パワーインテグレーションズ(ティッカー:$POWI)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.18 | $0.13 | 〇 |
売上高 | $91.69M (YoY -14%) | $90M | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $105M ($100M~$110M) | $104M | 〇 |
業績ハイライト
Q1決算概要
- 売上高は9,200万ドル、非GAAPベースの粗利率は53%、非GAAPベースのEPSは0.18ドル
- チャネル在庫は1.5週間分以上減少し、12月以降受注が回復
- Q2の売上高は1億500万ドル±500万ドルの見通し。粗利率も為替レートの好転や製造量増加により向上する見込み
- 高出力、モータードライブ、自動車などの戦略市場での設計動向が引き続き堅調
InnoMux-2製品
- 複数のDC出力電圧を独立して制御可能な新製品
- ダウンストリームのDC-DC変換ステージを不要にし、部品点数とコンプレキシティを大幅に削減
- PowiGaNスイッチを採用し、90%以上のシステム効率を実現
- ディスプレイ、家電、ネットワーク機器など幅広いアプリケーションで設計活動を展開中
オデッセイ・セミコンダクターの資産取得
- 高電流GaN技術の開発を加速するため、オデッセイの資産を取得
- オデッセイのチームを迎え入れ、高電流GaNの開発を強化
- GaNの開発は、コスト、電圧、電流の3つの方向で進展
- 高電流技術によりGaNはシリコンカーバイドの代替として数百キロワットの電力供給が可能に
質疑応答ハイライト
受注動向と来期の見通し
- 12月以降の受注の回復が第1四半期を通して続き、4月まで堅調
- 第1四半期の受注残高は1年ぶりに1を超える
- 家電と産業機器の一部で回復が見られた
- 通信機器は在庫調整の影響などで弱かったが、第2四半期には在庫問題が解消し、季節的な回復も期待
- 通期では各四半期とも売上が順調に成長する見通し。家電は大幅な回復、産業機器は下期に本格回復、通信機器も回復の兆し
オデッセイ・セミコンダクター資産取得の狙い
- 高電流垂直GaNの技術を持つオデッセイの資産取得により、独自の高電流GaN技術開発を1~2年加速
- クリーンルーム施設の取得や、垂直GaNに知見のある従業員の獲得がメリット
- 独自技術によりコスト効率の高い高電流GaNの実現を目指す
- シリコンカーバイドに比べ安価なGaNで数百キロワットの電力供給を可能にし、シリコンカーバイドの代替を狙う
InnoMux-2製品の市場機会
- 複数のDC出力電圧を必要とする幅広いアプリケーションが対象
- 最初の量産設計はトップクラスのPCメーカーのデスクトップモニターで第3四半期に立ち上がり予定
- ディスプレイ、家電、サーバー電源などでも設計活動を展開中
- データセンター向けには50~70WのスタンバイおよびAux電源で提案、主電源は今後AI向けに5kWクラスの電源開発を検討
在庫状況と粗利率の見通し
- 特に家電市場ではチャネル在庫に加えて顧客在庫の改善も確認
- 韓国の主要顧客からも久々に受注あり
- 産業機器向けのチャネル在庫はまだ高めだが改善の兆し
- 通期の非GAAP粗利率は54%を見込む。為替の好転や製造量増加がプラスに作用するが、通信機器の回復に伴うミックス悪化が一部相殺
- 来期も為替のプラス影響が続くため、コスト増をカバーし、上位レンジの粗利率を維持できる見通し
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