シノプシス(ティッカー:$SNPS)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $3.00 | $3.05 | × |
売上高 | $1.46B (YoY +5%) | $1.52B | × |
ガイダンス 2024Q3EPS | $3.275 ($3.25~$3.30) | $3.22 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $1.520B ($1.505B~$1.535B) | $1.59B | × |
ガイダンス 通年EPS | $12.94 ($12.90~$12.98) | $13.40 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $6.12B ($6.09B~$6.15B) | $6.49B | × |
業績ハイライト
業績概要
- 2024年度第2四半期の業績は好調で、売上高は前年同期比15%増の14億5,000万ドル
- 非GAAPベースの営業利益率は37.3%で、前年同期から約3ポイント上昇
- 非GAAPベースのEPSは前年同期比26%増で、ガイダンスを上回った
セグメント別の状況
- デザインオートメーション事業の売上高は10億5,000万ドルで前年同期比14%増、EDAソフトウェアとハードウェアが堅調に推移
- デザインIP事業の売上高は3億9,980万ドルで前年同期比19%増、幅広い分野で需要が拡大
2024年度通期の見通し
- 通期の売上高見通しを60億9,000万ドル〜61億5,000万ドルに上方修正
- 非GAAPベースの営業利益率は約2ポイントの改善を見込む
- 非GAAPベースのEPSは12.90ドル〜12.98ドルに上方修正
Ansys社との合併について
- Ansys社の株主が本取引を承認
- 規制当局の承認取得に向けて順調に進捗しており、2025年前半の取引完了を引き続き見込む
事業の将来性
- 主要な成長ドライバーに支えられ、ビジネスの勢いは継続している
- 顧客は、将来の成長につながるシリコンとシステムへの投資を優先し続けている
- ポートフォリオ投資を最大のリターンポテンシャルに合わせることで、成長を加速させる
質疑応答ハイライト
AIツール導入によるビジネスへの影響について
- DSO.ai導入によるブッキングと売上高の増加率は約20%
- ASO.aiとVSO.aiはまだ初期段階のため、具体的な数値は提示できないが、導入顧客からは高い評価を得ている
- 顧客は製品の使用量に応じて追加の料金を支払うモデルになっており、AIツールの導入が進むほど売上高の増加が見込める
アナログ設計におけるシェア拡大について
- 第2四半期は10件の競合他社からの置き換え案件を獲得し、上半期では合計20件を達成
- 顧客はアナログ設計のワークフローや環境、手法のモダナイゼーションを求めており、シノプシスのソリューションに注目が集まっている
- ASO.aiはプロセスノード間の移行や、ファウンドリ間の移行を簡素化することができ、顧客から高い評価を得ている
メモリ設計への取り組みについて
- メモリ設計ではカスタム設計が中心で、シノプシスのFast SPICE simulationが効果を発揮している
- 特にHBM3などの新しいメモリ設計で需要が高まっており、ここ数年メモリ市場は同社にとって大きな成長分野となっている
- メモリ企業は設計の複雑さに対応するため、シノプシスの最新テクノロジーを積極的に導入している
Ansys社との合併に関する顧客の反応について
- シノプシスとAnsysは2017年からパートナーシップを組んでおり、コアビジネスの顧客に対してはすでに協業体制が確立されている
- 現時点では、合併を見越した顧客の購買行動の変化は見られない
- 2017年から続くパートナーシップの延長線上にあるものと捉えている
EDAにおけるインターオペラビリティの重要性について
- インターオペラビリティはワークフローにとって非常に重要であり、顧客はさまざまな理由から混在した環境を使用している
- シノプシスはAnsysや競合他社とのインターオペラビリティを長年にわたって実現してきた
- 一方で、Fusionのようなプラットフォームを通じて、各ステップ間の相関性を高めることにも価値がある
- 将来の複雑さに対応するためには、単一のプラットフォームだけでは不十分で、エコシステムの存在が不可欠
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