ドミノピザ(ティッカー:$DPZ)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $4.33 | $4.07 | 〇 |
売上高 | $1.11B (YoY +2.5%) | $1.12B | × |
業績ハイライト
売上・利益・成長率(為替影響除く)
項目 | 数値・内容 | 備考 |
---|---|---|
世界全体の小売売上成長率 | +4.7% | 主に国際既存店売上と店舗純増による |
米国小売売上成長率 | +1.3% | 業界平均(フラット)を上回る成長 |
米国既存店売上高成長率 | ▲0.5% | 価格上昇(+1.8%)もトラフィック減が影響 |
国際既存店売上高成長率 | +3.7% | 予想以上の伸長、インド・カナダが牽引 |
国際小売売上成長率 | +8.2% | 為替除く |
営業利益 | +1.4% 増加 | 為替影響除く、実質ベースで+3.6%増(約500万ドルの一時費用除く) |
一時費用(組織再編) | 約5百万ドル | 構造簡素化のための人員削減関連 |
米国純店舗増加数 | +17店舗 | 期末店舗数:7,031店舗 |
国際純店舗数 | ▲25店舗 | 主にDPE(豪州本社)による日本での大量閉店 |
自社株買い | 約50百万ドル(115,000株) | 平均購入価格:$434 |
自社株買い残高 | 約7.64億ドル残 | 今後の資本還元余地あり |
2025年通期見通し(ガイダンス)
項目 | ガイダンス内容 |
---|---|
米国既存店売上高成長率 | +3%(上期:低成長、下期:施策反映で加速) |
国際既存店売上高成長率 | +1~2%(地政学・マクロ不確実性の影響込み) |
営業利益成長率 | +8%(為替除き、組織再編費用5百万ドルを除外) |
米国店舗純増数 | +175店舗(従来ガイダンス維持) |
経営陣コメントの要点と戦略施策
ポジティブ要素
- Stuffed Crust Pizza(2025年3月発売)は「Domino’s史上最大のギャップ」を埋める商品。
- 満足度スコアは非常に高く、注文構成比率も高水準で推移。
- 今後の市場シェア獲得を牽引する重要製品。
- DoorDashとの提携開始(2025年5月予定)
- 米国最大のアグリゲーターとの連携でリーチ拡大、Uber Eatsの約2倍の販売規模を想定。
- アグリゲーター経由の売上は「約50%が純増」と想定。
- 米国既存店売上が業界をアウトパフォーム(業界横ばい、Domino’sは+1.3%)
- カナダ・インドが国際成長を牽引
- 高いフランチャイジー収益性と強い出店意欲
- 米国出店パイプラインは前年比で改善。
ネガティブ要素
- 米国既存店売上高:▲0.5%
- 主因はトラフィック減少と低価格帯での客単価下落。
- 国際部門での店舗純減(▲25店)
- DPE(豪州本社)による日本店舗200店以上の大量閉店が影響。
- ローワーインカム層の来店頻度減
- 外食頻度そのものが減少しており、特にデリバリーに影響。
- Stuffed Crustは中サイズのみで展開(現時点)
- 利益性・複雑性の観点で選択されたが、サイズ展開の広がりに課題残。
質疑応答ハイライト
地政学的リスクの影響(Bernstein)
Q: 国際市場におけるボイコットや消費低迷の兆候は?
A: 具体的なドミノ・ブランドに対する影響は見られていないが、中東情勢や各国の経済不安による消費マインドの不透明感を警戒。1~2%の国際既存店売上高見通しに織り込み済み。
DoorDashのインパクトと想定ミックス(Oppenheimer)
Q: DoorDash導入の売上貢献見通しとUberとの比較は?
A: Uberの約2倍の規模を持つDoorDashは、50%の純増効果を前提に、Q3~Q4にかけてのU.S.同店成長率押上に貢献予定。
Stuffed Crustの初動パフォーマンス(Baird / Evercore)
Q: 同製品の初期受注比率と今後のミックス拡大可能性は?
A: ランチ3週間で顕著な受注ミックス比率を達成。競合ではミックス比率が最大15%に達しており、ドミノにとって大きな成長余地あり。リピート率などを踏まえて評価予定。
顧客ロイヤルティ・販促戦略(UBS / Stifel)
Q: ロイヤルティ施策の効果と価値訴求の差別化について?
A: 2023年の新ロイヤルティ制度開始以降、アクティブ会員+250万人増。低頻度利用客にも訴求しやすい設計(必要購入回数6→2回)により、将来的なリピートと売上向上に期待。
米国店舗成長と原材料・関税影響(BTIG)
Q: 175店舗の純増計画に対する懸念や資材調達問題は?
A: 現在のところ資材調達や建築コストに関する問題は軽微で、パイプラインも前年より強固。フランチャイジーのROIも高水準を維持しており、関税の影響は限定的。
競合環境と価格競争(Wells Fargo / Morgan Stanley)
Q: Q1における競合環境の激化は?
A: 競合2社がStuffed Crustを模倣展開するなど、ピザ業界でのプロモーション競争が活発化。ただし、ドミノの高いフランチャイズ収益性と広告力で優位性維持。
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