ニューホールディングス(ティッカー:$NU)の2024年第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.09 | $0.08 | 〇 |
売上高 | $2.74B (YoY +69%) | $2.16B | 〇 |
業績ハイライト
2024年第1四半期の主な業績ハイライト
- 3つの主要な指針に基づいた堅調な営業および財務KPIの達成
- ブラジルにおけるクレジットカード市場シェアが15%に到達し、同国第2位のクレジットカード発行会社に
- パーソナルローンの伸び率がここ5四半期連続でクレジットカードを上回る
- メキシコにおける預金の大幅な成功と融資の拡大
メキシコ事業戦略
- 現在のSOFIPOライセンスで成長を加速できるが、長期的にはバンキングライセンスが重要
- バンキングライセンス取得プロセスは順調に進行中
- 当面の成長に向けた預金の確保はすでに達成
資産の質について
- 第1四半期のNPLの上昇は主に季節性要因によるもの
- 市場サイクルに関わらず、あらゆる環境下でNPV正の与信を行うことを重視
- 担保付き・無担保のパーソナルローンやクレジットカードにおいて、引き続きポートフォリオ拡大の機会を見込む
質疑応答ハイライト
貸倒引当金の増加について
- 前四半期は政府主導の債務再交渉プログラム「Desenrola」による回収増加により貸倒引当金が異常に低かった
- 今四半期は、ポートフォリオのダイナミクスを反映したより正常なレベルに戻った
- メキシコにおいては、引受基準の改善とより良い顧客ミックスにより、NPLが改善傾向
リスク調整後の純利息マージン(NIM)について
- ブラジルでのプロビジョニングとメキシコでの預金増加を除くと、前四半期とほぼ変わらないレベル
- 2024年を通じて、与信ポートフォリオのダイナミクスを反映して推移する見込み
中小企業(SME)ビジネスの戦略について
- ブラジルの9,300万人の顧客のうち、800万〜900万人が中小企業オーナーと推定
- 現在の価値提案はまだ基本的だが、アカウント、デビットカード、クレジットカードを提供
- 消費者向け与信データを中小企業向けに活用でき、大きなシナジーが期待できる
- 担保付き・無担保のワーキングキャピタルローンをテスト中だが、まだ本格的に展開していない
メキシコにおける預金戦略について
- 現在高金利での預金獲得に成功しているが、これは競争力のある商品・ブランドに支えられている
- 長期的には、商品性向上によって金利を合理化しつつ、最高の価値提案を維持することが目標
- 現行銀行は金利を引き上げざるを得なくなる可能性がある
資産の質と新規NPL発生について
- 再交渉済みローンは引き続きポートフォリオの約10%を占める
- ポートフォリオミックスの変化により、今後再交渉率に影響する可能性あり
- 新規NPL発生率を歪める一時的要因はなく、ほぼ通常のレベル
リスク調整後の純利息収益の伸びについて
- 前四半期比で中一桁台の伸びにとどまったのは、貸倒引当金によって純利息収益の伸びの多くが相殺されたため
- 無担保パーソナルローンが貸倒引当金を多く必要とするため、その構成比の変化が影響
- 四半期を通じて均等に実行されており、特定の時期に集中した訳ではない
クレジットカードの発行について
- ブラジル人口の55〜65%をカバーするに従い、顧客数やカード数の限界的な伸びは鈍化するのが自然な流れ
- 一方、利用額とARPACには大きな伸びしろが残っている
- メキシコ・コロンビアはS字カーブのごく初期の段階にあり、顧客数・カード数の拡大余地が大きい
メキシコにおける融資拡大について
- 新市場では非常に保守的な引受から始め、加速と減速を繰り返しながら成長
- 最近は、モデルの改良や資金調達を見極めるために融資拡大ペースを落としていた
- Nu Cuentaが好調で、NPLも大幅に改善したことから、再び融資を加速させる軌道に乗った
- 現在、四半期ベースで7〜8%の融資残高成長を記録しており、今後数四半期で伸び率が上昇する見込み
金利見通しとマクロ環境を踏まえた融資方針
- 第1四半期の早期延滞率上昇は主に季節性要因によるもの
- 市場サイクルに関わらず、あらゆる環境下でNPV正の与信を行うことを重視
- 担保付き・無担保のパーソナルローンやクレジットカードにおいて、引き続きポートフォリオ拡大の機会を見込む
- 状況に応じてスピード調整は行うが、基本的な方針に変更なし
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