決算:JPM 2025Q3

決算

JPモルガン・チェース(ティッカー:$JPM)の2025年度第3四半期決算についてまとめます

finviz dynamic chart for JPM

決算概要

アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。

結果予想判定
EPS$5.07$4.87
売上高$47.12B
(YoY +8.8%)
$45.57B

業績ハイライト

連結業績概要

項目数値前年同期比
純利益144億ドル
EPS$5.07
ROTCE20%
総収益471億ドル+9%
経費243億ドル+8%
クレジットコスト34億ドル
ネットチャージオフ26億ドル
純引当金繰入額8.1億ドル
CET1比率14.8%前四半期比 -30bps
  • 収益増加はマーケット収益の拡大、資産運用・投資銀行・ペイメントの手数料増が牽引。
  • NII(ネット金利収入)の増加はバランスシート成長・ミックスによるが、低金利の影響で一部相殺。
  • クレジットコストには、一部不正が疑われる貸出によるチャージオフが含まれる(Tricolorで1.7億ドル)。

セグメント別業績

CCB(Consumer & Community Banking)

項目数値前年同期比
純利益50億ドル
収益195億ドル+9%
  • NII増加の主因は、リボルビング残高の増加。
  • 小口消費者・中小企業ともに堅調。
  • 早期延滞率は安定的、むしろ想定より若干良好。
  • 小売預金シェアでFDICデータ上5年連続トップ。
  • Sapphireカードの刷新が成功、口座開設数過去最高を記録。

CIB(Corporate & Investment Bank)

項目数値前年同期比
純利益69億ドル
収益199億ドル+17%
  • IB手数料は+16%。特にIPO(株式引受)で活況。
  • 市場部門:
    • 債券:+21%(金利・クレジット・証券化商品)
    • 株式:+33%(プライム業務などで高い顧客活動)

AWM(Asset & Wealth Management)

項目数値前年同期比
純利益17億ドル
収益61億ドル(過去最高)+12%
プレタックスマージン36%
長期ネットインフロー720億ドル
AUM(運用資産残高)4.6兆ドル+18%
クライアント資産6.8兆ドル+20%
  • 管理報酬増とブローカレッジ活動の拡大が貢献。
  • インフローは債券・株式が牽引。

コーポレート部門

項目数値
純利益8.25億ドル
収益17億ドル

業績見通し(ガイダンス)

第4四半期・通期見通し

項目予想値
NII(マーケット除く)Q4約235億ドル
NII(全体)Q4約250億ドル
調整後経費Q4約245億ドル
通期経費約959億ドル
カードネットチャージオフ率(2025)約3.3%
  • 消費者の強さと延滞率改善によりカードの信用コスト見通しは改善。
  • 2026年のNII(マーケット除く)中核シナリオ:約950億ドル。
  • 経費見通しは予算策定中のため未開示。ただし、2026年のコンセンサス(1,000億ドル)はやや低いとの見解。

質疑応答ハイライト

小売預金と2026年NII見通し(John McDonald – Truist Securities)

Q: 預金成長見通し(+3%→+6%)は継続か?

A: 直近は預金横ばい。個人貯蓄率の低下・支出増・株式市場好調により、投資流入が預金残高を抑制。だが、四半期で40万件の純口座増加を記録し、長期的には成長に自信。

Q: その他の2026年NII前提は?

A: フォワードカーブ(9月末時点)を反映。レート低下は逆風だが、カードのリボルビング残高やローン成長が相殺。ホールセール預金は今年強かったが、来年は控えめ見込み。

クレジット環境とNBFI(Glenn Schorr – Evercore)

Q: パブリックとプライベート市場のクレジット基準差異は?

A: 今のところ大きな差異は見られない。だが、新規直接融資の一部はやや高い想定損失率で引き受けられており、将来的にはホールセールのチャージオフ率が若干上昇する可能性。

補足: Tricolorで1.7億ドルの貸倒れ。First Brandsへのエクスポージャーはなし。

商業貸出の引当と資本の使い道(Betsy Graseck – Morgan Stanley)

Q: 商業貸出への引当て方針?

A: 新規貸出時点で適切に引当済み。特に直接融資ではDay1で大きな引当が必要。

Q: 余剰資本の使途?

A: 過度な自己株買いを避けつつ、貸出成長や国家安全保障関連分野への5,000億ドル追加支援に活用予定。

景気見通しとAIの影響(Ebrahim Poonawala – BofA)

Q: 景気の先行き懸念について?

A: 現状の労働市場は堅調で延滞も良好。ただし、不確実性は高く、今後の失業率上昇の可能性は排除できない。

Q: AIによる経費抑制効果は?

A: 定量的に示すのは難しいが、AI導入により生産性向上は確実。2026年経費予算策定では人員増加抑制を強く意識。

NBFI(ノンバンク金融機関)リスク(Mike Mayo – Wells Fargo)

Q: Tricolorの影響とNBFIへの融資リスク?

A: Tricolorは1.7億ドルの貸倒れ要因。不正も疑われる。NBFI向け融資の大半は担保付き・構造化されたもので、全体としては懸念は限定的。だが、リスクは注視中。Jamie Dimon曰く、「ゴキブリを1匹見たら、他にもいると思うべき」

住宅ローン市場と規制(Gerard Cassidy – RBC)

Q: 住宅ローン金利スプレッド縮小に向けた施策?

A: モーゲージ取得に伴う過剰な文書化・手続きが最大のコスト要因。規制緩和で30-40bpsのコスト削減が可能。

Q: Basel III見通し?

A: 規制当局は全体像を見た上で前向きな調整を進行中。業種別のリスクに基づいた算出方法を重視。

経費と報酬圧力(Erika Najarian – UBS)

Q: 2026年経費見通し(+4%)は新常態?

A: 労働コストの年率+3~4%が新常態。さらに医療費(2026年+10%)や競合との報酬競争も圧力。

IB環境と資本配分(Jim Mitchell – Seaport Global)

Q: IPO・M&A動向は?

A: IPOのパイプラインは充実。M&A活動も夏以降活発化。金利環境はディール成立に十分な状況。

Q: RWA増に伴う資本配分?

A: 自社株買いよりも、健全な収益成長機会に資本活用を重視。ただし、無理なリスクテイクは避ける方針。

ローン利回りとSapphire(Ken Usdin – Autonomous)

Q: ローン利回りが上昇した要因?

A: カードローンの構成比増によるミックス効果。

Q: Sapphireカード刷新による収益への影響?

A: 一時的に報酬コスト先行で非金利収益がマイナス。数四半期で正常化予定。

預金シェアと価格戦略(Chris McGratty – KBW)

Q: 15%預金シェア目標達成に価格競争必要か?

A: 必要なし。価格ではなく、製品・サービス・チャネル拡充による獲得を継続。拡大地域ではシェア上昇を確認。

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