KLA(ティッカー:$KLAC)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $5.26 | $5.06 | 〇 |
売上高 | $2.36B (YoY -2.9%) | $2.32B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $5.77 ($5.47~$6.07) | $5.72 | 〇 |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $2.50B ($2.375B~$2.625B) | $2.43B | 〇 |
業績ハイライト
売上高
- 2023年3月期の売上高は23億6,000万ドルで、ガイダンスレンジの中間値を上回った
- 市況は安定しており、今年は業績が改善すると予想
プロセス制御市場シェア
- 2023年のKLAのプロセス制御市場シェアは、米国政府の輸出規制により中国市場の約10%へのアクセスを失った影響で前年から約1%低下
- 先端パッケージング事業は2024年に約4億ドルの売上高を計上し、WFEを上回る成長率を達成する見込み
サービス事業
- サービス事業の売上高は前四半期比4%増、前年同期比12%増の5億9,000万ドルに成長
- 直近12ヶ月間のフリーキャッシュフローは31億ドル、フリーキャッシュフローマージンは32%
2024年6月期の見通し
- 売上高25億ドル(±1億2,500万ドル)を予想
- ファウンドリ/ロジック向けが82%、メモリが18%の見込み
- 非GAAPベースの売上総利益率は61.5%(±1%)を予想
- 2024年通期の非GAAPベースの売上総利益率は61%台半ばで安定的に推移する見通し
質疑応答ハイライト
N2ノードの立ち上がりについて
- N2ノードの本格量産は2026年になるが、2025年にはAIなど一部の顧客での立ち上がりが見込まれる
- KLAにとっては2025年後半に受注が本格化し、2025年にはN2が事業の大きな牽引役となる見通し
- N2は消費電力面で有利なノードであり、データセンターやAIの課題解決に向けて多くの顧客が設計を開始している
- KLAは既に主要顧客とN2立ち上げのタイミングについて協議を進めており、顧客の投資が前倒しになってきていることから楽観的な見方をしている
中国市場について
- 2024年下期の中国市場は概ね横ばいで推移する見通し
- DRAMは減少するものの、ウェーハインフラは下期にやや減少、アナログ向けインフラは増加し、ロジック/ファウンドリは全体的に増加する見込み
- 新規プロジェクトによるシステム導入が続いているほか、中国の大手顧客も受注を獲得している
- 足元の状況から2024年は現状レベルで推移し、それ以降も同様のトレンドが続くと予想される
メモリ市場の回復について
- 2024年は中国以外のメモリ市場で緩やかな改善が見込まれるが、大きな投資再開は2025年以降になると予想
- 足元ではメモリの価格上昇、顧客の稼働率上昇、収益性改善がみられ、デバイス市場全体の改善が来年の投資再開につながる見通し
- DRAMは先端プロセスやハイバンドメモリ関連の投資が期待できる
サービスビジネスの成長について
- 2024年のサービス事業売上高は250~300百万ドルの増収を見込んでおり、上振れの可能性もある
- プロセス制御の特性上、顧客は資本を最適化するためKLAに依存しており、KLAのツール稼働率も他社製品ほど低下していない
- サービス事業の成長は市場の健全性と来年の成長ドライバーへの確信を示している
生産能力と成長目標について
- KLAは2021年と2022年に自社の生産能力とサプライヤーの能力増強に多額の投資を行っており、2026年の目標達成に向けて十分な生産能力を確保できている
- 現在はこれらの投資がマージンの逆風になっているが、今後数年間で期待される成長を実現できれば投資のレバレッジを効かせられる
後工程向けソリューションへの取り組み
- KLAは数年前からSPTSの買収などを通じて後工程向けソリューションを拡充してきた
- 当初は後工程は競合領域という見方が強かったが、足元では大手顧客から前工程で培ったKLAの技術を後工程に活用したいという要望が強まっている
- 特にAI関連で先端パッケージの重要性が高まっていることが背景にある
- 前工程製品の後工程向け改修には、数ヶ月から数年かかるケースもあるが、既に多くの製品を後工程向けに提供している
- 基板の微細化などで今後も検査・計測へのニーズは高まる見通しであり、KLAにとって長期的な成長機会になると考えている
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