscalerの800Gポート導入進捗?
A(Jayshree):
- 2024年後半に800G対応Etherlinkを本格導入。
- 2025年は「800Gの年」として展開が加速。
- 繰延収益の増加にも寄与。
Q(Piper Sandler James Fish): 在庫回転率の見通し?
A(Chantelle):
- 現在は1.4回転で安定。
- 今後も改善目指すが、後半のタリフ対応次第で変動の可能性あり。
🏛️ ホワイトボックスとの競争環境
Q(匿名): ホワイトボックスとの競争は?
A(Jayshree):
- ホワイトボックスは「共存する」モデル。
- AristaのBlue Box(ハード)は高信頼性・高品質・高度な電力効率・診断機能付き。
- 高性能AI用途では依然として優位性あり。
🌐 顧客のマクロ環境と支出傾向
Q(Deutsche Bank): マクロ経済と顧客の支出動向は?
A(Jayshree & Chantelle):
- 現時点でリセッションの兆候は見られず。
- エンタープライズやキャンパス案件で強い受注継続。
- Neoクラウドや通信事業者も前向き。
⚙️ Neoクラウド/InfiniBandからの転換
Q(Needham Ryan Koontz): NeoクラウドのEthernet採用は進んでいるか?
A(Jayshree):
- Neoクラウド顧客はより冒険的で代替GPU・ネットワーク方式に関心高い。
- InfiniBandからEthernetへの移行は急進展中。
- Ultra Ethernet Consortiumの仕様も2025年5月に発表予定。
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