カーニバルクルーズ(ティッカー:$CCL)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.13 | $0.02 | 〇 |
売上高 | $5.81B (YoY +7.4%) | $5.74B | 〇 |
ガイダンス 2025Q2EPS | $0.22 | $0.23 | × |
ガイダンス 2025通年EPS | $1.83 | $1.76 | 〇 |
📈 業績ハイライト
売上・利益・成長率(Q1 2025)
指標 | 数値 | 前年同期比 | ガイダンス比 | 備考 |
---|---|---|---|---|
売上 | 非開示(ただし記録的水準) | 非開示 | 非開示 | 収益、EBITDA、営業利益すべてで過去最高を記録(Q1として) |
EBITDA | $12億 | +約40% | 非開示 | ALBDあたりEBITDAも過去最高 |
営業利益 | 非開示(大幅増) | 約2倍 | 非開示 | |
営業・EBITDAマージン | +400bps超 | 2019年超え | 非開示 | |
純利益 | ガイダンスより+1.7億ドル | 非開示 | 上振れ | |
顧客前受金 | +3億ドル | 増加 | – | 価格上昇とオンボード売上拡大に起因 |
ネット・イールド | +7.3% | 昨年比:+17% | ガイダンス上振れ | チケット・オンボードともに強い |
単位コスト(燃料除く) | +1% | ガイダンスより 2.4pt改善 | コスト抑制 | 一部は恒久的コスト削減 |
2025年度通期ガイダンス(2025年3月更新)
指標 | 数値 | 前回(12月)比 | 備考 |
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ネット・イールド成長率 | +4.7% | +0.5pt 上方修正 | Q1の実績反映、Q2〜Q4はガイダンス据え置き |
ネットクルーズコスト(燃料除く) | +3.8% | – | 絶対コストは若干減少も、Dry DockでALBD減少の影響 |
EBITDA | $67億 | +10% YoY | ほぼ既存艦隊からの収益改善 |
純利益 | $25億(約1,850億円) | +1.85億ドル | ガイダンス引き上げ要因:Q1イールド+利息削減 |
利息費用 | ▲1億ドル 削減 | – | 再ファイナンス効果 |
財務体質の改善・リファイナンス進展
指標 | 数値 | コメント |
---|---|---|
Q1での債務削減 | ▲5億ドル | 債務総額:270億ドル に減少 |
再ファイナンス額(Q1) | 55億ドル | 高金利債を中心にリファイナンス |
年間利息削減 | +1.45億ドル | 平均金利:**4.6%**に低下 |
2025年残債務償還額 | 11億ドル | |
2026年償還額 | 27億ドル | |
2025–26年の債務削減見込み | ▲50億ドル | キャッシュフロー+新造船制限により |
2026年の新造船引渡数 | ゼロ | 投資グレード復帰を視野 |
成長・マーケティング戦略
- 新たなマーケティング活動強化
- Costa:Sanremo音楽祭にてライブ演出(イタリア視聴者の2/3が視聴)
- Carnival Cruise Line:オスカー、スーパーボウルに出稿
- セレブ起用:Emeril Lagasse、Guy Fieri、Shaquille O’Neal
- 5B(50億)インプレッション獲得
- Flip Lost in Paradiseキャンペーンで強い訴求力を示す(CGながら高反響)
- カリブ海ポート拡張
- Celebration Key:2025年7月開業予定、順調
- 年末までに全5ポータルオープン予定
- 今後、段階的に年間1,100万人来港規模へ拡張見込み
- RelaxAway, Half Moon Cay:2026年後半オープン予定
- ブランディング強化中
- Celebration Key:2025年7月開業予定、順調
- アラスカ:デナリ・ロッジ改装・拡張
- 新客室120室、F&B追加、改修含む
- ランド+クルーズパッケージ強化
- AIDA Evolution:既存船の近代化
- AIDADIVA:7週間Dry Dock完了
- 飲食、スイート追加、燃費改善
- 今後も2026年までにAIDABELLA, AIDAmar等も進行
- AIDADIVA:7週間Dry Dock完了
- ポートフォリオ最適化
- P&O Australiaの2船をCarnivalへ統合
- Seabourn Sojourn売却(株主利益最大化のため)
- Seabourn艦隊は平均年齢7年の近代艦に集約
💬 質疑応答ハイライト
Q1:マクロ環境と需要動向
Q:マクロ経済の影響を懸念する声があるが、実際に需要鈍化は見られるか?
- A(CEO):
- 「ウェーブ期は大成功」
- 歴史的な価格と予約水準で年初を迎え、価格引き上げが可能だった
- Q1イールドの強さを反映し、Q2〜Q4は保守的にガイダンスを維持
- 「オンボード支出は10%増、3月も加速している」
🟢「消費者の力強さを改めて確認。世界的なニュースやボラティリティの中でも、予約動向は堅調」
Q2:2026年予約動向・先行性
Q:2026年の予約はどのように推移しているか?
- A(CEO):
- 2026年予約は「過去最高水準」
- ブランド別でも際立った偏りは見られない
- 「2025年が好調の中でも、2026年も同時にしっかり築けているのは強み」
Q3:コスト構造と恒久的削減
Q:コスト構造について、Q1でどの程度が恒久的削減か?
- A(CFO):
- Q1のコスト改善**$65Mのうち1/3(約$20M)は恒久的削減**
- 引き続き効率化を追求し、業界最低コスト構造をさらに磨いていく
Q4:新規顧客獲得・マーケティング効果
Q:新規顧客の獲得動向とブランド別進捗は?
- A(CEO):
- 「New-to-Cruiseは過去最高水準で増加中」
- 広告投資の強化が奏功(過去より多く、業界平均よりは少ない)
- 同一艦隊の中で最も高い価格を払う顧客を優先して最適化している
Q5:Celebration Keyの進捗と影響
Q:Celebration Keyの予約動向・プレミアムはどうか?
- A(CEO):
- 「計画通り進捗、開業は7月予定」
- コンピュータCGによる広告でも強力な反響
- 実際の開業後が「真の飛躍」と期待
- 今後数年で訪問者数6.5M→11Mへ増加可能性あり
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