JPモルガン・チェース(ティッカー:$JPM)の2024年度第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $4.81 | $4.10 | 〇 |
売上高 | $43.74B (YoY +13.4%) | $41.56B | 〇 |
業績ハイライト
全体業績
- 2024年第4四半期の純利益は140億ドル、EPS4.81ドル、収益437億ドル、ROTCE21%を達成
- 前年同期比で収益は38億ドル(10%)増加
- 費用は前年同期比17億ドル(7%)減少
- 信用コストは26億ドル、純損失は24億ドル、純準備金は2.67億ドル
CCB(コンシューマー&コミュニティバンキング)部門
- 純利益45億ドル、収益184億ドル(前年同期比1%増)
- バンキング&ウェルスマネジメント収益は7%減少
- カード・サービス&オート収益は14%増加
- 信用コストは26億ドル、純損失は21億ドル(前年同期比4.28億ドル増)
CIB(コーポレート&インベストメントバンク)部門
- 純利益66億ドル、収益176億ドル
- IB手数料は前年同期比49%増加、2024年のウォレットシェアは9.3%で1位
- マーケッツ収益は70億ドル(前年同期比21%増)
- 費用は前年同期比7%増加
AWM(アセット&ウェルスマネジメント)部門
- 純利益15億ドル、税引前マージン35%
- 収益58億ドル(前年同期比13%増)
- 長期純流入額は760億ドル
- AUMは4兆ドル、顧客資産は5.9兆ドル(ともに前年同期比18%増)
2025年の見通し
- マーケッツを除くNIIは約900億ドル
- 費用は約950億ドル
- カードの純損失率は約3.6%を予想
質疑応答ハイライト
資本政策について
- 現在の資本水準は十分であり、これ以上の過剰資本の積み増しは不要と判断
- 有機的な資本配分機会がない限り、自社株買いを通じて株主還元を実施する方針
- 特別配当については、株主価値創出の観点から実施しない方針を表明
規制環境について
- 一貫性があり、合理的で、包括的に評価された規制の枠組みを求めている
- 流動性規制、競争環境、規制構造全体の見直しが重要な論点
貸出需要について
- 企業センチメントの改善にもかかわらず、大きな貸出需要の回復は見られていない
- 資本市場が活発であることや、中小企業の健全なバランスシート、政策の不確実性が要因
NII(純金利収益)の見通しについて
- 2025年半ばに底打ちし、その後成長に転じる可能性
- 消費者預金の金利は、競争環境を反映して設定
クレジットリスクについて
- 失業率が最大のドライバー
- スタグフレーション(高金利と高失業率の組み合わせ)が最悪のシナリオ
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