Snap(ティッカー:$SNAP)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.08 | $0.06 | 〇 |
売上高 | $1.36B (YoY +4.7%) | $1.38B | × |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $1.115B ($1.095B~$1.135B) | $1.12B | × |
業績ハイライト
業績の概要
- 月間アクティブユーザー数は8%増加し、8億人を超えた
- 日間アクティブユーザー数は10%増加し、4億1400万人に達した
- 売上高は前年同期比5%増の13億6100万ドルとなった
- 調整後EBITDAは1億5900万ドル、フリーキャッシュフローは1億1100万ドルを計上
今後の取り組み
- 機械学習モデルを進化させ、プラットフォーム全体で広告インタラクションを増加させる
- SpotlightとStoriesのコンテンツ体験を統一し、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、エンゲージメントを深める
- 北米やヨーロッパなど、収益化の可能性が高い地域でのユーザー増加とエンゲージメント拡大に注力する
事業再編
- これらの優先事項を遂行し、長期的な成長を支える投資能力を確保するため、事業再編を決定
- 管理職層を削減し、主要拠点にチームメンバーを集中させ、対面でのコラボレーションを支援
- 2024年第1四半期にフルタイム従業員を約10%削減
質疑応答ハイライト
ダイレクトレスポンス広告の進捗について
- 下位ファネルのビジネスと中小規模の広告主において良好な進捗が見られる
- 購入関連のコンバージョンは前年同期比90%増加し、中小規模の広告主数は20%増加した
- 下位ファネルの広告収入は外部環境の変化に対してより強靭である
- 第1四半期のガイダンスは、最大10ポイントの加速を示唆しており、ダイレクトレスポンス事業は進展している
StoriesとSpotlightのコンテンツ統合について
- StoriesとSpotlightは別々のスタックで構築されており、ランキング、インベントリ、ユーザーエクスペリエンスが異なっている
- Spotlightの改善点をStoriesに活かすことで、パーソナライゼーションとユーザーエクスペリエンスの向上が期待できる
- Spotlightのコンテンツは99%がブランドセーフであり、統合後もこの高いブランドセーフティを維持できる
競合環境と長期的な成長機会について
- Snapchatは、人々がスマートフォンを使う中心的な方法(友人との会話、写真撮影、コンテンツ視聴)に基づいて設計されている
- カメラ、メッセージングサービス、コンテンツプラットフォームの関係性が戦略的な優位性となっている
- 親しい友人や家族とのつながりとビジュアルコミュニケーションに注力することで、さらなる成長機会がある
北米とヨーロッパでのユーザー拡大と収益化について
- 過去5〜7年は新興市場のAndroidユーザー獲得に注力してきたが、北米とヨーロッパでもiOSユーザーの拡大に投資する余地がある
- Snapchatを試したことのあるユーザーや、頻繁に利用していないユーザーを再活性化し、他の機能にオンボーディングすることが重要
- 20カ国以上で13〜34歳の75%以上にリーチしているが、ユーザー数の面でも欧米での成長の余地がある
規模の問題と競合プラットフォームとの比較について
- Snapchatは世界で8億人以上を抱える大規模なインターネットサービスの1つであり、さらなる成長の機会がある
- ブランド中心の広告ビジネスからダイレクトレスポンスへの移行には時間がかかるが、着実に進展している
- モデルの改良やプライバシーに配慮した形でのリアルタイムシグナルの活用など、広告プラットフォームの大幅な改善が進んでいる
第1四半期の見通しと広告主の反応について
- 第1四半期は順調なスタートを切っており、ガイダンスにはその手応えが反映されている
- 広告プラットフォームの大幅な改善、営業体制の強化、広告主へのより良いROASの提供が、予算の移行と広告主の成長につながっている
- 第4四半期の購入関連コンバージョンの90%以上の伸びや、中小規模顧客の20%以上の増加など、広告主にとっての良好な結果が出始めている
コスト構造の変更とその影響について
- 調整後EBITDAと正のフリーキャッシュフローを生み出す明確な道筋を確保するため、コスト構造を見直した
- 2023年にインフラコストが大幅に増加したが、2023年後半から2024年第1四半期にかけて鈍化・安定化する見込み
- 第4四半期の調整後EBITDAは好調だったが、マーケティングコストのタイミングの影響で第1四半期に一時的な負担がある
- 今週の事業再編により人件費を中心に削減できるが、その効果は第2四半期以降に表れる見通し
- 株式報酬費用の持続可能な水準への移行、希薄化の抑制にも取り組んでおり、業績が改善するにつれてコスト構造が適切に機能するようになる
ジェネレーティブAIの取り組みと収益化について
- My AIで収集された意図データは、広告の最適化に役立つ可能性がある
- ジェネレーティブAIの取り組みは、画像や動画モデルに重点を置いており、SnapをよりエンターテイメントにするためのSnapchat+への導入として期待できる
- 第4四半期にSnapchat+の登録者数が700万人を超えたことを喜ばしく思う
- Snapchat+は、画像や動画に関するより集中的なオファリングを収益化する方法になり得る
StoriesとSpotlightの統合の難易度とアプローチについて
- ユーザーの行動変化を求めることは難しい場合があるため、慎重に進める必要がある
- 最初のステップはUIとナビゲーションの統一であり、事業の他の部分への悪影響を避けることが重要
- Spotlightによるエンゲージメントの大幅な向上、インベントリプールの拡大、ランキングモデルの全体的な改善などのメリットは、UIとナビゲーションの統一に伴う混乱を上回ると考えている
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