Intel(ティッカー:$INTC)の2023年第4四半期決算についてまとめます。
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.54 | $0.45 | 〇 |
売上高 | $15.41B (YoY +9.7%) | $15.16B | 〇 |
ガイダンス 2024Q1EPS | $0.13 | $0.34 | × |
ガイダンス 2024Q1売上高 | $12.7B ($12.2B~$13.2B) | $14.25B | × |
業績ハイライト
業績
- 第3四半期の売上高は142億ドルで、ガイダンスの上限を上回り、前四半期比9%増加
- EPS(1株当たり利益)は0.41ドルで、ガイダンスを0.21ドル上回った
- 営業キャッシュ・フローは58億ドルで、前四半期比30億ドル増加
製造プロセスの進捗
- Intel 7プロセスは量産中で、すでに1億5000万ユニット以上を出荷
- Intel 4プロセスでMeteor Lakeの初期出荷を開始
- Intel 3プロセスは年内に製造準備完了予定
- Intel 20Aプロセスは2024年上半期に製造準備完了予定
- Intel 18Aプロセスは2024年下半期に製造準備完了予定で、PDK 0.9をリリース
ファウンドリービジネス
- 大手顧客がIntel 18Aプロセスと3プロセスを採用
- 2社の新規Intel 18A顧客を獲得
- シノプシスとの戦略的提携を拡大し、Intel 3と18A向けのIPを提供
- 先端パッケージング事業で2社の顧客デザインを受注、6社と交渉中
AI(人工知能)への取り組み
- AI推論向けのXeonプロセッサ、OpenVINOソフトウェア、Gaudi AIアクセラレータを提供
- デルがXeonとGaudiを組み合わせたAIシステムを発表
- Stability.aiと共同で大規模なAIスーパーコンピュータを構築中
- Gaudiのパイプラインが過去90日間で倍増
質疑応答ハイライト
粗利率について
- 第3四半期の粗利率は45.8%で、ガイダンスを280ベーシスポイント上回った
- 売上増加、平均販売価格の上昇、以前に引当金を計上した在庫の売却が寄与
- 内部ファウンドリーモデルによるコスト削減効果も期待
- 長期的には60%の粗利率達成を目指す
ファウンドリービジネスの進捗について
- 第3四半期に2社の新規Intel 18A顧客を獲得し、計3社に
- 18AのPDK 0.9リリースにより、発明フェーズが完了し、製品化フェーズに移行
- AIチップ企業から先端パッケージング技術への関心が急増
- 第3四半期に2社の先端パッケージング顧客を獲得、6社と交渉中
- シノプシスとの提携拡大、アームとの関係、タワーセミコンダクターとの協業など、ビジネスが好調
DCG(データセンター事業)のASP(平均販売価格)と収益性について
- 第3四半期はXeonのASPが過去最高を記録
- 新製品への移行とハイエンド製品へのシフトがASP上昇に寄与
- プロセスリーダーシップの確立、製品ロードマップの改善、内部ファウンドリーモデルによるコスト削減で収益性改善を目指す
- 長期的には業界標準レベルの営業利益率達成を目指す
減価償却費の影響について
- 第3四半期は減価償却費が大幅に改善し、粗利率の押し上げ要因に
- 第4四半期も若干の改善を見込む
- ただし、在庫に含まれる過去の減価償却費の影響が残るため、完全な解消は来年以降になる見通し
イスラエルの製造拠点への影響について
- イスラエルは約50年前からの拠点で、Intel 7プロセスの製造を担当
- 現地の混乱にもかかわらず、従業員は強靭で、コミットメントを守り、業績を上げている
- 地政学リスクへの対応として、Intel 7の生産を他の2拠点でも行うなど、サプライチェーンの強靭化を図っている
DGCのCPU需要の見通しについて
- 直近はAIインフラ向けの設備投資増加により、データセンター向けCPUからアクセラレータへの一時的なシフトが見られた
- 長期的には、AIモデルの推論ワークロードの増加によって、XeonによるCPU需要の回復を見込む
- Xeonは第4世代で業界をリードする推論性能を実現しており、将来のロードマップでさらに性能が向上する見通し
- DellがXeonとGaudiを組み合わせたシステムを発表するなど、エコシステムからの支持も拡大
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