HP(ティッカー:$HP)の2024年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.83 | $0.86 | × |
売上高 | $13.52B (YoY +2.4%) | $13.36B | 〇 |
ガイダンス 2024Q4EPS | $0.94 ($0.89~$0.99) | $0.95 | × |
ガイダンス 2024Q4売上高 | $3.40B ($3.35B~$3.45B) | $3.45B | × |
業績ハイライト
売上高
- 9四半期ぶりに前年同期比2%増の成長を達成
- パーソナルシステム部門が5%成長し、主要成長分野も好調
利益
- 非GAAPベースの営業利益は前年同期比7%減の11億ドル
- 非GAAP EPSは0.83ドルで、ガイダンス範囲内だが期待を下回る
セグメント別業績
- パーソナルシステム:売上高5%増、営業利益率6.4%
- プリント:売上高3%減、営業利益率17.3%で期待を下回る
キャッシュフローとシェア買戻し
- フリーキャッシュフロー13億ドルを創出
- 8.7億ドルを株主還元(自社株買いと配当)
通期見通し
- 通期のEPSガイダンスを3.35-3.45ドルに下方修正
- フリーキャッシュフロー見通しは31-36億ドルで据え置き
質疑応答ハイライト
プリント事業の利益率について
- Q3のプリント利益率が期待を下回った要因:
- 競争激化による価格圧力
- 中国市場の低迷による地域ミックスの悪化
- 長期的には収益性のあるハードウェア設置を実施
- 成長分野への投資を維持
- Q4の見通し:
- 季節要因による売上増を見込む
- Future Readyプログラムによるコスト削減を加速
- 利益率は16-19%のターゲットレンジの上限に近づくと予想
AI PCの動向について
- IDCの定義によるAI PC:
- 下半期の出荷台数は当初予想の10%をやや上回る見込み
- 短期的には消費者向けの採用が早いと予想
- 次世代AI PC:
- Qualcomm、AMD搭載モデルの出荷が開始段階
- 2027年までに出荷台数の50%を占める見通し
- 平均単価は5-10%上昇すると予想
商用PC市場の回復について
- 商用PC市場は回復トレンドが継続
- エンタープライズ:約5%成長
- 政府向け:6-7%成長
- 中小企業向け:3%成長
- 教育向け:1%成長
- Windows 11の普及とWindows 10サポート終了が需要を後押し
- 商用PC向けの商談パイプラインは昨年より大幅に強化
Future Readyプログラムと投資のバランス
- コスト削減効果は粗利益と営業費用の両方に反映
- 投資により損益計算書の構造が変化(粗利益増、営業費用増)
- 短期的な逆風への対応と長期的な成長ドライバーへの投資を両立
キャピタルアロケーションについて
- 自社株買い枠を100億ドルに拡大
- フリーキャッシュフローの約100%を株主還元する方針を維持
- 長期的にも現在の資本配分方針を継続する意向
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