コインベース(ティッカー:$COIN)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.14 | $0.92 | 〇 |
売上高 | $1.45B (YoY +104.8%) | $1.36B | × |
業績ハイライト
財務結果
- 第2四半期の総収益は14億ドル
- 調整後EBITDAは5億9600万ドル
- 純利益は3600万ドル
- USDリソースは7億3300万ドル増加し、78億ドルに
収益内訳
- 取引収益は7億8100万ドル(前四半期比27%減)
- サブスクリプション・サービス収益は5億9900万ドル(前四半期比17%増)で過去最高を記録
事業ハイライト
- Base上のUSDC取引量が週間約200億ドルに到達
- スマートウォレットの導入により、オンボーディングプロセスを簡素化
- 規制の明確化に向けた取り組みが進展
- デリバティブ取引の拡大
質疑応答ハイライト
デリバティブプラットフォームについて
- デリバティブは暗号資産取引量全体の約75%を占める重要な市場
- 米国ではCoinbase Financial Markets、国際的にはCoinbase International Exchangeを展開
- 第2四半期に契約数を拡大し、実物資産(金や原油)の先物も追加
- MiFID(金融商品市場指令)ライセンス取得により、2024年にEU20カ国以上でデリバティブ取引を展開予定
- 現時点では財務結果への影響は限定的だが、将来の重要な成長ドライバーと位置付け
USDCとMiCA規制について
- USDCはMiCA(暗号資産市場規制)に準拠した最初のステーブルコインとなる見込み
- 信頼できるステーブルコインの存在は、日常取引や新しいWeb3/DeFiアプリケーションの利用に重要
- USDCの時価総額は年初来30%増加、プラットフォーム上の平均残高は前四半期比50%増
- MiCA規制はUSDCのグローバル展開における重要な基盤となる
バランスシート戦略と金利収入について
- 強固なバランスシートを維持し、プライムファイナンス事業やETF関連のニーズに対応
- 2026年満期の転換社債の償還に備えて一部現金を確保
- 有機的・非有機的な成長機会に備えて機動的な資本を確保
- 金利低下に備え、USDCの利用ケース拡大や様々なヘッジを検討中
リテール顧客のエンゲージメントについて
- 前回のブル市場と比較し、取引以外の製品(ステーキング、USDCリワード、ウォレット機能など)でエンゲージメントが拡大
- 取引を目的とするリテール顧客の行動はボラティリティに連動し、過去のサイクルと同様のパターンを示す
- 製品ポートフォリオの拡大により、顧客エンゲージメントの多様化が進展
規制明確化と大手金融機関の参入について
- 規制の不透明さが機関投資家の暗号資産投資を妨げる最大の要因
- ETF承認により新たな資金流入が見られたが、包括的な規制明確化がさらなる資金流入につながる可能性
- 規制明確化は新規参入企業の増加やイノベーション促進にもつながる
- 大手テクノロジー企業も規制明確化を待っており、欧州ではMiCA規制により議論が活発化
オンチェーンイニシアチブと開発者向けプラットフォームについて
- Layer 2ソリューションやスマートウォレットなど、基盤技術の整備が進展
- 多くのイノベーターがアプリケーション層で新しいサービスを開発中
- CoinbaseはCDP(Coinbase Developer Platform)を通じて開発者を支援
- 暗号資産をグローバル経済のあらゆる場面に統合することを目指す
人員計画について
- 2024年後半に採用を増加予定
- 主にコンシューマーおよび国際プラットフォーム、製品基盤の強化に注力
- 長期的な事業成長に備え、重要な成長分野への投資を慎重に行う方針
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