バーティブ(ティッカー:$VRT)の2025年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.64 | $0.62 | 〇 |
売上高 | $2.04B (YoY +24.4%) | $1.94B | 〇 |
ガイダンス 2025Q2EPS | $0.81 ($0.77~$0.85) | $0.88 | × |
ガイダンス 2025Q2売上高 | $2.350B ($2.325B~$2.375B) | $2.27B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $3.55 ($3.45~$3.65) | $3.54 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $9.450B ($9.325B~$9.575B) | 9.18B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・キャッシュフローのサマリー
指標 | 数値 | 前年比 | 備考 |
---|---|---|---|
売上高(オーガニック) | 25%増加 | +25% | 米州およびAPAC地域がけん引 |
調整後営業利益(AOP) | 3億3700万ドル | +35% | 高い営業レバレッジによる |
調整後EPS | 0.64ドル | +49% | ガイダンス比+0.04ドル |
調整後フリーキャッシュフロー | 2億6500万ドル | +162% | 回収タイミングの前倒し効果あり |
ネットレバレッジ | 0.8倍 | – | 財務健全性を維持 |
バックログ | 79億ドル | +16億ドル | 過去最高水準 |
➡️ 売上・利益ともにガイダンスを上回る強いスタート。特にキャッシュフローの伸びが際立つ。
地域別パフォーマンス
地域 | 売上成長 | 備考 |
---|---|---|
米州(アメリカ) | +30%以上(TTMオーダー) | 価格上昇・生産拡張が奏功 |
APAC(アジア太平洋) | 成長継続 | 中国・インドが好調 |
EMEA(欧州・中東・アフリカ) | 遅れ気味 | AI投資の立ち上がりが鈍いがパイプラインは増加傾向 |
➡️ 緑:米州・APACが強い成長、
➡️ 赤:EMEAは依然として出遅れ
ガイダンス(通期・第2四半期)
通期ガイダンス(2025年)
指標 | 新ガイダンス | 前回ガイダンス | 備考 |
---|---|---|---|
売上成長率(オーガニック) | 18% | 16% | +2pt引き上げ |
EPS(調整後) | 3.55ドル(中央値) | 据え置き | タリフ影響を織り込んだ上で維持 |
営業利益率(調整後) | 20.5% | 21.0% | -50bps(赤:関税影響) |
AOP | 19.35億ドル | 据え置き | 関税対策による吸収前提 |
➡️ 緑:売上ガイダンス上方修正、
➡️ 赤:関税影響により利益率見通しは引き下げ
第2四半期ガイダンス
指標 | 数値 | 前年比 | 備考 |
---|---|---|---|
売上高成長率 | +21% | +21% | 米州・APAC中心に2桁成長 |
EPS(調整後) | +21% | +21% | 関税影響を吸収した上での増益 |
営業利益率(調整後) | 18.5% | ▲1.1pt | 関税によるコスト増が影響 |
注目プロジェクト・パートナーシップ
- iGeniusとのAIファクトリープロジェクトを発表
- NVIDIAと共同開発のAIリファレンスデザインを活用
- 液冷、電力、熱管理を含む完全モジュール型インフラ提供
- **「シリコン到着前のインフラ準備」**というコンセプトを体現
- 高密度ラックへの対応設計
➡️ 緑:AI関連需要にしっかり対応し市場を牽引
質疑応答ハイライト
関税の影響と緩和策について
Q(Melius Research): タリフの緩和策はいつから本格的に効いてくるのか?
A(CEO Gio):
- 緩和策は価格調整とサプライチェーン再構築の2軸。
- 価格調整:既存受注の一部では再交渉を開始、新規案件では価格転嫁を進行中。
- 供給再配置:メキシコ工場のUSMCA完全適格化を目指し、中国依存を削減中。
- 年末には関税中立を目指す。
➡️ 緑:段階的な緩和で後半には影響縮小へ
受注の堅調さと市場シェア
Q(Evercore): 受注が難しい比較にも関わらず好調。何が牽引要因か?
A:
- 受注のTTM成長率は+20%
- Q1オーダー:前四半期比+21%、前年比+13%
- パイプラインは四半期ごとに成長し可視性が高まっている
- **「テクノロジーに先回りした対応」**が競争優位に(例:AI対応製品)
- NVIDIAとの連携、液冷技術、グローバル対応力などが評価されている
➡️ 緑:市場シェア獲得の可能性が高い
欧州市場の回復見通し
Q(Citi): 欧州での成長は今後加速するか?
A:
- パイプラインは堅調に拡大中。
- 成長ペースは他地域に比べて依然として遅い(赤)
- 規制緩和や政府の理解進展がカギ
バランスシート・株主還元
Q(Vertical Research): 自社株買いゼロだが、その理由は?
A(CEO/CFO):
- 不確実性の高い環境下で現金確保を優先
- M&A機会の活用も視野にある
- 自社株買いは適切なタイミングでオポチュニスティックに
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