ASML(ティッカー:$ASML)の2025年度第3四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
| 結果 | 予想 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| EPS | €5.48 | €5.42 | 〇 |
| 売上高 | €7.52B (YoY +0.7%) | €7.73B | × |
| ガイダンス 2025Q4売上高 | €9.5B (€9.2B~€9.8B) | €9.3B | 〇 |
| ガイダンス 通年売上高 | €32.5B | €32.33B | 〇 |
業績ハイライト
売上・利益・受注状況
| 項目 | 数値 | 前期比/備考 |
|---|---|---|
| 売上高(Net Sales) | €7.5B | High-NAシステム1台の売上認識を含む |
| インストールベース収益(Installed Base Revenue) | €2.0B | 売上高に含まれる |
| 粗利益率(Gross Margin) | 51.6% | ガイダンス内で着地 |
| 純利益(Net Income) | €2.1B | ー |
| 受注額(Net Bookings) | €5.4B | うちEUVが€3.6Bを占める |
✅ ポジティブ:粗利益率はガイダンス範囲内に収まり、EUVの受注が堅調
⚠️ 注意点:売上規模はQ4に比べて小さい計画(想定内)
Q4 2025 および通期ガイダンス
| 項目 | Q4 2025 ガイダンス | 通期2025ガイダンス |
|---|---|---|
| 売上高 | €9.2B〜€9.8B | 約 €32.5B |
| インストールベース収益 | 約 €2.1B | ー |
| 粗利益率 | 51%〜53% | 約 52%(Q4中間値基準ではやや上振れ) |
✅ ポジティブ:Q4は計画通り大幅増収予定
⚠️ 注意点:利益率の範囲は広めで不確実性を含む
経営陣コメントまとめ(市場動向・見通し)
- AI分野の成長が全顧客に波及しており、先端ロジックとDRAMへの投資が強化中。
- EUVの導入が加速中。DRAMと先端ロジック顧客で採用進む。
- 中国市場は2026年に大きく減速見込み(2024年・2025年は堅調だった)。
- 2026年売上高は2025年を下回らない見通し
- 製品構成ではEUVが拡大し、Deep UVは縮小の予測。
- 詳細は2026年1月のカンファレンスで開示予定。
✅ ポジティブ:AIブームが全体のリソグラフィ需要を押し上げ
❌ ネガティブ:中国市場の需要縮小は構造的なリスク
技術動向・戦略提携
🧠 Mistral AIとの提携(AI活用)
- Mistral AIと戦略提携し、11%を出資(シリーズCラウンドで主幹投資)
- ソフトウェアの品質・コーディング分野で高評価のMistralと連携し、
- 製品精度、スピード向上
- ソフトウェア比重の高いASML製品の強化
- 開発スピード・市場投入スピードの向上
✅ ポジティブ:ハード主導のASMLにおいて、AIを活用したソフト強化は競争優位性を高める布石
技術ロードマップ進捗
| 項目 | 進捗内容・実績 |
|---|---|
| EUV | SPIE Semiconにてコスト削減技術発表。先端ノード向け技術が進展。 |
| INA | 30万枚以上のウェハーを顧客で処理。成熟度は旧世代(Loiner)を超えると報告。 |
| SK hynix | 最初の5200装置導入を開始。DRAM未来の鍵として導入強化。 |
| 高度パッケージング | XT260を初出荷(最大4倍の生産性)。3Dインテグレーション用途。 |
3Dインテグレーション市場への進出
- Mooreの法則を支える**“横”のリソグラフィ(2D)に対し、“縦”の集積(3D)もターゲットに**
- Holistic Lithography技術の応用が可能と判断し、XT260を皮切りに製品展開
- 2026年には複数の顧客がこの分野に興味を示しており、今後の成長ドライバー候補
✅ ポジティブ:先行投資が成果に結びつく兆し
⚠️ 注意点:市場の成熟・収益貢献までは時間を要する可能性あり
長期見通し(2030年)
| 年度 | 売上高 | 粗利益率 |
|---|---|---|
| 2030年(目標) | €44B〜€60B | 56%〜60% |
✅ ポジティブ:AIや3Dインテグレーションをテコに成長継続の見込み
❗ 注意点:最大で€60Bという数字は強気すぎる印象もあり、前提条件の精査が必要
質疑応答ハイライト
市場動向と中国リスクについて
Q:2026年に向けた市場展望は?
A(Christophe Fouquet):
- AIの浸透が全体に広がっており、ロジック・DRAMともに前向き
- ただし、中国市場の需要は2026年に明確に減速見込み
- 結果として、2026年の売上高は2025年同等か若干上回る水準にとどまる
Mistral AIとの提携の狙いと背景
Q:Mistral AIとの協業の意図は?
A(Roger Dassen):
- MistralはB2Bアプローチと高品質なLLMで定評あり
- ASML製品はハードだけでなくソフトの精度が極めて重要であり、AIは性能改善に資する
- 製品開発のスピードアップ、Time-to-Marketの短縮にも活用予定
- Mistralに11%出資、戦略委員会の議席も保有
技術ロードマップに関する進展
Q:最近の技術的ハイライトは?
A(Christophe Fouquet):
- EUVでのコスト効率改善が顧客から好評
- High-NAのINAで30万枚以上処理達成、成熟度は過去機種を上回る
- SK hynixが最初のHigh-NAツール(5200)導入
- XT260の出荷で、3Dパッケージングに進出
3Dインテグレーションの展望
Q:ASMLの3D集積戦略は?
A(Christophe Fouquet):
- 顧客の要求は年々厳しくなっており、技術革新が不可欠
- 既存のHolistic Lithography技術が3Dに転用可能
- XT260を皮切りに新製品展開予定
- 来年以降、複数顧客が関心を示しており、成長性は高い
長期成長のけん引役は?
Q:2030年に向けた成長戦略は?
A(Christophe Fouquet):
- AIが先端ロジック・DRAMの需要を加速
- 3D集積も新たな成長軸
- ソフトウェア強化による製品性能の進化も寄与
- 売上高 €44B〜€60B、粗利益率56%〜60%を想定

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