HP(ティッカー:$HP)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.82 | $0.81 | 〇 |
売上高 | $12.8B (YoY -0.9%) | $12.6B | 〇 |
ガイダンス 2024Q3EPS | $0.85 ($0.78~$0.92) | $0.85 | 〇 |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $3.45B ($3.30B~$3.60B) | $3.66B | × |
業績ハイライト
業績概要
- 第2四半期は前年同期比1%減の128億ドルの売上高
- 非GAAPベースの営業利益は前年同期比2%増加、非GAAPベースのEPSは前年同期比4%増の0.82ドル
- パーソナルシステムズ事業は8四半期ぶりに成長に転じ、前年同期比3%増の84億ドルの売上高
- プリント事業の売上高は前年同期比8%減の44億ドル
事業別の状況
- パーソナルシステムズ事業ではコマーシャル需要の回復により、営業利益率は6.0%と期待通りの水準
- プリント事業の営業利益率は19%と期待通りだったが、需要の低迷が続く厳しい環境
- 産業用グラフィックスは3四半期連続で成長
- 3Dプリントはハードウェア需要の低迷により減収
AI関連の取り組み
- 100以上のAI対応ソリューションを発表し、生産性とコラボレーションの再定義を目指す
- エッジでAIを動作させる業界初のAI PC製品群を発表
- 次世代AI PCの発表により、最先端のAIテクノロジーへのアクセスを可能に
- デロイト コンサルティングと協力し、AI PCを活用したITサポートの効率化ソリューションを開発
今後の見通し
- 第3四半期の1株当たり利益(非GAAP)は0.78~0.92ドルの見通し
- 2024会計年度の1株当たり利益(非GAAP)は3.30~3.60ドルの見通し
- 下期はPC需要の回復とAI PCの立ち上がりにより、上期よりも力強い業績を見込む
- プリント事業は下期に市場が安定化すると予想
質疑応答ハイライト
プリント事業の見通しについて
- コンシューマー向けでは引き続き競争が激しい状況だが、オフィス向けでも競争が激化してきている
- 下期は市場が安定化すると予想。2023年下期と比較して需要の落ち込みが緩和されることが主な理由
- プリンター1台あたりの使用量が安定していることも市場安定化の兆候
- コスト削減により価格競争力を高め、下期にシェア獲得を目指す。利益を伴う成長という戦略に変更はない
プリント事業の営業利益率について
- 第2四半期のプリント事業営業利益率は前四半期比0.9ポイント低下。サプライ事業の粗利率低下が主因ではなく、変動報酬などへの投資増が影響した
- 第3四半期は16~19%の上限近くを予想。通期でもレンジの上限近くを見込む
- ハードウェア需要の回復、新しいビジネスモデルやコスト管理によるOP額の増加などがプラス要因
パーソナルシステムズ事業のコマーシャル需要回復について
- 北米と欧州、大企業と中小企業で広くコマーシャル需要の回復を確認。アジア、特に中国は低調
- 導入済みPCの更新需要や、Windows 11への移行需要が背景にある
- 下期は官公庁向けビジネスの回復も予想。上期は予算凍結の影響を受けていた
AI PCの普及について
- 第2四半期に発表した次世代AI PCの出荷による業績への影響は下期は限定的。ポートフォリオを拡充していく
- 次世代AI PCはコンシューマー向けの採用が先行する見通し。コマーシャル向けは顧客での評価に時間を要する
- コマーシャル向けの採用は徐々に進み、2025年や2026年に大きな影響を及ぼすと予想
中国市場の需要動向について
- 第2四半期はプリント、パーソナルシステムズ事業ともに中国の需要回復は見られなかった
- 下期も経済環境は厳しい状況が続くと予想しており、需要回復は見込んでいない
- 一方でインドなどのその他の地域では需要が好調
定額制ビジネスについて
- 第2四半期はインスタントインクなどの定額制サービスの契約数と売上高がともに成長
- 定額制サービスのポートフォリオを拡充。顧客価値の向上とともに、顧客一人あたりの利益も拡大できる
- 収益性の高いビジネスの成長を目指す
コメント