ルーブリック(ティッカー:$RBRK)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | -$0.21 | -$0.40 | 〇 |
売上高 | $236.2M (YoY +42.6%) | $217.5M | 〇 |
ガイダンス 2025Q4EPS | -$0.39 (-$0.40~-$0.38) | -$0.41 | 〇 |
ガイダンス 2025Q4売上高 | $232.5M ($231.5M~$233.5M) | $225.1M | 〇 |
ガイダンス 2025通年EPS | -$1.84 (-$1.86~-$1.82) | -$2.09 | 〇 |
ガイダンス 2025通年売上高 | $861M ($860M~$862M) | $834.9M | 〇 |
業績ハイライト
売上・成長性の詳細指標
- サブスクリプションARRが初めて10億ドルを突破(創業10年での達成)
- サブスクリプションARRは前年同期比38%成長
- 純新規サブスクリプションARRは過去最高の8,300万ドルを記録
- サブスクリプション売上高は2億2,200万ドル(前年同期比55%増)
- クラウドARRは7億6,900万ドルで69%の高成長を達成
- 総売上高は2億3,600万ドル(前年同期比43%増)
顧客基盤の詳細
- サブスクリプションARR10万ドル以上の顧客数は2,085社(前年同期比32%増)
- サブスクリプション純リテンションレートは120%以上を維持
- 大規模顧客のARR貢献度は83%(前年同期から4ポイント上昇)
- 新規顧客の約半数がEnterprise Editionを初回購入時に採用
- セキュリティ製品の追加による純リテンションレートへの貢献は約1/3
収益性・効率性の詳細
- サブスクリプションARR貢献マージンは前年同期比1,100ベーシスポイント改善
- フリーキャッシュフローは1,560万ドル(前年同期350万ドル)
- 非GAAPグロスマージンは79%(前年同期80%)
- セールス・マーケティング費用はサブスクリプションARR比で約1,000ベーシスポイント低下
- クラウドホスティングクレジットにより約150ベーシスポイントのグロスマージン改善効果
地域別実績の詳細
- 米州の売上高は1億6,900万ドル(46%成長)
- 米州以外の売上高は6,700万ドル(35%成長)
- グローバルでの展開を継続的に推進
2025年度第4四半期および通期見通し
- 第4四半期の売上高見通し:2億3,150万ドル~2億3,350万ドル(32-33%成長)
- 通期のサブスクリプションARR見通し:10億5,700万ドル~10億6,100万ドル(約35%成長)
- 通期の総売上高見通し:8億6,000万ドル~8億6,200万ドル(約37%成長)
- サブスクリプションARR貢献マージン見通し:マイナス3%~マイナス2%
- フリーキャッシュフロー見通し:マイナス4,500万ドル~マイナス3,900万ドル
質疑応答ハイライト
クラウドバックアップ戦略について
- 顧客ニーズの背景:
- 複数のクラウド環境(3つのクラウド、5つのSaaSアプリ、5つのデータセンター等)での統一的な管理の必要性
- サイバー攻撃発生時の迅速な復旧要求
- 単一のポリシーエンジンとセキュリティコントロールへの需要
- 具体的な成功事例:
- Fortune 500保険会社がネイティブバックアップソリューションからRubrikに移行
- Fortune 20ヘルスケア企業が6つの異なるベンダーを置き換え
- 製薬大手がAWSクラウドデータ保護でRubrikを選択(TCO35%削減実現)
DSPM(データセキュリティポスチャー管理)の展開
- 取引件数は前四半期比で倍増を達成
- 生成AI活用に向けた需要増加:
- データの機密性理解の重要性
- Microsoft Copilot等との連携強化
- セキュアなAI活用環境の提供
- 具体的な導入事例:
- ヘルスケア組織が既存DSPMベンダーからRubrikに移行
- データリスク管理と迅速な復旧機能の統合を評価
Annapurnaイニシアチブの詳細
- 主要な3つの機能:
- ビジネスデータへのAPI経由でのアクセス提供
- Rubrik Security Cloudによるセキュアなデータエンベッディング
- AIアプリケーション向けのデータアクセスコントロール
- 戦略的位置づけ:
- 3-5年の長期視点での取り組み
- AWS Bedrock との連携を皮切りに他クラウドプラットフォームへの展開も計画
- 将来的な収益化戦略は実験段階
パートナーシップ戦略の展開
- 3つの主要チャネル:
- VAR(付加価値再販業者)
- GSI(グローバルシステムインテグレーター)
- テクノロジーアライアンスパートナー
- パートナーシップ強化の背景:
- サイバーレジリエンスへの需要増加
- インフラ提供からリスク管理まで範囲を拡大
- 戦略的対話の深化
- 具体的な技術パートナーシップ:
- Oktaとの統合によるアイデンティティ脅威保護
- Pure Storageとの提携によるサイバーレジリエンスソリューション
- ZscalerやCrowdStrikeとの協業
将来展望
- 2026年度の予備的見通し:
- サブスクリプションARR貢献マージンはブレークイーブンまたはプラスを目標
- フリーキャッシュフローは若干のプラスを予想
- メンテナンスからサブスクリプションへの移行による成長への寄与は終了予定
- 長期的な成長戦略:
- サイバーレジリエンス市場でのリーダーシップ維持
- 生成AI関連の機会追求
- 効率的な成長と収益性の両立を目指す
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