ゴールドマンサックス(ティッカー:$GS)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | $12.25 | $11.09 | 〇 |
| 売上高 | $15.18B (YoY +20%) | $14.25B | 〇 |
📊 業績ハイライト
売上・利益・ROEの概要
| 項目 | 数値 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 売上高(Net Revenues) | $15.2B | +6%(推定) | 市場全体の好調さとM&Aの加速が寄与 |
| 一株当たり利益(EPS) | $12.25 | +不明 | 非常に高水準 |
| 自己資本利益率(ROE) | 14.2% | – | YTDベースでは14.6%、ROTCEは15.6% |
| 資産運用監督資産(AUS) | $3.5T | +不明 | 過去最高を更新 |
| 第三者オルタナティブ資産調達 | $33B | 過去最高 | YTDでは$70B、通期$100Bを超える見通し |
- CEO David Solomon 氏のコメント:「One Goldman Sachsの力を活かした総合的なクライアントサポートが業績をけん引」
セグメント別業績(グローバル・バンキング&マーケッツ)
| 項目 | 数値 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 売上 | $10.1B | +不明 | 年初来ROEは17% |
| M&Aアドバイザリー収益 | $1.4B | +60% | M&A件数増加、複数の大型案件に関与 |
| 株式引受収益 | $465M | +21% | Klarna, Figma等の大型IPO実施 |
| 債券引受収益 | $788M | +30% | レバレッジドファイナンスが活況 |
| FICC収益 | $3.5B | +17% | レート、モーゲージ、コモディティ好調 |
| 株式収益 | $3.7B | 微減(インターミディエーション) | 派生商品は好調だがキャッシュエクイティ低下 |
| 株式ファイナンス収益 | $1.7B | +33% | 平均プライムバランスが過去最高 |
- 備考:投資銀行部門のバクログ(受注残)は過去3年で最高水準に到達。M&A活動が加速。
アセット&ウェルスマネジメント(AWM)
| 項目 | 数値 | 前年同期比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| セグメント売上 | $4.4B | +不明 | 管理報酬とプライベートバンキングが牽引 |
| 管理報酬(Management fees) | $2.9B | +12% | 過去最高水準 |
| プライベートバンキング収益 | $1.1B | 高シングル成長率 | 超富裕層向け融資拡大 |
| オルタナティブ資産 | $374B | +不明 | 管理報酬$597M、第三者資金調達が過去最高 |
| オルタナティブ資産調達(Q3) | $33B | 過去最高 | YTDでは$70B、通期$100B超見通し |
| 長期ネット流入額(Q3) | $56B | +不明 | 31四半期連続の正の流入 |
- 収益性:AWM部門の税引前マージンは23%、ROEは10.5%(HPI除外でさらに+250bps向上)
経費・資本・株主還元
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 営業費用総額 | $9.5B | トランザクションコスト、寄付、訴訟費用が増加 |
| 報酬比率(年初来) | 32.5% | 前年比で100bps改善(セベランス込み) |
| 非報酬費用(Q3) | $4.8B | +14% YoY |
| 貸倒引当金(Q3) | $339M | 主にクレジットカード債権のチャージオフ |
| 税率(年初来) | 21.5% | 通年見通しは約22% |
| CET1比率(Q3末) | 14.4% | 要件10.9%を上回る水準 |
| 株主還元額(Q3) | $3.3B | 自社株買い$2B、配当$1.3B |
経営戦略・構造改革
- One Goldman Sachs 3.0の発表
- 中央集権的なオペレーティングモデルへ移行
- AIを活用したプロセス改革
- 営業支援、クライアント・オンボーディング、貸出業務、規制報告、ベンダー管理など
- 6つの目標:顧客体験の向上、利益率改善、生産性向上、スケーラビリティ、従業員体験の改善、リスク管理強化
- 詳細は2026年1月の決算発表時に説明予定
- 主な提携・買収
- Industry Venturesの買収:25年の歴史を持つVCプラットフォーム
- 技術投資に強み、セカンダリー投資との相乗効果
- T. Rowe Priceとの提携:個人投資家・年金向け商品展開を共同で行う
- Industry Venturesの買収:25年の歴史を持つVCプラットフォーム
🎙️ 質疑応答ハイライト
SRT(Synthetic Risk Transfer)とリスク管理
Q(Evercore, Glenn Schorr)
SRTを含むリスク移転の動きについて、何を意図しているのか?
A(CFO Denis Coleman)
- SRTは既存のリスク管理ツールの1つであり、「常時実行している業務」
- クレジットポートフォリオの最適化が目的
- 年末だから行っている訳ではない。「通常のリスク管理の一環」
One Goldman Sachs 3.0の目的と背景
Q(Evercore)
業績が好調な中で、なぜ構造改革なのか?
A(CEO David Solomon)
- 業績が良い今だからこそ、テクノロジーを使って業務効率化に取り組む好機
- AI活用により、スケーラビリティと利益率向上、成長余地を創出
- 経済全体にも生産性向上の波が来ており、それに乗る形
プライベートクレジットと与信リスク
Q(BofA)
プライベートクレジットに対する銀行の貸出リスクは?
A(David Solomon & Denis Coleman)
- 貸出ポートフォリオの大半は投資適格かつ担保付き
- 「一部の報道に出ている企業とは無関係」
- 厳格なアンダーライティング基準を適用し、選択的に取引
- クレジットサイクルへの備えは万全
株式部門の収益と要因分析
Q(Autonomous)
株式仲介(Intermediation)の収益が低下した理由は?
A(CFO Coleman)
- キャッシュ株式が前年比で低調(前年同期が+30%と好調すぎた反動)
- デリバティブ商品は堅調、株式ファイナンス収益は過去最高
- トータルで「株式部門の健康状態は極めて良好」
アセット&ウェルスマネジメントの中長期見通し
Q(BMO)
HPIの影響除外後もROEを上げる余地は?
A(CEO)
- オルタナティブ資産の成長・スケーリングでさらなるマージン拡大余地
- HPI除外で資本効率も改善方向
- インセンティブ報酬(キャリー)の未実現額は$4.6Bあり、今後数年で収益化見込
規制動向と資本政策
Q(UBS, RBC)
規制の方向性とバッファ管理について?
A(CEO)
- Basel III最終化、CCAR透明性向上、GSIB再評価など、全体的に「建設的」な方向へ
- CET1バッファは「資本制度が明確になれば、縮小可能」
- 現状CET1比率14.4%、必要水準10.9%→過剰資本あり、今後の資本配分柔軟性大

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