フォーティネット(ティッカー:$FTNT)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.43 | $0.38 | 〇 |
売上高 | $1.35B (YoY +7.2%) | $1.34B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $0.40 ($0.39~$0.41) | $0.39 | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $1.405B ($1.375B~$1.435B) | $1.39B | 〇 |
業績ハイライト
Q1の業績
- 営業利益率は28.5%と過去最高を記録し、ガイダンスレンジの上限を200ベーシスポイント上回った
- フリーキャッシュフローは6億900万ドルで、フリーキャッシュフローマージンは45%だった
- 売上高は13億5,000万ドル、ビリングは14億1,000万ドルでガイダンスレンジ内
- ビリングの伸びは前年同期比-6%だったが、前年同期の受注残の影響で比較が難しかった
統合SASE・SecOpsの進展
- 統合SASEとSecOpsが第1四半期のビリングの1/3を占め、順調に成長
- 既存顧客がSASEとSecOpsのビリングの90%以上を占めている
- SD-WAN既存顧客がSASEビリングの81%を占めている
- 大企業と中堅企業がSASEとSecOpsビリングの大半を占める
- SASEのSSEのパイプライン成長率は150%超
投資家へのメッセージ
- ファイアウォール市場の回復の兆しが見られる
- 大口の8桁契約を継続して獲得
- 企業顧客からの需要が堅調
- ネットワークセキュリティ市場でのシェア拡大を継続
- SASE・SecOps・セキュアネットワークへの投資にフォーカス
質疑応答ハイライト
ファイアウォールの需要回復について
- 在庫の消化は数ヶ月以内に正常化する見込み
- 新製品へのリフレッシュ需要は高金利環境下で一部顧客は延期の可能性
- OTセキュリティなどの新市場での需要は堅調
- 大手企業を中心にFortiGateへの移行需要が増加。パフォーマンスや機能、コストメリットが移行の理由
価格戦略について
- 基本的な価格戦略は一貫して変更なし。適正な粗利率を維持
- サプライチェーン問題で一時的にコストが上昇した際は価格を上げたが、コスト低下に伴いパンデミック前の水準に戻した
- 新製品の価格設定は適正な水準を維持
- パフォーマンスや機能面での優位性から価格面での競争力に懸念はない
地域別の業績について
- 中小企業セグメントは予想以上に堅調
- 欧州は若干弱めだったが、大きな影響はない
- 大口の8桁契約の偏りで、特に米国大企業の伸びが影響を受けやすい
- アジア・パシフィックではSASEやSecOpsの需要がまだ限定的
- 日本の業績は円安の影響もあり減速
SASE事業について
- SD-WAN顧客の8割以上がSASE需要につながっている
- SASEのパイプライン、特にSSEの伸びが顕著で、SD-WANからのクロスセルが進んでいる
- SASEの無償トライアルプログラムなども需要喚起に寄与
- 数四半期から数年以内にSASE市場でトップに立てる見込み
AIの活用について
- FortiAIに対する顧客の関心は非常に高い
- 各製品へのAI活用を拡大し、運用効率化などのメリットを訴求
- まだ初期段階だが一部でAI活用の効果は出始めている
- 今後トップラインへのAI活用の効果にも期待
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