ショッピファイ(ティッカー:$SHOP)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.20 | $0.17 | 〇 |
売上高 | $1.86B (YoY +23.2%) | $1.85B | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の業績ハイライト
- 2024年第1四半期のGMVは609億ドル、前年同期比23%増
- 売上高は19億ドル、前年同期比23%増。物流事業を除くと29%増
- Shopify Paymentsの取扱高は362億ドル、前年同期比32%増。GMVに占める割合は60%に
- サブスクリプションソリューションの売上高は5.11億ドル、前年同期比34%増。主な要因は料金改定と加盟店数の増加
- 営業利益は8600万ドル(営業利益率5%)。前年同期は1億9300万ドルの営業損失
- フリーキャッシュフローは2億3200万ドル(売上高の12%)。前年同期比で2倍に
事業の進捗と見通し
- 欧州、特にEMEAで力強い成長が続く。第1四半期のGMV成長率は38%で3期連続で35%超
- B2B事業が好調に推移。GMVは前年同期比130%増加
- 大手小売業者の参入によりオフライン事業が32%成長
- 企業向け事業が拡大。Forresterの「2024年B2Cコマースプラットフォーム」評価でリーダーに選出
- コーチ、オーバーストック、バークボックスなど大手ブランドの導入が進む
- Shop Payの取扱高が56%増の140億ドル。GMVの39%を占める
- 第2四半期の売上高成長率は10%台後半を見込む。物流事業を除くと20%台前半から半ばの成長に
質疑応答ハイライト
標準プランのMRRが前四半期比で微増だった要因について
- 定義の変更によるもので、需要の問題ではない
- 従来の定義だと前四半期比5%増だったはず
- 全体として加盟店の獲得は好調に推移している
マーケティング費用の増加とその効果について
- マーケティングへの投資は将来の成長のための先行投資と捉えている
- ツールや手法の改善により、新規加盟店獲得とCACが大幅に改善
- 18ヶ月以内の投資回収が見込める案件が多数ある
- 国際展開やオフライン展開など長期的な取り組みも支援
- 成長性と収益性の両立を追求する上で重要な施策
Shopify Plusの料金改定の影響と見通しについて
- 多くの加盟店が2023年の料金で3年契約を選択。プラットフォームへの信頼の表れ
- MRRへの影響は第2四半期から。収益とマージンへの本格的な影響は第3四半期以降
- 標準プランの改定ほどの影響はないと予想
- 第2四半期の売上高成長率が第1四半期より鈍化するのは、標準プランの押し上げ効果が剥落する一方、Shopify Plusの改定効果が本格化しないタイミングだから
第2四半期の売上高ガイダンスの前提について
- 最大の要因は料金改定の影響。標準プランの押し上げ効果の剥落がShopify Plusの改定効果に先行する
- 為替の逆風や欧州(特に英国)の消費低迷も織り込んでいる
- 一方、加盟店の獲得は好調。決済、Shopify Plus、オフライン、B2Bなどが牽引
- 北米と欧州では市場の成長を上回るペースで拡大する見通し
エンタープライズ向け事業の拡大がアタッチレートに与える影響
- エンタープライズ向けに様々な選択肢を提供し、着実に顧客基盤を拡大
- 当初は単一の製品から始めることが多いが、徐々に複数のソリューションを利用するように
- アタッチレートは加盟店がShopifyにもたらす価値の代理指標。エンタープライズでも中長期的に上昇すると予想
- 積極的な営業活動の成果が表れ始めている
Shop Payが高い成長を維持している要因と今後の見通し
- 最高の成約率を誇るオンライン決済サービス。競合より36%高い
- 1.5億人の消費者が登録。第1四半期だけで140億ドルを処理
- 大手ブランドにとって導入は必須に。購入率を5%押し上げる
- オンラインだけでなくオフラインでの利用も拡大
- よりスムーズな購入体験の実現とあらゆる場面への展開を進める
オフラインビジネス(POSなど)の状況と見通しについて
- 投資家向け説明会で示した目標に向けて順調に拡大
- 大手の多店舗小売業者によるPOSの利用が増加
- オンラインとオフラインをシームレスにつなぐソリューションへのニーズが高まっている
- 分割払いなどオンラインの機能をオフラインにも展開
- POSを展開する国も拡大中
- アタッチレートを高める余地は大きい
- POSはまだ決済とサブスクリプションが売上の大半を占める
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