ビザ(ティッカー:$V)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.51 | $2.44 | 〇 |
売上高 | $8.78B (YoY +9.9%) | $8.62B | 〇 |
業績ハイライト
主要な業績
- 第2四半期の純収益は88億ドルで、前年同期比10%増
- GAAPベースのEPSは12%増、非GAAPベースのEPSは20%増
- 世界の決済ボリュームは為替調整後で8%増
- 米国の決済ボリュームは6%増、国際市場は11%増
- 欧州域内を除くクロスボーダーボリュームは16%増
- プロセッシングされた取引件数は11%増
事業別の状況
- 個人向け決済は、タップ・トゥ・ペイやeコマースが成長を牽引
- ニューフローの収益は14%増と回復、VisaDirectの取引件数は31%増
- 付加価値サービスの収益は23%増と好調、発行・加盟店向けソリューションや助言サービスが貢献
地域別のハイライト
- 中南米、CEMEA、英国を除く欧州の決済ボリュームが、為替調整後19%以上の高成長
- 英国ではフィンテックとの提携などでカード発行が2016年以来の高い伸び
- 欧州全体で過去5年間に2,000万超の国内ブランドのカードをVisaデビットに移行
- アジア太平洋地域の一部で経済的な弱さが影響
戦略的な取り組みと展望
- パリオリンピックに向けて300近くの顧客と提携、500万枚以上のVisaブランドカードを発行予定
- 米国の大手小売業との和解合意により、クレジットカードの手数料引き下げと手数料上限を設定
- 2030年までの安定した事業環境が期待できる
- オープンバンキングのTinkをさらに米国市場に展開
質疑応答ハイライト
新型コロナウイルスの影響と回復の見通し
- アジア太平洋地域、特に中国本土での回復ペースが予想より遅れている。為替の弱さや、北米路線の航空機キャパシティが2019年レベル以下であることなどが影響。
- 一方、eコマース事業の好調さが、アジアの旅行需要の弱さを相殺。多様なビジネスモデルの強みが発揮されている。
- 第3四半期も第2四半期と同様の為替のボラティリティを見込み、第4四半期はやや上昇すると予想。
米国市場の動向
- 米国の4月のボリュームは前年同期比4%増と、3月から減速したが、これはイースターのタイミングの影響が大きい。
- デビットとクレジットのボリュームは比較的安定。消費者の行動に大きな変化は見られない。
- 下期はチケット単価がプラスに転じると予想。昨年下期の低単価の反動が出る見込み。
付加価値サービス事業の成長
- 既存顧客への製品の浸透を深める取り組み、新製品の投入、地理的な事業拡大などが成長を後押し。
- リスクや不正防止、オープンバンキングなどの分野で新たなソリューションを展開。
- シナジーを生かして第三者プラットフォームを通じたソリューション提供も強化。
国内カードネットワークからのシェア獲得
- 欧州など一部の市場では国内決済ネットワークのカードが多い。
- Eコマース、越境取引、リスク管理、トークン化などVisaの強みを訴求し、国内カードからVisaデビットへの切り替えを推進。
- パイロットテストを通じて取扱高の増加や顧客満足度の向上を示すことで、銀行にVisaカード発行のメリットをアピール。
メキシコ市場の成長機会
- プロサ社の買収を通じて国内の決済処理に参入し、付加価値サービスの提供が可能に。
- トークン化やリスクスコアリング、Eコマース関連の機能など、プロサ社の顧客基盤とVisaのケイパビリティを組み合わせることで、メキシコ国内のキャッシュレス化を推進する。
- 銀行など顧客の期待は大きい。
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