スーパーマイクロコンピューター(ティッカー:$SMCI)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $6.65 | $5.57 | 〇 |
売上高 | $3.85B (YoY +200.8%) | $3.90B | × |
ガイダンス 2024Q4EPS | $8.02 ($7.62~$8.42) | $6.96 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $5.3B ($5.1B~$5.5B) | $4.86B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $23.69 ($23.29~$24.09) | $21.85 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $14.9B ($14.7B~$15.1B) | $14.59B | 〇 |
業績ハイライト
業績
- 2024年第3四半期の売上高は38.5億ドルで、前年同期比200%増、前四半期比5%増
- 2024年第3四半期の非GAAPベースの希薄化後EPSは6.65ドルで、前年同期の1.63ドルから308%増加
- 2024年第4四半期の売上高見通しは51億ドルから55億ドル
- 2024年通期の売上高見通しを147億ドルから151億ドルに上方修正
AI分野での成長
- AIのGPUプラットフォームが売上高の50%以上を占める
- NVIDIA HGX H100のスーパークラスソリューションを顧客に提供
- 次世代のNVIDIA H200、B100、B200、GX200、GB200 GPUやIntel、AMDのGPUに最適化されたシステムの提供に注力
液浸冷却技術への注力
- 新しい液浸冷却製品とラックスケールのトータルテクノロジーが大量生産の準備完了
- 液浸冷却技術により、顧客はデータセンタースペースを節約し、冷却ではなくコンピューティングに電力資源を割り当てられる
- 液浸冷却ラックを月産2,000台以上製造できる体制
- 4月から6月にかけて、業界をリードする3社の顧客に、NVIDIA HGX AIチップコンピュータを搭載した1,000ラック以上を提供予定
生産能力の拡大
- シリコンバレーの新施設の立ち上げと、台湾とマレーシアの工場の拡張を積極的に進めている
- 次のフェーズのエンタープライズおよびデータセンタービジネス用に追加の倉庫を確保
質疑応答ハイライト
液浸冷却について
- Supermicroは液浸冷却システムの主要コンポーネントの多くを社内で設計している
- 品質、メンテナンス、市場投入までの時間を重視しているため
- 一部のコンポーネントはサードパーティ製を活用
- 液浸冷却ラックに対して、顧客にわずかなプレミアムを請求しようとしている
- 顧客は空調設備コストを節約でき、エネルギーコストを最大40%削減できるため、トータルコストでメリットがある
シェア獲得の見通しについて
- 次世代のGB200製品を含む新しいソリューションの立ち上げに伴い、シェア獲得の見通しがある
- ダイレクトスケールのプロダクト&プレイスソリューションにより、顧客のリードタイムと導入までの時間を短縮できることが強み
- ラックスケールのプラグアンドプレイにより、数週間ではなく数日で顧客がシステムを導入できる
- 深層学習により、顧客はエネルギーと電力を節約でき、冷却ではなくコンピューティングにより多くの電力を割り当てられる
- 旧顧客の需要が拡大する一方で、優れたソリューション提供により新規顧客も獲得している
粗利率について
- 第3四半期の粗利率は15.6%で、前四半期の15.5%からわずかに上昇
- 戦略的な新設計の獲得、シェア獲得、製造効率の向上に注力した結果
- 第4四半期は粗利率がやや低下する見通し
- 長期的には14%から17%の粗利率を目指す
- 四半期ごとの粗利率の正確な予測は難しいが、控えめに見積もって上振れを目指す方針
在庫について
- 第3四半期末の在庫は41億ドルで、前四半期比67%増
- 主要コンポーネントの購入によるもの
- 第4四半期の売上高増加に備えて在庫を積み増した
- 第3四半期の最終週に大量の在庫が入荷したため、キャッシュフローにマイナスの影響
- 第4四半期の出荷のためには在庫が必要なので問題ない
- 新しい液浸冷却の需要に備えるためにも、十分な安全在庫を確保する必要がある
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