パロアルトネットワークス(ティッカー:$PANW)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.32 | $1.25 | 〇 |
売上高 | $1.98B (YoY +15%) | $1.97B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $1.41 ($1.40~$1.42) | $1.25 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $2.16B ($2.15B~$2.17B) | $2.16B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $5.57 ($5.56~$5.58) | $5.52 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $8.00B ($7.99B~$8.01B) | $7.99B | 〇 |
業績ハイライト
業績ハイライト
- Q3の結果は予想を上回り、市場を上回る成長率を達成
- 次世代セキュリティARRは47%成長
- RPOは23%増加し、前四半期から加速
- 売上高は15%増、ビリングは3%増
- 営業利益は25%増、EPSは20%増の$1.32
プラットフォーム化戦略
- プラットフォーム化により、顧客あたりのARRが$20万から$1,400万の範囲に
- 上位5,000社のうち900社でプラットフォーム化を完了
- Q3では約65件のプラットフォーム化案件を追加で獲得し、Q2から40%増加
- 2030年度までにプラットフォーム化顧客を2,500社以上に拡大する目標
AIセキュリティ戦略
- 包括的なAIセキュリティ製品スイートを発表
- 従業員のAI利用を安全に支援する3つの製品を提供
- AIを活用した攻撃に対抗するPrecision AIセキュリティバンドルを発表
- 7月初旬より一般提供開始予定で、顧客からの関心は高い
IBMとのパートナーシップ
- IBMのQRadar SaaSを買収し、QRadarの顧客をXSIAMに移行
- IBMのセキュリティコンサルタント1,000人以上がPalo Alto Networks製品に対応
- IBMはPalo Alto Networksの推奨サイバーセキュリティパートナーに
- クラウドセキュリティ向けのソリューションを共同開発
質疑応答ハイライト
プラットフォーム化戦略の期間と影響
- プラットフォーム化は現在の戦略であり、当面継続する見込み
- 今後数四半期は、従来の方法からプラットフォーム化への移行による財務指標への影響が見られる
- 将来的にはプラットフォーム化が通常の営業モーションとなり、影響は解消される見通し
チャネル戦略
- 従来のVARチャネルとSI/GSIチャネルは共存する
- プラットフォーム化案件ではSI/GSIとの連携が重要になる
- AccentureやIBMとのパートナーシップにより、顧客のセキュリティ環境の変革を支援
- ハードウェアビジネスは引き続き従来のチャネルを通じて提供
2030年度までのNGS ARR目標0億への道筋
- ファイアウォールのハードウェア売上はNGS ARRに含まれない
- NGS ARRの伸びに四半期ごとの変動はあるものの、過去3年間の傾向と同様
- プラットフォーム化顧客のアップセル・クロスセルにより、契約更新時に約5%のARR成長を想定
SASE市場の見通しとPalo Alto Networksの競争力
- 顧客環境はオンプレミス、クラウド、SASEのハイブリッドが長期的に継続する見込み
- ハイブリッド環境へのプラットフォームアプローチの提供が競争上の差別化要因になる
- SASEは高成長セグメントであり、プラットフォーム全体の成長をけん引
- AI関連の新機能を、ハードウェア・ソフトウェア・SASEの全提供形態で展開可能
IBMとの提携の狙いと財務的影響
- QRadarのSaaS事業とオンプレミス顧客をXSIAMに移行し、SIEMでのプレゼンスを拡大
- IBMのセキュリティ営業1,000人以上とXSIAMで協業
- 2023年のQRadar SaaSの売上は約$1億だが、買収後はそれを下回る水準から
- 中期的な移行プロセスへの投資は、従来示した利益率目標の範囲内で吸収可能
AIセキュリティ製品への顧客の関心と競合状況
- RSAで発表したAIセキュリティ製品は高い関心を集め、数百社の顧客がベータ版の検討に登録
- AI Access SecurityはVPN/SASE環境のアドオン製品として提供
- ハイパースケーラーとのネイティブ統合により、AIファイアウォールを差別化
- クラウド事業者も競合として想定されるが、マルチクラウド環境ではPalo Alto Networksが優位
2025年度のフリーキャッシュフロー目標に対する確信
- 金利上昇局面では、年間請求の比率を高めることで対応
- 利益率の着実な改善により、年間請求の比率を高めつつフリーキャッシュフローを維持可能
- 繰延支払いの増加は将来のキャッシュフローの予見可能性を高める効果もある
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