Elevance Health(ティッカー:$ELV)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $10.64 | $10.53 | 〇 |
売上高 | $42.3B (YoY +1.6%) | $42.47B | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $37.2~ | $37.15 | 〇 |
業績ハイライト
主要な業績ハイライト
- 第1四半期のGAAP EPSは$9.59、調整後希薄化EPSは$10.64で12.5%の成長
- 通期の調整後EPSガイダンスを$0.10上方修正し、$37.20を上回る見通し
- 営業キャッシュフローは$20億で、純利益の約0.9倍
- 自社株買いを$5.66億実施、長期的な価値創造への確信を反映
事業別の状況
- Commercialのマージンは引き続きパンデミック前の水準に回復
- Medicaidの加入者絞り込みはほぼ予定通り進捗、料金設定も適切
- Medicare Advantageは慎重な価格設定で成長と利益率のバランスを取る方針
- Carelon Servicesの外部売上高が伸長、インサイツやベハビオラルヘルスで大型案件を獲得
戦略的取り組み
- CD&Rとのパートナーシップにより、ペイヤー非依存の一次医療事業を構築
- 専門医療の対応力を強化するため、Carelon Rxが複数の買収を実施
- Carelon Servicesが複数の新規契約を獲得し、成長を加速
質疑応答ハイライト
CD&Rとの戦略的パートナーシップについて
- ペイヤー非依存の一次医療とフィジシャン支援事業を構築する取り組み
- 商業、Medicare、Medicaid全ての医療プランの加入者にValueベースドケアを提供することが目的
- 当初はマイノリティ持分だが、将来的には完全所有を目指す
- 参加する一次医療グループは、Medicare・商業でのリスク管理や、テクノロジーを活用したケアナビゲーションに強み
- 専門医療への対応としてCarelon のサービスも組み合わせる
- 地域密着型のケアデリバリーモデルを構築し、一次医療クリニック、高リスククリニック、デジタル対応モデルなどを展開
Medicaidの再認定状況と料金設定
- 再認定は加入者の約90%が完了、残りも6月までにほぼ完了見込み
- 足元の加入者減は再認定に加え、一部地域からの撤退も影響
- 現時点の加入者の健康状態は予想通り
- 2024年の料金設定は75%が確定済みで、健康状態の変化に対応した水準
- 引き続き州と協議を重ね、料金設定の適正化を図る方針
Medicare Advantageの価格設定見通し
- 2025年の価格設定は政府の方針により業界全体で厳しい環境に
- 成長と利益率のバランスを取りつつ、慎重に価格設定する方針
- マネージドケア加入者と低所得者層のニーズに注力した商品提供を継続
Carelon Servicesの外部売上の状況
- 2024年の新規受注が好調で、すでに2023年通年実績を上回る
- ベハビオラルヘルスで大型の州契約や学校向けサービスを獲得
- インサイト事業でBlue Cross Blue Shieldとの取引を拡大
- 新サービスは段階的にローンチしており、一時的な利益率変動は避けられない
Change Healthcareのサイバー攻撃の影響
- 一時的にクレーム受理が15-20%減少したが、現在はほぼ通常の状態に回復
- クレーム処理の遅れに対しては適切に準備金を計上済み
- 準備金の計上により、クレーム遅れが業績に与える影響は限定的
- アジャスト後のクレーム発生は期初予想と一致
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