オン(ティッカー:$ON)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.08 | $1.05 | 〇 |
売上高 | $1.86B (YoY -5.1%) | $1.85B | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $0.94 ($0.86~$0.98) | $1.01 | × |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $1.73B ($1.68B~$1.78B) | $1.83B | × |
ガイダンス 通年EPS | $2.32 ($2.29~$2.35) | $2.30 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $7.615B ($7.54B~$7.69B) | $7.63B | × |
業績ハイライト
業績について
- 第1四半期の売上高は18億6000万ドルで、前年同期比5%減、前四半期比8%減
- 第1四半期の非GAAPベースの売上総利益率は45.9%で、ガイダンスのミッドポイントを上回る
- 自動車と産業向けの売上高は全体の80%を占める
シリコンカーバイド関連
- シリコンカーバイド事業の業界トップの収益性を維持。基板の50%以上を内製化
- 2024年のシリコンカーバイド売上高は、市場の2倍のペースで成長する見込み
- 200mmシリコンカーバイドの進捗は順調。24年での認定、25年での立ち上げに向け進展
市場環境とガイダンス
- 在庫消化の影響が自動車・産業市場で続いている。産業向け需要は安定化の兆し
- 第2四半期のガイダンスは、売上高が16億8000万~17億8000万ドル、非GAAP粗利益率が44.2%~46.2%
- 下期には需要が正常化し、市場が安定化すると予想
キャピタルアロケーション
- 第1四半期にフリーキャッシュフローの36%にあたる1億ドルを自社株買いに充当
- 過去12カ月でフリーキャッシュフローのほぼ100%に相当する5億6000万ドルを自社株買いに充当
- 長期的にフリーキャッシュフローの50%を株主に還元する方針を堅持
質疑応答ハイライト
シリコンカーバイド事業について
- 2024年のシリコンカーバイド売上高は、市場の2倍のペースで成長する見通し。これはボトムアップの設計情報に基づく
- シリコンカーバイドの売上高の内訳は四半期ごとには開示しないが、2024年通年では2023年から増加する
- 自動車と産業向けの比率は概ね80%対20%。顧客の多様化が進んでおり、2024年はさらに多様化が進む見込み
- 低価格EVへのシフトがあってもシリコンカーバイドとIGBTのどちらでもメリットを享受できる。システムレベルのソリューションを提供できるのが強み
第2四半期以降の見通し
- 第1四半期終盤から需要の減速が見られ、在庫消化の影響が第2四半期まで続く見通し
- 一方で下期には需要が安定化し、L字型の回復になると予想。回復とまでは言えないが、悪化もしない
- 産業分野では安定化の兆しが見られるが、自動車分野ではシリコンカーバイド以外でも弱さが見られる
データセンター向け事業
- 過去3年間でクラウドとデータセンター向けに投資を行ってきた。今後5年間で年平均22%の成長を見込む
- 電源管理やセンサーインターフェース技術のポートフォリオを拡大し、フルシステムソリューションを提供
- 次世代のAIサーバーラックでは200~300kWの電力が必要で、電力密度の課題解決に貢献していく
価格動向
- 価格は安定的に推移。需要減速局面での顧客との交渉は数量調整が中心で、価格ではない
- 長期供給契約(LTSA)を結んでいるのが奏功している。契約に織り込まれた価格で取引されている
- 新製品の価格設定はバリューベースで行っており、設計ごとに価格が変わることはない
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