Microsoft(ティッカー:$MSFT)の2024年度第2四半期決算についてまとめます。
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $2.93 | $2.77 | 〇 |
売上高 | $62.02B (YoY +17.6%) | $61.14B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $60.5B ($60.0B~$61.0B) | $60.97B | × |
業績ハイライト
Microsoftの四半期業績が好調
- 売上高は620億ドルで、前年同期比18%増、一定為替レートベースでは16%増
- Microsoftクラウドの売上高は337億ドルで、24%増
- オペレーティングインカムは25%増、一定為替レートベースでは23%増
- EPS (希薄化後1株当たり利益) は$2.93で、26%増
AIへの注力が業績を牽引
- AIをテックスタックの隅々まで組み込むことで、新規顧客の獲得や生産性向上を実現
- Azure AIの顧客数は5.3万に到達。うち1/3は過去12ヶ月で新規獲得
- Fortune 500企業の半数以上がAzure OpenAIサービスを利用
- GitHub Copilotの有料サブスクライバー数は130万人を突破し、前期比30%増
クラウド事業が引き続き成長
- Azureが再びシェアを獲得。AI対応が優位性に
- より大規模で戦略的なAzureの契約が増加。10億ドル以上の大型契約も
- Dynamics 365が前年同期比27%増。すべてのワークロードで成長持続
- 有料Office 365シートが4億を突破。E5モメンタムが継続
Windows・ゲーミングも堅調
- Windows 11の法人への導入が前年同期比2倍に
- クラウド経由のWindows利用が50%以上増加
- ゲーミングの月間アクティブユーザー数が過去最高を更新。モバイルでは2億人超
質疑応答ハイライト
Azure AIの成長と今後の展望
- Azure AIの売上のほとんどは推論ワークロードによるもの。大規模モデルの学習による売上は含まれていない
- 現在はAzure OpenAIが主要な売上ドライバーだが、他の新しいモデルの利用も始まっている
- AIワークロードには独自のライフサイクル (構築→最適化→新ワークロードの開始) がある
- 従来型ワークロードの最適化のみで新規ワークロードがない時期は終わり、顧客はAIと従来型の両方で継続的なサイクルを回していく
AI需要に対応するインフラ整備の進捗
- 約1年前からキャパシティ拡張に向けた設備投資を加速しており、需要に対応できている
- 主にマイクロソフト自身でインフラを構築。必要に応じてサードパーティのキャパシティも活用
- 今後もAIインフラへの設備投資を加速していく予定
Microsoft 365 Copilotの早期の導入状況
- リリース2ヶ月で、過去のE3やE5など新製品に比べ導入ペースが非常に速い
- 一部の企業では全社導入、他社では小規模から始めて生産性向上を確認してから拡大というアプローチ
- 要約、下書き作成、社内情報の検索など、具体的なユースケースで活用が進む
- PCのような標準ツール化を想定。習熟とともに利用が拡大
Office 365のシート数とARPUのダイナミクス
- シート数の伸びは中小企業とフロントライン ワーカー (現場従業員) 向けが中心。ARPUは比較的低い
- ARPUの上昇はE3/E5への移行とCopilot収入によってけん引
- 今後もシート数、ARPUは比較的独立したダイナミクスで推移する見通し
GitHub Copilotの価格設定と今後の方向性
- 生産性の大幅な向上効果を踏まえ、価格設定を通じた収益化の余地は大きい
- 現在のARPUは比較的安いが、価値に見合った水準へ引き上げる方針
- 他のCopilot (Sales、Service、Securityなど) でも同様のアプローチを想定
- 開発者にとって必須のツールに。開発コストに占めるツール支出の割合が高まる可能性
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