AppLovin(ティッカー:$APP)の2023年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.49 (YoY +333.3%) | $0.35 | 〇 |
売上高 | $953.26M (YoY +35.7%) | $928M | 〇 |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $965M ($955M~$975M) | $926M | 〇 |
業績ハイライト
業績の安定性
- 2022年第4四半期および通期の業績は、第3四半期と比較して安定している
- 2023年第1四半期の業績予想は、2022年第4四半期と同程度の水準を見込んでいる
アプリケーションポートフォリオの最適化
- 過去6ヶ月間、不振資産の売却・スピンオフ・閉鎖に取り組んできた
- 現在、11のスタジオとパブリッシングパートナーを保有しており、これらに投資して価値を最大化していく方針である
- ポートフォリオの最適化に伴い、1億2,800万ドルの損失を計上した
主要な投資分野
- AXON 2: AIテクノロジーを活用した広告プラットフォームの大幅なアップグレード。2023年中のリリースを予定
- Connected TV: モバイルアプリ開発者向けのパフォーマンス広告市場の拡大
- キャリア・OEMパートナー向けの革新的な収益化ソリューションの開発
財務状況
- 2022年通期の売上高は28億ドル、EBITDAは10億ドル(EBITDAマージン38%)
- 2022年第4四半期末の現金残高は10億ドル超
- 2022年の自社株買いは3億4,000万ドル
質疑応答ハイライト
Connected TVへの展開について
- AppLovinはモバイル広告で培ったパフォーマンスマーケティングの専門性をConnected TVデバイスに拡張していく
- Connected TVはモバイルよりも大規模な広告市場であり、高い成長が見込まれる有望な分野
- Wurlへの投資を通じて、ストリーミング事業者向けのSSP事業を拡大し、AppLovinの持つDSP事業と組み合わせてフルスタックでソリューションを提供する
- ゲーム以外の幅広い広告主を取り込んでいく方針だが、本格的な収益貢献までにはまだ時間がかかる見込み
AXON 2について
- 2023年中のリリースを予定。AIテクノロジーの進歩を取り入れ、広告主のROIを大幅に改善する
- 旧来のエンジンを全面的にアップグレードするもので、ビジネス全体に影響をもたらす
- タイミングや具体的な影響度合いについては現時点では明言を避けるが、リリース後は広告主の支出拡大とAppLovinのシェア拡大が期待される
マクロ環境と競合についての見方
- モバイルゲーム市場は、金利上昇を受けて広告主が投資対効果を慎重に見極めるようになり、数四半期前から広告需要が安定化している
- 競合他社によるM&Aやアルゴリズムの改善の影響は限定的。関連性の高い広告を実現できれば市場全体が成長する余地は大きい
- 市場が力強い成長軌道に戻るには、ID規制後の新たな環境に適したゲームの開発とマーケティング手法のイノベーションが必要
アプリポートフォリオ戦略について
- 事業売却を含めたポートフォリオ最適化を進めた結果、11のスタジオに絞り込んだ
- 短期的には売上高の漸減が続くが、いずれ安定的な事業基盤を確立し、中長期的な成長を目指す
- 各スタジオが開発中の新作ゲームにも期待。ヒットが出れば積極投資により利益率は一時的に低下する可能性がある
- 「永久に保有する」つもりで経営にあたるが、適正な価格での売却オファーがあれば検討する
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