クラウドフレア(ティッカー:$NET)の2024年度第1四半期決算についてまとめます
決算概要
アナリスト予想平均と結果の比較をまとめます。
結果 | 予想 | 判定 | |
---|---|---|---|
EPS | $0.16 | $0.13 | 〇 |
売上高 | $378.6M (YoY +30%) | $373.28M | 〇 |
ガイダンス 2024Q2EPS | $0.14 ($0.53~$0.57) | $0.13 | 〇 |
ガイダンス 2024Q2売上高 | $394.0M ($393.5M~$394.5M) | $393.5M | 〇 |
ガイダンス 通年EPS | $0.605 ($0.60~$0.61) | $0.58 | 〇 |
ガイダンス 通年売上高 | $1.65B ($1.648B~$1.652B) | $1.65B | 〇 |
業績ハイライト
業績ハイライト
- Q1の売上高は3億7,860万ドルで、前年同期比30%増加
- 年間10万ドル以上の大口顧客数は2,878社で、前年同期比33%増加。大口顧客からの売上高構成比は67%に拡大
- 売上総利益率は79.5%で、前年同期から170ベーシスポイントの改善
- 営業利益は4,240万ドルで、営業利益率は11.2%
- フリーキャッシュフローは3,560万ドル
事業ハイライト
- 英国の国家サイバーセキュリティセンターと3年契約を締結し、1,400以上の政府・自治体組織をサイバー脅威から保護
- 大手テクノロジー企業と3年4,000万ドルの契約を締結。40以上のCloudflare製品・サービスが対象
- 大手金融機関と初の大型新規顧客獲得。5年間で450万ドルの契約
- 2百万人以上の開発者がCloudflare Workersアプリケーションを構築
- Cloudflare Workers AI、R2オブジェクトストレージなどの新製品をリリース
- 150以上の都市でGPUを展開し、世界で最も分散化されたAIクラウドを構築中
質疑応答ハイライト
SASE(Secure Access Service Edge)市場でのシェア獲得について
- Cloudflareは後発ながらSASE市場でシェアを伸ばしている。パフォーマンスの高さと包括的なプラットフォームが差別化要因
- 他社にはないリバースプロキシ製品もSASEと組み合わせて提供できる
- Gartner、Forresterのランキングで他社を上回る伸びを示している
- 性能とユーザー体験にこだわり、VPNの遅さやクラウドサービスの非効率さを解消
AI関連の開発者の採用と報酬について
- AIエンジニアの採用競争は激しいが、Cloudflareには多くの応募がある
- 革新的な企業として認知され、チャレンジングな課題に挑戦したい優秀な人材が集まっている
- 人材流出は特に増えていない
- Q1には35万人が応募。250ポジションに対し前年同期比約50%増
- Mark Anderson氏やStephanie Cohen氏など優秀な人材を採用できている
Cloudflare Workers AIで構築されているアプリケーション例
- 大手eコマース企業が商品画像の分類とキーワード生成に利用
- ドローン企業が画像から3Dモデルを生成
- 動画プラットフォームが動画の説明文、書き起こし、翻訳に利用
- フードデリバリー企業がAIで料理画像を生成
- 写真・動画編集プラットフォームが画像の品質向上に利用
- 音楽制作企業が多言語の歌詞を生成
- 大企業や公共機関がシャドーITを検知
- スタートアップ企業がメールを要約し経営陣向けレポートを作成
- 金融機関がリアルタイムの不正検知に利用
業績見通しが控えめな理由について
- 地政学的な不透明感が高まっており、購買行動への影響が懸念される
- 一方で、サイバー攻撃の増加などから公共機関でのセキュリティ需要は高まっている
- 政情不安により短期的な業績へのマイナス影響はあり得るが、長期的にはプラスに働く可能性もある
- 経済の先行きは前年同期ほど深刻ではないものの、不透明感は高まっていると認識
- セールスリーダーの交代によるリスクは織り込み済み
- 慎重にガイダンスを行うのはCloudflareの一貫したスタンス
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