アリスタネットワークス(ティッカー:$ANET)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.65 | $0.57 | 〇 |
売上高 | $1.93B (YoY +25.3%) | $1.90B | 〇 |
ガイダンス 2025Q1売上高 | $1.95B ($1.93B~$1.97B) | $1.91B | 〇 |
📊 業績ハイライト
🚀 Q4 2024業績概要
項目 | Q4 2024実績 | 前年同期比 | ガイダンス範囲 | コメント |
---|---|---|---|---|
売上高 | 19.3億ドル | +25.3% | 18.5~19.0億ドル | ガイダンス上限を上回る |
Non-GAAP EPS | 0.65ドル | +25% | – | 4:1株式分割後の調整値 |
Non-GAAP粗利益率 | 64.2% | -1.2ポイント | 63%~64% | 効率的なサプライチェーン管理が寄与 |
営業利益率 | 47% | – | – | 高水準のコスト管理により維持 |
国際売上比率 | 16% | -1.6ポイント | – | 米国市場(84%)の好調により割合減少 |
💰 2024通年業績
項目 | 2024年実績 | 前年比 | コメント |
---|---|---|---|
売上高 | 70億ドル | +19.5% | AI需要とクラウドの成長により目標超過 |
Non-GAAP営業利益率 | 47.5% | +4.9ポイント | サプライチェーンの改善とコスト最適化が寄与 |
Non-GAAP EPS | 2.27ドル | +31.2% | 株式分割調整後、1株当たり利益も順調に成長 |
AI関連売上 | 10億ドル超 | – | AIデータセンター向け製品販売が大きく貢献 |
クラウド&AIタイタン売上 | 48% | – | Oracleのカテゴリ追加が影響 |
🌟 特筆すべき成長要因
- AI関連: AI向け製品が2024年の成長を牽引し、$10億超の売上を記録。
- 企業・金融: 売上構成比35%、大企業や金融機関のデータセンター刷新需要が増加。
- クラウド: Oracleを含めたクラウドプロバイダーが48%の売上を占める。
- 市場シェア: 100G、200G、400Gスイッチで40%以上の市場シェアを獲得。
📈 製品別売上構成 (2024年)
製品カテゴリ | 売上比率 | コメント |
---|---|---|
コアクラウド & AI | 65% | データセンター用10/25/100/200/400/800G製品が主力 |
ネットワーク周辺機器 | 18% | ルーター代替製品、キャンパス向け製品が拡大 |
ソフトウェア & サブスク | 17% | CloudVision、A-Care、DMFなどのサブスクリプションが牽引 |
📊 2025年ガイダンス
項目 | 2025年見通し | コメント |
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売上高 | 82億ドル | 17%成長予想 (前回: 15%~17%) |
Non-GAAP粗利益率 | 60%~62% | Q1は63%で推移見込み |
営業利益率 | 43%~44% | 売上成長に伴い堅調維持 |
AI関連売上 | 15億ドル | AIクラスタ後端製品で7.5億ドルを目標 |
設備投資 | 1億ドル | サンタクララ新施設の建設費用 |
税率 | 21.5% | Q4の16.7%から通常水準に回帰 |
🤝 質疑応答ハイライト
🎛 AI & ネットワーク関連
Q: AIスイッチの展開タイミングとGPU出荷に関連性は?
A (Jayshree Ullal):
- 2025年は100,000基のGPU展開に合わせ、4つのAIクラスタ顧客で大規模展開予定。
- 3社はNVIDIA GPUを中心に展開、1社はInfiniBandからEthernetへ移行中。
- 1社(非クラウドタイタン)はGPUと資金不足により進捗停滞中。
Q: 白箱(ホワイトボックス)との競合について
A (Jayshree Ullal):
- AIバックエンドはリーフ(Leaf)とスパイン(Spine)構成。
- スパインは100% Arista EOSで構成され、高度なルーティング機能が差別化要素。
- リーフは白箱混在可能だが、規模拡大にはArista製品が求められる。
🌐 クラウド&エンタープライズ
Q: クラウドタイタン売上の変動要因
A (Chantelle Breithaupt):
- Meta: 2023年のCapEx削減影響により2024年は14.6%シェアに低下。
- Microsoft: 20%シェアを維持。2025年も10%以上の顧客として継続見込み。
- Oracle: クラウドおよびAIユースケース拡大が貢献。
Q: 企業向け(G2000)の成長要因
A (Jayshree Ullal & Chantelle Breithaupt):
- エンタープライズ成長率**+16%**(2024年)。
- 新規顧客350社獲得、CloudVisionとキャンパス製品が牽引。
- 国際売上比率16%、今後は海外市場へのさらなる注力を計画。
💡 技術動向
Q: Co-Packaged Optics(CPO)の影響
A (Jayshree Ullal):
- 信頼性課題により本格導入は2026年以降と予想。
- **CPOとCPC(Co-Packaged Copper)**の両方を評価中。
Q: 速度移行(400G/800G/1.6T)について
A (Jayshree Ullal):
- 2024年:400G主流
- 2025~2026年:800Gが主力に
- 1.6T: 2027年以降の本格導入見込み
Q: Routing事業の成長見込み
A (Jayshree Ullal):
- WAN用ルーティング需要が増加。特にSD-WANとバックボーンで優位性。
- **専用ハードウェア(7280プラットフォーム)**とソフトウェア両面で拡大。
📝 総括
- 強い収益成長:
- 売上70億ドル達成、19.5%成長。
- AI需要、クラウドプロバイダー(Oracle含む)、エンタープライズ刷新需要が牽引。
- AI主導の製品展開:
- AI収益15億ドル目標、そのうち7.5億ドルが後端クラスター。
- 400G/800G製品が主力、2027年以降は1.6Tへの移行を見据える。
- 財務的健全性:
- 8.3億ドルの現金・有価証券保有。
- 株式買戻し: 2024年中に4.24億ドルを実施、9.21億ドルの枠残存。
- 課題とリスク:
- 中国関税: 一部影響ありだが事前対策で軽微に抑制。
- GPU不足: 1社のプロジェクト停滞が確認されたが、主要顧客の進捗は順調。
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