リゲッティーコンピューティング(ティッカー:$RGTI)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | -$0.03 | -$0.05 | 〇 |
| 売上高 | $1.95M (YoY -18.1%) | $2.17M | × |
業績ハイライト
売上・契約状況
| 項目 | 2025年Q3 | 2024年Q3 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | $1.9百万 | $2.4百万 | -21%(減収) |
| 売上への影響要因 | 米国国家量子イニシアチブ(NQI)の失効と再認可の遅れにより影響を受けた |
- 売上の減少は一時的要因によるもの(NQIの失効)。
- 2025年Q4以降は以下の契約により回復見込み:
- 米国空軍研究所(AFRL)との3年契約:$5.8百万(量子ネットワーキング研究)
- 9量子ビット「Novera」システム2台販売:合計約$5.7百万
- アジアの製造系テック企業(量子技術評価用)
- 米国カリフォルニアのAI/物理学スタートアップ(エラー訂正研究用)
利益・費用
| 項目 | 2025年Q3 | 2024年Q3 | コメント |
|---|---|---|---|
| 粗利益率 | 21% | 51% | 契約構成および価格条件の変動による |
| 営業費用(OpEx) | $21百万 | $18.6百万 | 人件費、R&Dコスト、株式報酬の増加 |
| 営業損失 | $20.5百万 | $17.3百万 | 赤字幅拡大 |
| 非GAAP純損失 | $10.7百万($0.03/株) | $13.4百万($0.07/株) | 改善傾向あり |
- 株式報酬費用:$4.3百万(前年比 +$0.9百万)
キャッシュポジション
| 項目 | 金額 | コメント |
|---|---|---|
| 現金・有価証券(9/30時点) | $558.9百万 | 無借金経営を継続 |
| ワラント行使による資金流入(10/1〜11/6) | $46.5百万 | 約400万株の行使 |
| 合計(11/6時点) | 約$600百万 | 安定した資金余力あり |
技術ロードマップと研究開発
| 年度 | 量子ビット数 | 目標2量子ビットゲート忠実度 | コメント |
|---|---|---|---|
| 2025年末 | 100+ | 99.5% | チップレット構成、Ankaa-3ベース |
| 2026年末 | 150+ | 99.7% | 9量子ビットチップレット活用予定 |
| 2027年末 | 1,000+ | 99.8% | 36量子ビットチップレットで構成 |
- 量子アドバンテージ達成見通し:2027〜2029年、必要条件は「99.9%の忠実度」と「エラー訂正」
- DARPA(国防高等研究計画局)との協業:Phase Bに未選定も継続協議中。フィードバックに基づきエラー訂正・長距離カップリングに注力中。
- 制御システム:Quanta Computerと協業、今後フレックスケーブルに移行予定。
- 量子ネットワーキング:AFRLおよびQphoX(オランダ)と協業。マイクロ波→光信号変換による量子コンピュータのネットワーク化を目指す。
提携・市場展開
- Noveraシステム販売:将来的な量子ビット数の増強も可能な構成。追加売上の可能性あり。
- Montana州立大学:初のオンプレミスRigetti量子コンピュータ導入。共同研究の枠組みへ。
- インドC-DACとの提携:ハイブリッド量子システムの共同開発に関するMOUを締結。
- イタリア子会社設立予定:欧州の量子政策・人材活用を狙う。
NVIDIAとの連携:NVQLink
- NVQLink対応:AIスーパーコンピュータと量子計算を統合するオープンプラットフォーム
- 狙い:量子・AI・HPC(CPU/GPU)を組み合わせたハイブリッド計算システムの推進
- 用途想定:
- データセンターでのAI用途(GenAI含む)
- AI・量子の融合研究(国立研究機関との共同実証を視野)
質疑応答ハイライト
DARPA Phase B未選定の理由と対応策
Q: なぜPhase Bに選ばれなかったのか?今後の見通しは?
A(CEO):
- 評価されたのは現行のAnkaa-3や36量子ビットチップレットの実績(99.5%忠実度など)
- 課題とされたのは「FTQC(フォールトトレラント量子計算)」に必要な長期技術(エラー訂正、長距離結合)
- 今後はその領域で開発強化予定、数ヶ月以内の再選定を期待
ロードマップ達成への見通し
Q: 2027年の1,000量子ビット+99.8%は「量子アドバンテージ」に達するか?
A(CEO):
- 惜しいが未達。量子アドバンテージには99.9%忠実度とエラー訂正が必要
- 2027〜2029年での達成を想定
チップレット構成と長距離結合の関係
Q: チップレット構成で長距離結合は実現できるのか?
A(CEO):
- 技術的な制約はない。チップレットの存在は物理的距離の問題には関与せず、モノリシック構成と同様の課題
- DARPAの指摘もチップレット構成とは無関係
売上認識タイミング(Novera/AFRL)
Q: 収益認識はいつ?
A(CFO):
- Noveraシステム2台:2026年H1納品予定、出荷時に一括収益認識
- AFRL契約($5.8M):3年間で均等に収益認識、一部は2025年Q3に開始済
M&Aやファウンドリ構想
Q: M&Aや外部製造の可能性は?
A(CEO):
- 現時点では自社内での開発に自信あり
- 加速できるパートナーがいればM&Aも選択肢
- 外部ファウンドリ活用は模索中だが、現状の要件を満たす先は存在せず
1,000量子ビットでの実用アプリケーション
Q: 2027年に実現予定のシステムで実行可能なアプリは?
A(CEO):
- AI連携(GenAI含む)、ハイブリッド用途に最適
- 想定分野:創薬、金融予測、材料合成、気象モデルなど
- 暗号分野には未到達
NQI再認可とDOE予算
Q: 国家量子イニシアチブ(NQI)の再認可状況は?
A(CEO):
- 元の年間$125M(5年間で$625M)が再認可された
- ただし、現在は議会で**より大きな枠組み($2.5B)**が議論中
- 近々、エネルギー省(DOE)向けに拡大予算が通過する可能性あり

コメント