グラブ(ティッカー:$GRAB)の2024年第4四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.00 | $0.00 | 〇 |
売上高 | $764M (YoY +17%) | $756.7M | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $3.365B ($3.33B~$3.40B) | $3.392B | × |
📊 業績ハイライト
🚀 売上・利益
項目 | 2024年実績 | 前年比増減率 | 備考 |
---|---|---|---|
売上高(Revenue) | $2,140百万 | +21%(恒常為替ベース) | GMV成長とプロダクトミックスの改善による拡大 |
調整後EBITDA | $313百万 | +170% | 上方修正したガイダンスの上限を達成 |
調整後フリーキャッシュフロー | $136百万 | +370百万 | 前年の赤字から大幅に改善 |
- 💚 ポジティブ要素: 売上、EBITDA、キャッシュフローがいずれもガイダンス上限に達し、健全な成長を実現。
- ❤️ ネガティブ要素: モビリティ部門のマージンが一時的に8.4%に低下(前年並みの9%を下回る)。
📦 セグメント別業績
セグメント | 2024年Q4売上高 | 前年比増減率 | 調整後EBITDA | マージン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
オンデマンドGMV | $5.62B | +20% | N/A | N/A | プロダクト改善(Saver Rides、Priority Deliveries)が寄与 |
デリバリー | N/A | +12% | N/A | 4.2% | デリバリー利益率は70bps改善 |
モビリティ | N/A | +18% | N/A | 8.4% | Saver Rides比率拡大によるマージン低下 |
フィンテック | $74百万 | +15% | -$18百万 | N/A | ローン拡大による費用増($536Mローン残高) |
- 💚 ポジティブ要素: デリバリー部門のマージンは**4.2%**に改善し、ガイダンス通りの「4%+」を達成。
- ❤️ ネガティブ要素: フィンテック事業は引き続き赤字だが、2025年下期には黒字化見込み。
🔮 2025年ガイダンス
項目 | 2025年ガイダンス | 前年比増減率 | 備考 |
---|---|---|---|
売上高 | +19%~22% | +20% | 恒常為替ベース、オンデマンドGMVの勢い継続 |
調整後EBITDA | +40%~50% | +40% | 中心値で約**$450M**規模 |
調整後フリーCF | 黒字維持 | N/A | 2024年の$136Mに続く黒字 |
デリバリーマージン | 4%+ | N/A | 高付加価値サービスとパートナー連携により安定化 |
モビリティマージン | 9%+ | N/A | Saver RidesとPremium Ridesのバランス強化 |
フィンテック黒字化 | 2025年H2 | N/A | GXS銀行は2025年Q4黒字見込み |
- 💚 ポジティブ要素: 売上・利益ともに堅調な成長を維持しつつ、コスト管理も強化。
- ❤️ ネガティブ要素: 為替の影響(2025年は30bps程度の逆風を想定)。
🎤 質疑応答ハイライト
🛵 Q: Saver Ridesとデリバリーの製品ミックス変化とマージンへの影響
A (Alex Hungate):
- Saver Ridesはモビリティ取引の26%、デリバリー取引の**33%**を占める。
- マージンは短期的に影響を受けるが、長期では安定化。
- モビリティの長期マージンは引き続き9%+、デリバリーは**4%+**を維持見込み。
- 💚 ポジティブ: Premium Rides、Blue Bird(インドネシア)、SM/Robinsons(フィリピン)とのパートナーシップ強化により、利益率を安定化。
💰 Q: フィンテック事業の収益性改善とコスト増の理由
A (Alex Hungate):
- ローン残高は**$536Mに拡大、売上も$74M**に成長。
- Flexiloans(マレーシア)、MSMEローン(中小企業向け)を開始。
- Provision(貸倒引当金)を積み増し中だが、2025年H2には黒字化見込み。
- 💚 ポジティブ: GFinはGrabの資本コストを上回る利益を創出。
📈 Q: 2025年のガイダンスは保守的か?上振れ余地は?
A (Peter Oey):
- 売上: +19%~22%、EBITDA: +40%~50%。
- 新年のラマダンと旧正月がQ1に重なり、慎重に予測。
- 💚 ポジティブ: 強い1月のスタートを確認、通年で上方修正の可能性も。
🚗 Q: EV(BYD)およびAV(自動運転)導入の影響
A (Anthony Tan, Alex Hungate):
- BYD EV: 5万台を導入予定。ドライバーのランニングコスト低減。
- AV: 東南アジアでは「AVと人間ドライバーのハイブリッドフリート」を構築予定。
- ❤️ ネガティブ: 東南アジアは規制・インフラ整備が未成熟なため、完全AV化には時間が必要。
🤖 Q: AIとコスト最適化の進展について
A (Anthony Tan):
- Merchant AI Assistant:
- 広告出稿率**+24%**、売上も増加。
- GenAI: OpenAIと提携、他のマルチモーダルモデル(DeepSeek含む)も活用。
- 💚 ポジティブ: 2025年は**エージェント型AI(Agentic AI)**によりさらなる生産性向上を目指す。
📝 総括
- 💚 ポジティブ:
- 売上、EBITDA、キャッシュフローいずれもガイダンス上限を達成。
- オンデマンドGMV成長(+20%)および広告売上拡大(1.7% GMV比)が事業成長を牽引。
- フィンテックの黒字化見込み(2025年H2)、GFinはGrabの資本コスト超えの利益率を確保。
- ❤️ ネガティブ:
- モビリティのマージン低下(8.4%)、Saver Ridesの比率上昇が一因。
- フィンテックのEBITDA赤字が続くが、Provision積み増しによるもの。
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