アジレントテクノロジーズ(ティッカー:$A)の2024年度第2四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $1.22 | $1.19 | 〇 |
売上高 | $1.57B (YoY -8.7%) | $1.58B | × |
ガイダンス 2024Q3EPS | $1.265 ($1.25~$1.28) | $1.45 | × |
ガイダンス 2024Q3売上高 | $1.555B ($1.535B~$1.575B) | $1.72B | × |
ガイダンス 通年EPS | $5.20 ($5.15~$5.25) | $5.50 | × |
ガイダンス 通年売上高 | $6.46B ($6.42B~$6.50B) | $6.78B | × |
業績ハイライト
Q2の業績
- 売上高は15億7300万ドル、前年同期比7.4%の減少
- 厳しい比較対象となった昨年Q2の成長率は9.5%
- 受注残高は増加し、7四半期ぶりに前年同期比で成長
- EPSは1.22ドルと期待を上回ったが、前年同期比4%の減少
通期見通しの引き下げ
- 市場の回復ペースが想定より遅いため、市場成長予想を下方修正
- 通期の売上高予想を64億2000万ドル〜65億ドルに引き下げ(コアベースで4.3%〜5.4%の減少)
- 通期のEPS予想を5.15ドル〜5.25ドルに引き下げ
- コスト削減策を実施し、年間1億ドルの追加節約を見込む
エンドマーケット別の状況
- 全てのエンドマーケットで売上高が減少
- 地域別では、米州と欧州が期待をやや上回ったが、中国は期待を下回った
- ファーマ(最大のエンドマーケット)は11%減少
- ケミカル・アドバンスドマテリアルは予想を上回り3%の減少
- アカデミア・ガバメントは12%減少、中国の影響が大きい
事業グループ別の状況
- LSAGは7億5400万ドルで13%減少、消耗品は明るい兆し
- ACGは4億200万ドルで5%増加、サービス契約が二桁成長
- DGGは4億1700万ドルで8%減少、病理は好調だがセルアナリシス大幅減
質疑応答ハイライト
中国の状況と見通し
- 第2四半期は期待を下回る結果だったが、大幅な悪化ではない
- 大規模な景気刺激策が発表され、顧客は関連分野への影響を見極めている
- 景気刺激策は第2半期には影響なしだが、2025年には効果が出ると予想
- 中国のローカル企業との競争については、強力な機器とサービスで差別化できると考えている
製薬市場の状況と機器需要の見通し
- 製薬市場の機器需要は抑制されたままだが、状況は徐々に改善すると予想
- 機器の買い替えサイクルに大きな変化はない
- 第2四半期の受注は前年比でプラスに転じたが、期待ほど伸びなかった
- ファンネルは安定しているが、購買決定の長期化が続く見込み
NASド事業の状況と投資方針
- 臨床プログラムの一部が来年にずれ込み、商用製品の立ち上がりが想定より遅れている
- 通期の売上予想を3億ドル程度に引き下げ
- 一時的なヘッドウィンドはあるが、中長期の成長ストーリーに変更なし
- 生産能力の拡張とRNA以外の治療法への対応を進めており、投資方針を変更する予定はない
長期的な成長見通し
- バイオ医薬品、PFAS、先端材料などの高成長分野に注力
- サービス事業は長期的に高成長を維持できる見込み
- 中国は成熟市場並みの成長率に落ち着くと予想されるが、市場規模は大きい
- 5〜7%の長期的な成長アルゴリズムは変更しない方針
ガイダンスの設定と可視性
- 顧客からのフィードバックに基づき、予算の解除が速いペースで進むと期待していたが、実現しなかった
- 特に製薬の機器需要の回復が想定より遅れている
- 現時点で入手可能な情報に基づいてガイダンスを設定しており、第2半期に大幅な改善は見込んでいない
- 今年は第3四半期と第4四半期の伸びに大きな差はない見通し
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