アナログデバイシズ(ティッカー:$ADI)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.40 | $1.27 | 〇 |
売上高 | $2.16B (YoY -33.7%) | $2.11B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $1.50 ($1.40~$1.60) | $1.36 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $2.27B ($2.17B~$2.37B) | $2.17B | 〇 |
業績ハイライト
2024年度第2四半期の業績
- 売上高は21億6000万ドルで、前年同期比34%減
- 産業市場が売上高の47%を占め、前年同期比44%減
- 自動車市場が売上高の30%を占め、前年同期比10%減
- 通信市場が売上高の11%を占め、前年同期比45%減
- 民生市場が売上高の11%を占め、前年同期比9%減
利益率と1株利益
- 売上総利益率は66.7%
- 営業利益率は39%で、予想レンジの上限を上回る
- 調整後EPS(1株利益)は1.40ドルで、予想レンジの上限を上回る
第3四半期の見通し
- 売上高は22億7000万ドル(前期比5%増)を予想
- 営業利益率は40%(プラスマイナス100ベーシスポイント)を予想
- 調整後EPSは1.50ドル(プラスマイナス0.10ドル)を予想
- 産業市場が四半期ベースで最も高い成長率となる見込み
人工知能(AI)関連の取り組み
- センサーからクラウドまでAIの機会が広がっている
- 製品ポートフォリオのイノベーションにAIを活用
- データセンター向けの垂直型電力技術でシェア拡大を狙う
- 次世代5G無線機器向けにAIを活用したソリューションを提供
質疑応答ハイライト
産業市場の回復見通しについて
- 第2四半期が産業市場の底だったと考えており、第3四半期以降は成長を見込んでいる
- PMI(購買担当者景気指数)の改善が産業市場の受注回復を支えている
- 第3四半期も流通在庫の削減を進める方針で、産業市場への影響が最も大きい
- 計測・テスト事業でAI関連の追い風もあり、産業市場の回復を強く確信している
今後の景気回復の見通しについて
- 景気の底は打ったと考えており、PMIの改善も追い風になっている
- 今後数カ月の受注残高からも、下期の継続的な成長を予想している
- 2025年は力強い成長になるとの見方を示した
- 回復のペースは読みにくいが、上向きのトレンドにあると確信している
エンドデマンドの見通しと在庫の状況について
- 最終顧客の在庫は以前よりもはるかに健全な状態にある
- 1年以上にわたって実需を下回る出荷が続いており、在庫の調整が進んでいる
- 第3四半期は流通在庫をさらに削減するが、第2四半期ほどの大幅な減少にはならない見込み
- 第4四半期は出荷と実需のバランスが取れた状態になると予想している
今後の売上総利益率の見通しについて
- 第2四半期が売上総利益率と工場稼働率の底になったと考えている
- 下期の売上総利益率の改善ペースは緩やかになる見通し
- 第3四半期の売上総利益率は67%をやや上回る水準を予想
- 売上総利益率の改善は、売上高の伸び、製品ミックス、工場稼働率によって左右される
M&A戦略について
- アナログ、ミックスドシグナル、パワーの分野では必要な事業規模に到達している
- ソフトウェアやデジタル、機械学習、ニューラルネットワークの分野に注力している
- 当面はマキシム社との統合によるシナジー効果の実現に注力する方針
- 常に買収対象を探しているが、現時点ではアナログ以外の分野に注目している
景気低迷期の収益性改善について
- 製造プロセスの柔軟性により、需要低迷期も工場稼働率を高く維持できている
- 社内工場の生産性改善に継続的に取り組んでいる
- 費用管理を強化し、景気低迷期も利益率を高水準に維持している
- 売上高の伸びに合わせて、中長期的な目標利益率の達成を目指す
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