チャールズシュワブ(ティッカー:$SCHW)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.74 | $0.73 | 〇 |
売上高 | $4.74B (YoY -7.4%) | $4.71B | 〇 |
業績ハイライト
1Q業績は前四半期から大幅改善
- 収益は47億ドル、前四半期比で5%増加した純金利収益と過去最高の13億ドルの運用管理・管理手数料によるもの
- 調整後税引前利益率は約41%で前四半期から約500bp上昇
- 調整後EPSは0.74ドルで前四半期から0.06ドル増加
顧客エンゲージメントと純新規資産の改善
- 1-3月期の日次平均取引量は前四半期比15%増、信用取引残高は9%増加し、顧客の市場関与が拡大
- コア純新規資産は1,000億ドル弱まで回復し、3月だけで約450億ドル(年率6%の伸び)
- 新規口座数も100万口座を超え、昨年第1四半期以来の水準に
アメリトレード統合は順調に進展
- 過去のアメリトレードのプラットフォーム機能の多くがシュワブのプラットフォームに組み込まれた
- 旧アメリトレードの顧客からの資産流出は想定を下回る水準
- 旧アメリトレード顧客のプロモータースコアは、移管直後は下がるが、90日後で25ポイント、9ヵ月後には45ポイント改善
経費管理は順調、バランスシートは強固
- 1-3月期の平均従業員数は前四半期比3%減、前年同期比10%減と経費管理は順調に進む
- 銀行の自己資本比率はAOCIを含めても規制上の水準を大幅に上回り、強固な資本基盤を維持
- Tier 1レバレッジ比率は8.8%に上昇、AOCI調整後のTier 1レバレッジ比率も5.7%に
質疑応答ハイライト
収益と業績の回復:
- 1Qの業績は前四半期から大幅に改善し、業績改善の勢いが示された。収益は47億ドル、調整後税引前利益率は約41%、調整後EPSは0.74ドルだった。
- 2024年と2025年を通して、純金利マージンが拡大し、2025年末までに3%近くに達すると予想している。高金利が長引けば、純金利マージンは3%を超える可能性もある。
経費管理:
- 2024年の経費は前年比でほぼ横ばいを目標としている。アメリトレード統合による経費のシナジーの一部を引き続き実現していく計画。
- 1-3月期の平均従業員数は前四半期比で3%減少、前年同期比では10%減少しており、経費管理は順調。ただし取引量や株式市場の評価額など、一部の経費は顧客のエンゲージメント次第で変動する。
キャピタルリターン:
- 自己資本比率(AOCI含む)は5.7%に上昇。最も早く想定される適用日の4年以上前に、銀行の新たな健全性基準を上回った。
- 2024年末までにTier1レバレッジ比率(調整後)が6%台後半に達すると予想。その時点で、自社株買いなどの株主還元再開を検討できる立場になる見込み。配当、自社株買い、優先株償還などの選択肢を検討する。
顧客資金シフトの落ち着き:
- 既存顧客の残高シフトは大幅に減速し、新規口座からの資金流入で相殺される地点に近づいている。
- 残高シフトのストーリーは2022年と2023年初頭の話となりつつある。この6ヵ月間でバランスシートの現金は80億ドル減少した一方、MMFは800億ドル増加しており、もはや相関はない。
競合他社の預金キャンペーン:
- 顧客を買収することは最も革新性に欠ける。持続可能な戦略ではない。
- 稀なケースでは、シュワブから流出を防ぐために対抗策をとることもある。その場合、他社の15%程度のインセンティブで顧客を引き留められている。
- 一方、キャンペーンを利用して一時的に資産を移すだけの顧客もおり、そうした顧客の引き留めは行っていない。
- 持続的な成長には、顧客重視とノートレードオフの追求が不可欠。
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