決算:VEON 2024Q4

決算

ヴィーオン(ティッカー:$VEON)の2024年度第4四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for VEON

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$5.73$5.69
売上高$4.004B
(YoY +8.1%)
$4.23B×

業績ハイライト

業績ハイライト

通期業績(2024年)

項目数値対前年成長率備考
売上高(USDベース)$4.0B超+8.3% 🟢ガイダンス範囲(+8~10%)に収まる
売上高(現地通貨ベース)+14.6% 🟢ガイダンス(+12~14%)上限超え
EBITDA(USDベース)$1.7B+4.9% 🟢ガイダンス(+4~6%)範囲内
EBITDA(現地通貨ベース)+12% 🟢ガイダンス(+9~11%)超え
フリーキャッシュフロー$403M▲2.2% 🔴ウクライナでの高水準の投資が影響
キャッシュ残高$1.7B+65.6% QoQ 🟢HQレベルに$481M保持
ネットデット/EBITDA1.3倍改善(前年3.0倍超→1.3倍)🟢ロシア事業の売却効果

事業別売上

セグメント売上高成長率(USD)成長率(現地通貨)
テレコム・インフラ$3.6B+3.8% 🟢+7.1% 🟢
デジタル直販収入$460M+63% 🟢

四半期(Q4 2024)業績

項目数値対前年成長率
売上高$998M+4.7% 🟢
EBITDA$408M+11.3% 🟢
デジタル直販収入$126M+42.4% 🟢

地域別パフォーマンス(現地通貨ベース)

売上成長率EBITDA成長率コメント
パキスタン+22.7% 🟢+15.6% 🟢全体の中で最も高成長
ウクライナ+13.7% 🟢+10.3% 🟢サイバー攻撃から回復
カザフスタン+15.3% 🟢非開示TNS+売却を除く成長
ウズベキスタン+9.4% 🟢▲3.7% 🔴ネットワーク投資・税要因
バングラデシュ安定(調整後)非開示政情不安の影響を受ける

デジタルサービス関連

  • 直販デジタル売上:$460M(前年比+63%、全体売上の11.5%)
  • Q4のみ:$126M(+42%、全体売上の12.6%)
  • 総デジタルユーザー:1.22億人(+27%)、うちデジタル専用ユーザー2,900万人(+37%)
  • 4Gユーザー成長:全体+5.3%、ウクライナ・バングラ除くと+12.7%
  • スーパーアプリ利用者数:4,300万人(+17%)

AI・金融サービス

サービスユーザー数GTV/成長コメント
JazzCash(パキスタン)2,000万人$34B GTV(+64%)🟢日次ローン発行14万件
Simply(カザフスタン)320万人(+145%)🟢
Beepul(ウズベキスタン)240万人(+3.6倍)🟢売上2.3倍🟢

エンタメ・スーパーアプリの成長

プラットフォームユーザー数コメント
Tamasha(パキスタン)1,710万人最大のプラットフォーム
Toffee(バングラ)850万人OTT最大手、ICC効果あり
Kyivstar TV(ウクライナ)200万人(+55%)
Ryze(バングラ)22万人(1ヶ月で)
ROX(パキスタン)100万人
Helsi(ウクライナ)2,800万人AI医療分析を提供

ガイダンス(2025年)

項目予測備考
売上成長(現地通貨)+12~14% 🟢継続的なデジタル推進を前提
EBITDA成長(現地通貨)+13~15% 🟢コストコントロールを継続
CapEx Intensity17~19%ウクライナ除くとガイダンス通り

質疑応答ハイライト

ガイダンスの詳細と貢献国(David Lopes – New Street)

Q1: 2025年の成長の主なドライバーは?どの国が貢献?
A1 (Kaan Terzioglu):

  • デジタル収入が急成長(2025年も+1%/四半期で伸長期待)🟢
  • パキスタン、ウクライナ、カザフスタンがけん引役
  • ウズベキスタンも税制変更でプラス要因
  • バングラは政治安定化に時間がかかる見通し

Q2: 2025年以降のCapExインテンシティは?
A2:

  • 2025年後は16%程度に低下見通し
  • 4G普及が65%に到達(70%が目標)

Q3: 競争環境の変化は?
A3:

  • Iliadがウクライナに参入
  • カザフにも新規プレイヤー(カタール系)
  • デジタル領域では既存テレコム以外との競合も意識

Q4: タワー資産売却の進捗は?
A4:

  • パキスタンではEngroとの$550M契約進行中
  • 他にもウズベキスタン、カザフなどにタワー保有
  • 「独立型タワー保有が望ましい」と明言

2027年CAGRに対する懸念(Edison Group)

Q: 2025年ガイダンスだけでは16~19% CAGR達成が難しく見えるが?
A (Burak Ozer):

  • 以前のCAGRガイダンス時は加重平均インフレ14%前提
  • 現在は8.2%(2024年末)
  • ローカル通貨でインフレ超過成長を続ければ問題なし

ウクライナでのUklon買収戦略(Chris Hoare – New Street)

Q1: Uklon買収の戦略意図は?今後も買収はある?
A (Kaan):

  • Uklonは世界でも稀な黒字・高成長ライドシェア企業
  • 月次売上$60M、EBITDA 44%、CAGR 49%
  • スーパーアプリへの統合前提の戦略的買収
  • 他国展開も視野

Q2: ウクライナの政治・戦況の前提は?
A:

  • ワーストケースにも対応可能
  • 現実的には回復基調にあり、業績に織り込んでいる

Engro案件収益の使途と債券市場の見通し(Dmitry Ivanov – Jefferies)

Q1: Engroから得た資金($550M)の使い道は?
A (Kaan):

  • HQおよび現地での債務返済に充当予定
  • パキスタンからの資金移転に問題なし

Q2: Eurobond市場への再アクセスは?
A (Burak):

  • 現状では新たなユーロ債発行の必要なし
  • 必要に応じて資産売却や現地通貨建債務で対応

デジタル資産のモネタイズと将来的な分離(Matthew Harrigan – Benchmark)

Q: JazzCashやUklonのような資産をどう評価・モネタイズする?
A (Kaan):

  • Frontier市場特有の条件(人口多、未成熟市場)が成功の要素
  • JazzCashは既にユニコーン級(日次ローン14万件発行)
  • 今後は上場や戦略的スピンアウトも視野

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